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OKRとは?KPIやMBOとの違いや活用例を解説

OKRとは?KPIやMBOとの違いや活用例を解説

OKRは、企業の目標管理方法として世界中で活用されています。世界的な企業も取り入れている手法ですが、「よくわからない」という方もいるのではないでしょうか?この記事ではOKRの概要や導入するメリット・デメリットを中心に、混同されやすいKPI・MBOとの違いについても解説していきます。OKRの基本的な内容を知りたい方はぜひ本記事を役立ててください。

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OKRとは?わかりやすく解説

**OKR(Objectives and Key Results)**とは、目標を設定・管理する方法の1つです。アメリカ・Intel社が生み出した手法でシリコンバレーを中心に広まりました。

OKRの特徴は、社員個人の目標と企業の目標をリンクさせることです。各部署やチームのメンバー全員が事業目標と自らへの期待を理解することになります。細かく進捗を確認することで無駄なアクションを排除できるため、革新的な手法とされています。

OKRの「O」はObjectives

Objectivesは達成を目指す『目標』のことです。確実に実現できる目的ではなく、わざと難易度が高いものを掲げることでチームのモチベーションを高められます。漠然と目標を掲げればいいわけではないので、設定時は注意が必要です。

そのほかObjectivesの条件となる項目は以下の通りです。

  1. 定性的(数値では表せない)な目標
  2. 難易度が高く野心的なもの
  3. シンプルで覚えやすいもの
  4. 1カ月~4半期での達成が目安
  5. 定量的な指標(数値)を入れない

OKRの「KR」はKey Results

Key Resultsは直訳で『主要な結果』となります。Key Resultは、数値で測れる指標を盛り込むことが重要です。具体的な目標にすることで、方向性が明確になります。

そのほか条件となるのは以下の項目です。

  1. 数値で測定可能な定量的指標
  2. 1つのObjectivesに対して2~5つ程度
  3. ストレッチ目標(背伸びをしないと届かない目標)である
  4. 60~70%の達成率が期待できるもの

OKRの導入が注目されている理由

OKRが注目されているバックグラウンドには、評価方法の改革が企業に求められていることがあります。

従来の方法では一個人である上司が部下を主観的に評価していました。しかし、さまざまな人種や個性を持った人が集まるグローバル社会では、客観的かつ公平な評価をする会社が社員に選ばれます。こうした中で、数値で客観的な評価ができる「Key Result」の要素を持つOKRこそが有効とされているのです。

意味を間違えやすい「MBO」「KPI」との違い

ここではOKRと混同しやすい「MBO」「KPI」について、OKRと異なる部分を明確に解説していきます。

MBOとの違い

MBOは「Management By Objectives(目標による管理)」の略で目標管理制度の1つです。評価のサイクルが1カ月~4半期のOKRに対して、MBOは6カ月~1年に1回のペースで目標に対する成果を判断します。また、MBOは報酬を決定するときに活用されることが多いですが、OKRは基本的に報酬に影響を及ぼさないのが大きな違いとして挙げられるでしょう。

KPIとの違い

KPIは「Key Performance Indicator(重要業績評価指標)」の略で、最終的な達成度合いをはかるKGI(経営目標達成指標)のための中間指標となります。 KPIは、具体的な達成度合いをはかるために数値を設定するのが特徴です。社内全体で目標を管理するOKRに比べて、KPIの共有はプロジェクト内だけで行われます。KPIの最終的な目的はプロジェクトを100%達成率することなので、OKRと異なり現実的な数値を設定する仕組みです。また、KPIは社員の評価指標としても活用されることがあります。

OKRを会社で実施するメリットとは

OKR

大手企業を中心に広まっているOKRですが、導入するとどんなよいことがあるのでしょうか。ここではOKRを会社で実施するメリットについて解説していきます。

すぐに開始・変更できる

OKRはKPI・MBOといった他のフレームワークに比べてサイクルの短さが特徴です。

OKR1カ月~4半期
KPIプロジェクトによる
MBO6カ月~1年に1回

チーム状況や進捗を見ながら、柔軟に調整・変更ができる点はOKRのメリットとして挙げられます。

社員にビジョンが浸透しやすい

OKRを設定すると、企業のビジョンが社員に浸透しやすいというメリットがあります。なぜなら、OKRは企業目標を社員すべてに共有して、個人目標とリンクさせるのという特徴があるからです。個人やチームの目標が会社にどう役立っているのかがわかることで生産性の向上にもつながります。

業務の優先順位が明確になる

OKRを導入することによって、社内全体で目標が共有されます。目標達成のための成果に直接つながる業務が明確になり、注力すべきタスクを把握しやすくなるのがポイントです。これまで仕事の優先順位が分からなかった社員にとっては、業務に集中しやすい環境づくりの実現にもつながるでしょう。

