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内発的動機づけとは?社員の主体性と行動力を高める方法

内発的動機づけとは?社員の主体性と行動力を高める方法

内発的動機づけとは、人の内側から生まれる感情や趣向、信条によって創られる動機のことです。一般的に、社員が主体的に行動できる企業は良い業績をあげると考えられており、その主体性の鍵となるのが「内発的動機づけ」です。今回は、この内発的動機づけとは一体何なのか。そして、内発的動機づけで社員の主体性を引き出すにはどうすれば良いのかについてご紹介します。

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動機づけとは

動機づけは、英語に訳すと「motivation(モチベーション)」といいます。日本では、モチベーションという言葉の方が動機づけよりも広く使われています。この動機づけとは、人や動物が活動する原動力であり、活動のきっかけとなる最も重要な要素の一つと考えられています。

動機づけには、意識的要素と無意識的要素が存在し、意識的要素には意欲や願望などがあり、無意識的要素は本能や欲求などがあります。また、動機づけは周囲や社会の影響を受けることもあります。特に、個々の内面から湧き出る動機づけを「内発的動機づけ」、周囲の人や出来事に影響される動機づけを「外発的動機づけ」と呼びます。

内発的動機づけと外発的動機づけ

この内発的動機づけと外発的動機づけの違いは何でしょうか。

まず、内発的動機づけは、自分の内面から起こる動機づけであり、「やりたいから」「楽しいから」といった自らの意志が原動力となっています。金銭面での報酬や、誰かに言われたから行動するという訳ではありません。一方で外発的動機づけは、周囲の人や社会といった外部環境の影響によって生まれる動機づけのことです。具体的には、「みんながやっているから」「やらないと怒られるから」といったものや、金銭的報酬や社会的評価などの利益を他者が与えることで高まる動機づけをいいます。

内発的動機づけはなぜ重要なのか

20世紀中盤までは、動機づけというと外発的動機づけが一般的でした。ですが、20世紀後半から近年では内発的動機づけが重要視されています。では、なぜ内発的動機づけが重要視されるようになったのでしょうか?

ビジネスにおいて、日本を含む世界中の組織が人の動機づけを外発的動機づけに依存してきました。工場や炭鉱で作業をするブルーワーカーや、成果とインセンティブによってのみ動機づけられた営業マンなどがその最たる例です。単純明快なアメとムチによる外発的な動機づけの仕組みが重宝され、実際のところうまく機能していました。しかし、昨今では外発的動機づけによって社員に高い成果を出してもらうことが難しくなってきたと言われています。その原因は、テクノロジーの進歩に伴う、仕事の劇的な多様化と複雑化です。具体的な業務が明確になっているルーチンワークは減り、より創造性が求められる仕事が増えました。単純明快な仕事は機械やアプリによって高速化され、仕事の中には問題解決やクリエイティブなどの創造力を必要とするものが欠かせません。そんな中、金銭や地位などによる外発的動機づけは、人の創造力を阻害すると言われています。

内発的動機づけの重要性を説くダニエル・ピンク

外発的な動機づけが人の創造力を低下されることについて、ダニエル・ピンク氏は『モチベーション3.0持続する「やる気!」をいかに引き出すか』(原題:Drive: The Surprising Truth About What Motivates Us)という本で解説しています。この著作の中で、ダニエル・ピンク氏は動機づけを「モチベーション1.0」「モチベーション2.0」「モチベーション3.0」に分類し、それぞれを「生理的動機づけ」「外発的動機づけ」「内発的動機づけ」として解説しています。

その中で注目すべきとしているのが「モチベーション3.0」(=内発的動機づけ)です。著書の中で、内発的動機づけは「自主性」「成長」「目的」の3つのキーワードで解説されています。内発的動機づけが高い人は、自らが主体となって目標達成のために努力、成長し続けます。また、その人が活動する目的は社会的貢献や組織の成長に紐づいており、周囲への好影響をもたらします。この内発的動機づけが高い社員を有することが、企業の業績向上にも貢献すると述べられています。

内発的動機づけを行うことで、社員はどのように変わるのか

では、内発的に動機づけられた社員はどのようなパフォーマンスを発揮するのでしょうか。

内発的動機づけは、今日のビジネスで必要とされる創造性や問題解決能力といったスキルを引き出します。そのため、新たなビジネスの創出や生産性向上にも効果が期待できます。また、そもそも内発的動機づけは自発的なものであるため、外的要因に影響されることが少なく、社員は自身のモチベーションを維持することができます。つまり、内発的に強く動機づけられた人であれば、自ら学習へと向かうことができ、学習を長期的に継続することができ、創造力を発揮して組織に貢献することができます。

