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チームビルディングとは?目的とプロセス、実施方法を具体的に紹介

チームビルディングとは?目的とプロセス、実施方法を具体的に紹介

チームビルディングとは、一人では成し遂げられない目的や目標が達成できるチームを作り上げることです。昨今、ビジネスにおけるチームビルディングの重要性が高まり、注目を集めています。今回は、そんなチームビルディングの目的やプロセス、実際にチームビルディングを行っていく方法をご紹介します。

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チームビルディングとは

チームビルディングとは、先にも述べたように一人では到底成し遂げられない目的や目標を達成できるチームを作り上げていくことです。また、そのようなチームを作り上げるためのワークやプログラム、研修といった具体的な方法も含めてチームビルディングと呼ぶことがあります。では、そんなチームビルディングについて考えていく前に、そもそもチームとは何かについて簡単に確認していきます。

チームと似たような意味で使われる言葉に「グループ」があります。チームもグループも人が集まってできた集団であるという点では同じですが、この2つにはそれぞれを区別する大きな違いがあります。それは「目指すべき共通の目的・目標を持っているか否か」です。一般的には、共通の目的・目標を持っているのがチームであり、持っていなければグループとなります。例えば、野球やサッカーのチームは、「試合に勝つ」もしくは「○○大会で優勝する」と言った共通の目的・目標を持っています。

このようなチームとしてのあり方が日本で注目されるようになったのは、約20年ほど前からです。それまでは、一人のリーダーによって指揮されたチームのあり方が一般的であり、チームのメンバーはお互いを「競争の相手」として捉え、メンバー同士を協力するべき仲間だと捉えることはほとんどありませんでした。しかし、ビジネスと技術進歩の高速化、顧客ニーズ・従業員の多様化、国際情勢と環境の不安定化により、刻一刻と変わりゆく現状に対して柔軟な対応ができる組織が必要とされるようになりました。そんな特徴から「VUCAワールド」とも呼ばれている現代では、チームのメンバーそれぞれが主体的に動き、それぞれの強みを活かして弱みを補完し合うことが重要とされています。そんな背景から、昨今ではチームビルディングの重要性が方々で論じられています。

チームビルディングの目的

共通の目的・目標を持っているのがチームであり、その目的・目標を達成できるチームを作ることがチームビルディングの目的ですが、「達成できるチーム」とは、一体どんなチームでしょうか?

達成できるチームの条件には諸説ありますが、今回はその中でも「GRIP」と呼ばれる達成するチームに必要な条件をご紹介します。GRIPは、ハーバード大学の経営大学院であるハーバードビジネススクールの上級経営者養成プログラムの中で紹介される、効果的にチームビルディングを行うためのフレームワークです。

GRIPという単語は、「Goal(目的)」「Roles(役割)」「Interpersonal Relationship(人間関係)」「Process(段取り)」のそれぞれの頭文字から構成されており、この4つの条件がそろうことで達成するためのチームビルディングが可能だと言われています。では、それぞれの条件について見ていきましょう。

Goal(目的・目標)

Goalでは、「目的・目標が明確になっているか?」という問いからさらに掘り下げて、下記の5つの条件が満たされているかを確認します。

  • その目的・目標をメンバー全員が達成したいと思っているか
  • 達成可能でかつ、挑戦が必要な領域に目標の設定ができているか
  • 掲げた目標に対して、達成のイメージを描いているか
  • 成功する方法を真似していたか?他のチームから良い方法を聞いているか
  • 時間内に達成するという意識を常に持っているか

Roles(役割)

Rolesでは、「役割が明確になっているか?」という問いから掘り下げて、下記の6つの条件が満たされているかを確認します。

  • 一人一人の役割が明確になっているか
  • 役割が細分化され、その内容を全員に共有されているか
  • 役割を受けたメンバーは、こだわりをもち、責任を果たしているか
  • メンバーの特性と能力を存分に活かせる配置になっているか
  • 役割に対してメンバーの一人一人がリーダーシップを発揮できているか
  • わからないことはそのままにせず、きちんと確認しているか

Interpersonal Relationship(人間関係)

Interpersonal Relationshipでは、「チームとして団結して取り組んでいるか?」という問いから掘り下げて、下記の5つの条件が満たされているかを確認します。

