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パワハラの防止対策とは?マネージャーが習得すべき、怒りのコントロール方法

パワハラの防止対策とは?マネージャーが習得すべき、怒りのコントロール方法

ここ数年、日本政府はパワハラ防止に関する活発な取り組みを行っています。政府は2019年5月に、パワハラ防止のための対策を企業に義務づける、労働施策総合推進法(通称、パワハラ防止法)を成立させました。これにより、大企業は早ければ2020年の4月から、中小企業は2022年の4月から、パワハラ対策が義務付けられることになりました。そのため、パワハラ防止は現在、企業にとって重要な課題となっているのです。しかし、実際にはパワハラの防止対策が分かっている企業は少なく、多くの企業が苦戦しているのが実情となっています。

企業は、どのようにしてパワハラ防止対策を行えばよいのでしょうか?その答えは、マネージャーに怒りのコントロール方法を身につけてもらうことです。パワハラが起きてしまうケースの多くは、マネージャーが部下に成長を期待するあまり、成果を出せない部下にイライラして強く当たってしまうというものです。部下に強く当たらないようにするためには、マネージャーが怒りをコントロールする技術を身につける必要があります。そこでこの記事では、まずは怒りという感情の仕組みについて押さえた上で、パワハラ防止のためにマネージャーに身に付けてもらいたい、怒りのコントロール方法をご紹介します。

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パワハラ防止のために、怒りという感情の仕組みを知る

パワハラを防止するための怒りのコントロール方法を学ぶ前に、なぜイライラや怒りが生まれるのかについて解説します。

怒りをコントロールして適切に対処するためのスキルである「アンガ―マネジメント」では、怒りを「第二次感情」と定義しています。そして、「第二次感情」である怒りの根底には、ネガティブな「第一次感情」が存在するとしています。まずはこの第一次感情と、第二次感情について押さえることが重要となります。

第一次感情:ネガティブな感情

人間はそれぞれ、ネガティブな感情を溜めておくことのできる器のようなものを持っています。その器に溜まるのは、不安や寂しさ、悲しさ、不自由さ、承認欲求が満たされないこと、楽しくないといったマイナスの感情です。こういったネガティブな感情を、「第一次感情」といいます。そして、第一次感情は発散されない限り、器が一杯になるまで溜まっていきます。

第二次感情:怒り

器が第一次感情でいっぱいになると、それ以降に生まれた第一次感情は、器から溢れてしまいます。この器からあふれ出した第一次感情が、「第二次感情」の怒りになるといわれています。つまり、怒りは第一次感情が姿を変えたものなのです。

パワハラ防止のポイント!ネガティブな感情の原因を解明する

怒りがどのようにして生まれるのかが分かったところで、本題に入っていきます。ネガティブな感情が器からあふれ、怒りが生まれてしまった場合には、どのように解消したらいいのでしょうか。

生まれてしまった怒りは、発散しない限りなくなりません。ですが、人や物に当たるという発散方法を選択してしまうと、パワハラになる可能性があります。ですから、パワハラを防止するには、怒りという感情に振り回されて人や物に当たるのではなく、怒りという感情の根源をなくすことがポイントになります。

ほとんどの人は、怒りを発散する方法として、怒りの感情をぶつけることしか知りません。確かに、人に怒鳴り散らしたり、ものに当たることには、怒りを発散する効果があります。ですが、それでは怒りの原因となったネガティブな感情の発生を止められません。再びネガティブな感情で器があふれれば、また怒りが生まれてしまいます。怒りをコントロールするには、怒りのもととなるネガティブな感情に焦点を合わせ、ネガティブな感情が生まれる原因をつかむことがポイントとなってきます。

例えば、部下のミスに対して強く当たってしまう上司がいたとします。この上司の怒りの源泉であるネガティブな感情は、「部下への期待を裏切られた悔しさ」や「自分の責任になることへの不安」などが考えられます。怒りをコントロールするには、まずこの「悔しさ」や「不安」といったネガティブな感情を認識することが大切です。そのためには、自分の心の声に耳を傾けてネガティブな感情を探る必要があります。

マネージャーが怒りにとらわれず、ネガティブな感情を解消する方法

そうはいっても、怒りがあふれている状態でネガティブな感情を冷静に探るのは困難です。そこで、怒りがあふれたときには、まずネガティブな感情を探ることのできる状態を作る必要があります。ネガティブな感情を探ることのできる状態を作ってから、自分の怒りを客観的に見てネガティブな感情が生まれている原因を解明し、それに対処することで怒りを根本的に解消することができるのです。ここでは、その具体的な対処法についてご紹介していきます。