内発的動機づけが必要なのは若手社員

この内発的動機づけですが、特に若手社員の育成テーマとして取り上げられることがよくあります。今の若手社員は、20年ほど前の若手社員に比べて承認欲求が強く、限られた人にしか心を開かず、プレッシャーに弱いと考えられています。しかし、社会に貢献したいという気持ちや、仕事を自らの成長につなげたいという気持ちがとても強いともいわれています。そんな彼らは、自分の仕事に意義を見出した時、驚くほどの熱量と集中力を発揮すると言われています。

そんな今の若手社員に求められているのは、組織の問題を自らの力で発見し、自らの力で解決していくことです。誰かの指示を待つのではなく、自ら周囲に呼びかけ、創造力を発揮して組織に貢献していくことが期待されています。ですので、「若手社員にこそ、創造力と高いモチベーションをもたらす内発的動機づけを身につけてほしい」と考えている企業が多いようです。

内発的動機づけを高める方法

内発的動機づけはあくまで本人の内面から湧き上がるものであり、外部が与えるものではありません。また、外発的動機づけとは異なり、内発的動機づけを形成するのは本人次第であり、個人差があります。では、周囲はどのようにして、若手社員の内発的動機づけを高めればよいのでしょうか。 エドワード・L. デシは、『人を伸ばす力―内発と自律のすすめ』にて、内発的動機づけの重要性を実証しました。デシは「自律性」「有能性」「(他者との)関係性」を高めることで、内発的動機づけを高めることができると述べています。

自律性を高める

自律性とは、自己決定や自主的な行動のことです。この自律性を高めるには、行動を選択する機会を増やし、行動を選択していることを本人に認識させることが効果的です。また、社員自身が行動の主体であることを気づかせるような問いかけ・助言、サポートを行うことが大切です。「○○について、Aさんはどう考えているの?」「この案件について、わが社の企業理念から考えるとどんな取り組みが必要かな?」「今、Bくんの目標達成率は60%だと思うんだけど、これからどんな取り組みをしていきたい?」など、主体性を引き出し、自律を実感できる関わり合いが自律性を高めます。

有能感を高める

有能感とは、自分が有能でありたいという思いや有能さを感じられることです。有能感を高めるには、自らの行動が成果につながっていることを認識してもらうことが重要です。仕事を成し遂げた結果として、顧客に喜んでもらえたことや、社内で表彰されるといったことは、社員の有能感を高めます。

関係性を高める

関係性とは、他者から尊敬されることや他者との連帯感です。関係性を高めるには、部署やチーム内での継続的なサポート等、社員に自分その組織の一員であることを感じさせることが重要です。この関係性が高まると、組織への貢献意欲が高まったり、会社や組織のミッションを理解したうえで行動したりするといった効果があります。この関係性は、承認欲求が強い若手社員にとっては効果的なポイントです。

内発的動機づけを高める人事施策

では、最後に内発的動機づけを高めるための具体的な人事施策について紹介していきます。

目標管理制度の効果的な運用

MBOやOKRのような目標管理制度を活用されている企業は多いと思いますが、そのやり方は内発的な動機付けを促すものになっているでしょうか。MBOとOKRも、本来は内発的動機づけ(セルフコントロール)を高めるものと考えられていましたが、成果主義の台頭とともに「ノルマ」など外発的な動機づけのような側面が目立つようになりました。しかし、それはMBOやOKR本来の趣旨ではありません。その目標やキャリアプラン等については、まずは本人が主体となって考えてもらう仕組みが重要です。その後、上司がそれを助言・サポートするという形で本人と合意し、期末に一緒に達成度を評価することで、本人の自律性や有能感を高めることができるでしょう。あくまで社員主体であることを感じてもらうことが重要です。

マネジメント教育の実施

内発的動機づけが高い社員は、仕事の意義を自ら見出すだけではなく、マネージャーのあり方次第でさらに内発的動機づけが高まると言われています。したがって、管理職やマネジメント層の教育のなかに、部下の内発的動機づけを高めるための手法を取り入れるとよいでしょう。特に、デシが提唱している「関係性」を高めるには、部下と日常的に接する上司の役割がとても重要です。目標管理やリーダーシップだけでなく、コミュニケーションの取り方も含めた教育の実施が主体性ある組織づくりを促進します。

まとめ

内発的動機づけを組織として育むことは、社員一人一人の創造力を引き出し、柔軟でクリエイティブな組織づくりに大きく貢献します。特に、学校教育という受け身の組織の中で過ごしてきた新人や若手社員は、内発的な動機を見出す姿勢を身につけることが即戦力へのカギとなります。もし、即戦力人材を求める人事の方がいましたら、内発的動機を育む仕組みづくりを始めてみてはいかがでしょうか?この記事を通して、主体性と行動力溢れる新人・若手社員の育成に少しでも貢献できれば幸いです。

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