  • 特定の人だけが意見をするのではなく、全員が主体的に意見を出しているか
  • チームが承認しあい、全員で達成したいと思える雰囲気が作られているか
  • 他のメンバーを信頼して仕事を依頼しているか
  • 言葉で確認し、認識や理解のズレがない様に努めているか
  • 自分の仕事以外にも、周りに配慮しているか

Process(段取り)

Processでは、「必要なタスクを明確にして、仕事の段取りがうまくいっているか?」という問いから掘り下げて、下記の5つの条件を満たしているかを確認します。

  • 仕事の流れが曖昧でなく、言語化・明確化されているか
  • 全体的に無駄のない動きができているか
  • 綿密な作戦や事前計画をつくりあげているか
  • 進捗状況を見ながらの改善が出来ているか
  • 各段階でのコミュニケーションはきちんと図れているか

この4テーマ計21個の条件を満たすことで、達成するためのチームビルディングが可能だと言われています。

チームビルディングのメリット

このようにチームビルディングを実現していくことによって、どのようなメリットが期待できるのかをご紹介します。

心理的安全性が高まる

まず、チームビルディングの大きなメリットは心理的安全性の高い組織を築くことができるということです。「心理的安全性(psychological safety)」とは、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のことです。心理的安全性が高い組織は、革新的なアイディアについて率直且つオープンに話し合うことができ、個人や組織の効果的な学習や早期の改善に繋がることが期待されています。

モチベーションアップに繋がる

チームビルディングが進むとメンバー同士の信頼関係が深まるので、相互に協力し合う体制を築くことができます。また、切磋琢磨しながら目標達成に向けて自主的に考えて行動するようになります。これによって各メンバーのモチベーションが向上し、意欲的に仕事に取り組むようになるため生産性も向上します。

離職率の低下が期待できる

社員が離職する主な原因の一つに「人間関係」がありますが、チームビルディングによってそういった不満足な人間関係や職場環境が改善されるため、離職率の低下が期待できます。また、高いモチベーションを維持しながら働くことができるため、仕事へのやりがいや満足度が高まり社員が定着します。

チームビルディングにおける5段階のプロセス

では、チームビルディングの目的が明確になったところで、実際にチームビルディングを進めていくために、チームの現状と今後のプロセスを確認していきます。

チームビルディングは、そのチームの発展度合いか5段階に分類することができると言われており、提唱者であるブルース・タックマンの名前から取って「タックマンモデル」と呼ばれています。ブルース・タックマンは、チームの誕生から解散までのプロセスを「フォーミング(Forming)」「ストーンミング(Storming)」「ノーミング(Norming)」「パフォーミング(Performing)」「アジャーニング(Adjourning)」の5つに分類しました。

チームビルディングの5段階プロセスータックマンモデル

プロセス1:フォーミング(Forming)

フォーミングは、チームが作られたばかりの段階を表します。メンバー同士がお互いの性格や目的、特徴、能力を把握しておらず、様子見や遠慮をしながらもお互いのことを探り探り知ってく段階です。

プロセス2:ストーミング(Storming)

ストーミングとは、日本語に訳すと嵐という意味ですが、チームビルディングにおける「ストーム」とは、メンバー同士の対立や軋轢、抵抗を表します。これは、メンバー同士が自身の意見を主張し始めることで起きるものであり、フォーミングを超えられた証拠でもあります。

プロセス3:ノーミング(Norming)

嵐を乗り越えた後には、秩序が形成されます。Normingの「Norm」は、日本語で「規準」という意味です。メンバーがお互いのことをよく理解し、適切な役割分担と関わり方ができるようになり、メンバーへの思いやりも生まれ始めます。

プロセス4:パフォーミング(Performing)

パフォーミングの段階に入ると、それぞれの役割を全うするだけではなく、チームのメンバー同士でフォローが生まれるようになります。全員が同じ目的のために主体的に動くことができ、チーム全体の一体感がさらに増すことで、業績がぐんと上がる段階です。

プロセス5:アジャーニング(Adjourning)

「アジャーン(Adjourn)」は「おじゃん」の語源であり、終わりや別れを表します。つまり、解散の段階です。目的と目標を掲げ、達成のために存在するチームという存在は、達成によってアジャーニングを迎えます。

このように、チームビルディングはフォーミングに始まり、アジャーニングに終わります。自分が属しているチームが、今どのプロセスまで来ているのかを確認することで、これから何が必要で、どんな施策が効果的なのかを検討することができます。