怒りを感じたら、6秒間自分を抑えてもらう

怒りがもっとも強く感じるのは、最初の6秒間といわれています。これは、怒りを感じたときにアドレナリンが分泌され、それが6秒間かけて全身を巡るからです。この6秒間を怒りに支配されてしまうと、人や物に当たってしまいやすく、パワハラな言動を取りやすくなります。

ネガティブな感情を探るには、最初の6秒が過ぎるのを待つのがポイントです。6秒数えるのもいいですし、空を見る、目を閉じる、胸に手を当てて心拍を感じるなど、6秒の間感情を抑えられる方法を、各マネージャーに探してもらうといいかもしれません。

怒りを紙に書き出してもらう

怒りを感じているとき、自分の感情を客観的に見るのは非常に難しいとされています。「なぜ怒っているのか」「どうしたら怒りが治まるのか」といったことを、怒りながら把握できる人はなかなかいません。怒りをコントロールするためは、最初の6秒間に耐えた後で感情から理性に主導権を移す必要があります。

自分の怒りを客観的に見る方法としては、紙に書くのが有効と言われています。紙に書くときには、「Why」「Who」「What」「Where」「When」「How」の5W1Hを意識して、「何に怒っているのか」「なぜ怒っているのか」を明確にします。

例えば、紙に「○○の態度が憎たらしい」「ミスをするなんてありえない」と書いた場合には、「○○」がWhoに、「ミス」がWhatに当たります。こうすることで、自分が何に対して怒りを感じているかが明確になります。紙に書くことで、自分の怒りを客観的に見やすくなるのです。この過程で解明される怒りの対象が、ネガティブな感情を生んでいる原因となります。

ネガティブな感情を特定し、周囲に協力してもらいながら解消を目指してもらう

この原因を解消するには、怒りの対象に抱いている自分のネガティブな感情を特定する必要があります。例えば、「ミスをするなんてありえない」という怒りの源泉であるネガティブな感情は「ミスが自分の責任になり、評価が下がるのが不安」という感情かもしれません。

その場合、この感情を解消するために、ミスをした部下に対して「君が大きなミスをすると、自分の評価も下がるのではないかと不安になるんだ。計画を行動する前に一度報連相をしてくれないだろうか。」とお願いすることができます。自分のネガティブな感情を解消するためのお願いをして、そのお願いを相手が受け入れてくれたら、そのときにはすでに怒りは解消されているはずです。

まとめ

怒りという感情は、どんなに頑張ったとしても防止することができません。ですが、怒りという感情の捉え方を変えることはできます。怒りとはネガティブな感情が溜まった結果、自分に余裕がなくなったことを教えてくれるものです。だとすれば、怒りを感じたときには「今の自分には余裕がない」と認識できますし、周りの人に「今の私には余裕がありません」と伝えることができます。そして、怒りが余裕のないサインであると気付いたならば、自分以外の人の怒りにも同じように向き合うこともできます。怒りを感じてイライラしている人に対して、同じように怒りで応じるのではなく、「相手が感じているネガティブな感情はなんだろうか」と配慮と思いやりを持って接することができるようになります。そうして怒りをコントロールし、相手の怒りともうまく付き合えるようになったとき、本当の意味でパワハラを防止することが可能になるのです。

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アチーブメントHRソリューションズのパワーハラスメント防止研修では、「どんなマネジメントが正解か」「どんなコミュニケーションが適切か」という疑問に答え、部下の成長を加速させるマネジメント方法の学習によって効果的にパワハラを防止します。NHK・東京MX・読売新聞・毎日新聞にも取り上げられた大好評の研修です。

職場におけるハラスメント対策においては特に2019年5月に労働施策総合推進法が改正され、大企業では2020年6月から、中小企業では2022年4月からパワーハラスメントの対策が義務付けられています。改めて「パワハラの基礎知識をおさらいしたい」「パワハラの効果的な予防ポイントを知りたい」という方のために以下の資料をご用意しております。

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パワハラ防止施策では「してはいけないこと」を教え込むだけでは、上司側がパワハラを恐れるあまり適切なマネジメントができなくなってしまうケースが多数報告されています。大切なことはそもそもパワハラを引き起こさない「コミュニケーション力」を向上させることです。専門コンサルタントがパワハラ対策を包括した研修の組み立て方を丁寧に解説させていただきますので、以下よりお問い合わせください。

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