チームを上手く機能させるための4つの方法

チームを上手く機能させるための4つの方法をご紹介いたします。

チームのビジョンの明確化

チームのビジョンとは「事業やプロジェクトを通して将来成し遂げたい理想像」のことです。このビジョンが不明確なままだと、各メンバーが同じ方向に向かって進めない、チームとしての意思決定を効果的に行えないといった状態になる可能性が高いです。また、何を以て成功とするのかイメージができず、業務が鈍化する恐れもあります。したがって、マネージャーやチームリーダーからチームのビジョンをわかりやすく共有したり、状況に合わせてメンバー全員の意見を聞いて改善していきましょう。

チームメンバーのマインドセット

ビジョンや目標が明確になっていたとしても、メンバーの一人ひとりが「達成したい」というマインドセットを持っていなければ、行動実践が起きることはなく、チームが上手く機能することはできません。したがって社内研修にて、自分自身とチームの目標達成がどのように関連しているのかということに向き合い、「個人の内面から湧き上がるモチベーション」である内発的動機付けを醸成していく方法があります。

チームメンバーの役割の明確化

そして一人ひとりがしっかりと自分の役割を把握しており、最大限のパフォーマンスを発揮できていることも重要です。個別面談などでそのメンバーの役割や期待されていることは何なのかということを伝えるようにしましょう。各メンバーに適正な役割分担を行うためには、上司やマネージャーは本人の能力や願望などをしっかり把握しておくことも意識しましょう。

チームのコミュニケーションの活性化

ダイバーシティが活発化している現代において、年齢や国籍、勤務形態も異なるメンバーが同じチームで働くことも増えています。日頃からチーム内の人間関係が良好であり、十分なコミュニケーションを取ることができているかどうかは、チームが健全に機能するために大切な要素となります。コミュニケーションスキルを高める社内研修を実施したり、レクリエーションやワークショップの機会を設けたりする方法があります。

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チームビルディングの方法

では最後に、チームビルディングを行うための具体的な施策として、代表的な3つの方法をご紹介します。

方法1:ワークショップ

ワークショップとは、日本語に訳すと「体験型講座」となります。ワークショップのメリットとしては、体験することによって実際に活用するときと同じ流れで練習することができます。例えば、先ほど紹介した「GRIP」を使ってチームビルディングのワークショップを行うとしたら、現場のチーム全員を集め、「職場におけるGRIPがどのような状況かを明確にし、足りていないところを補強したうえで30分後にプレゼンテーションをしてください。」といったものが考えられます。

方法2:ゲーム・スポーツ

ゲームやスポーツを使ってチームビルディングを学ぶ最大のメリットは、「気付きが得られること」です。ゲームやスポーツをする中では、参加者の普段のやり方や関わり方、考え方の癖が顕著に表れます。例えば、サッカーをして、終わった後で「どのくらいGRIPができていましたか?」と問いかけられると、「役割が不明確だった」「段取りが足りていない」などの気付きを得ることができます。

方法3:座学

学校の授業のように講師から一方的に話を聞いて情報をインプットする座学は、参加者のモチベーションを引き出しづらく、座学だけでは実践に移されづらいというデメリットがありますが、ワークショップやゲーム・スポーツを使ったチームビルディングをする前には欠かせません。知らないことは実践に移しようがないため、ワークショップやゲーム・スポーツなど、参加者のやる気を引き出しやすいものと掛け合わせて、集中力をうまく引き出しながら行うのがポイントです。

まとめ

チームビルディングは共通の目的や目標を達成するために行われ、メンバーの心理的安全性やモチベーションの向上など多くの効果が期待できます。チームビルディングの方法を学びたい方、企業でチームビルディングを実施したい方にこの記事を通して少しでも貢献できたならば幸いです。

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チームビルディングに関する書籍の紹介

『最強のチームの作り方』

この書籍は、アメリカ海軍の中で最底辺の艦隊と言われていたミサイル駆逐艦「ベンフォールド」が、海軍No.1の艦隊へと変わる半年の間に行われたマネジメントを紹介した書籍です。著者であるマイケル・アブラショフ氏は、1997年から1999年にベンフォールドで艦長を務めていました。主体性が高く、アイデアが自然と出てくる、そんな柔軟で強いチームのつくり方を学ぶことができます。規模の大小に関わらず、チームづくりに携わるすべての人におすすめの一冊です。

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