社員のエンゲージメント向上が期待できる

エンゲージメントとは、社員の会社に対する「愛着」や「思い入れ」のことです。愛社精神とほぼ同義ですが、社員と企業がお互いに成長し合うような関係のことを指します。 OKRの導入で目標を共有すれば、社員に連帯感が生まれるでしょう。進捗状況の確認などの実施により、社員同士のコミュニケーションも活発となって仕事への意欲が上がることも期待できます。結果的にエンゲージメントの向上、すなわち会社全体の生産性の向上が期待できるのです。

OKRを会社で実施した場合のデメリットとは

ここでは、OKRを会社で実施した場合のデメリットを解説していきます。

機能しにくい環境がある

社員数が少ない会社でOKRを導入すると1人が負担する仕事量が増え、うまく機能しにくいです。さらに、繁忙期などが重なってしまうとOKRを設定する時間すら取れないかもしれません。ある程度マネジメントに余力がある企業・部署でなければ、OKRの効果的な運用が難しいと言えるでしょう。

目標を達成できないと社員がストレスを感じる可能性がある

生産性向上のため、野心的で高い目標を立てることが求められるOKRですが、成果を感じられないほど高い目標では社員がストレスを感じてしまう可能性があります。社員の能力や置かれている環境を鑑みて、適切な難易度の目標を設定しなければいけません。

自社でOKRを導入する手順

ここでは実際に自社でOKRを導入したいという方に向けて、詳しい手順を解説していきます。

手順1:社員にあう目標を設定する

まずは企業全体で掲げる定性的な目標を設定したあと、部署やチーム個人へと細分化していきます。OKRの目標は共有して会社全体の意識をそろえるためにあるので、経営陣だけで決めずになるべく社内全体からアイデアを集めましょう。そうすることで社員に合った目標を設定できます。また、シンプルで分かりやすい言葉を使うのもポイントです。同時に目標の達成期限をOKRのサイクルである1カ月~四半期を目安に定めます。

手順2:適切な成果を設定する

主要な成果(Key Results)は、Objectivesを達成するために設定します。そのため定性的なObjectivesとは異なり定量的、つまり数値で表せるものを設定する必要があります。複数設定してもよいですが、1つのObjectivesに対して2~5つ程度を目安に設定してみてください。あまり多すぎるとコミュニケーションを阻害する恐れがあると言われています。なお、達成率は60~70%が目安です。低すぎたり高すぎたりすると社員のモチベーション維持が難しくなるので慎重に設定しましょう。

手順3:内容を社内に共有・公開する

目標を立てただけではOKRとは言えません。メールなどの社内インフラを利用して社内全体で共有することが重要です。ほかにも経営陣がプレゼンを行うなどして直接社員へ周知するという方法もあります。どんな方法でも、社員がいつでも確認できる状態にしておくことで全体の目的意識が高まり、目標達成のために業務を行えます。社内でコミュニケーションが活発化するきっかけにもなりうるので、OKR全体の動きを把握する仕組みづくりも効果的です。

手順4:フィードバックを実施する

OKRを実施したあとは、定期的にフィードバックを行いましょう。フィードバックの頻度は企業によります。例えば、アドビでは「1on1をマネージャーとメンバーとの間で3ヶ月に1度(引用:Biz/Zine|アドビの変革にみる日本の評価制度の課題──OKRを軸にしたフィードバック文化とは?)」のようですが、月に1度フィードバックを行う企業もあります。定期的に進捗のチェックがあるというだけでも社員のモチベーション維持につながるので、社員のスキルや環境に合わせて実施しましょう。

手順5:成果を測定し、評価する

設定した期日までにKey Resultsを測定し、達成度合いを評価していきます。Objectivesは高めに設定しているので、達成率70%程度に到達していれば目標達成とみなしましょう

そもそもOKRの目的は生産性の向上なので、100%達成できなくても問題はありません。目標が適切かどうか・企業目標とズレていないか話し合い、社内のコミュニケーションを活発化させることが重要です。

OKRをうまく活用するために知っておきたいコツ

OKRの活用

ここではOKRを導入するにあたりうまく活用させたいという方に向けて、4つのコツを解説していきます。

定期的にチェックインを実施する

チェックイン(チェックインミーティング)とは、OKRの進捗の確認などのため行われるミーティングでペースは1週間に1度、1時間程度の短時間となっています。

なお、チェックインで報告すべき項目は以下の通りです。

  • OKRの進捗状況
  • 目標達成の自信度
  • 目標達成の課題

上手くいっていることだけでなく失敗したことも細かく話し合って目的を調整したり、目的に対する姿勢を変えたりなどの対策をとることが重要です。

社員が納得できる目標を設定する

前述の通り、OKRでは達成できない大きな目標を設定するのが成功の秘訣です。とはいっても、社員にとって難しすぎる目標を掲げては、かえってストレスを抱えてしまう人もいるでしょう。どう頑張っても達成できない目標を設定すると、社員と経営陣との間に溝ができる可能性もあるため注意が必要です。目標設定の際には社員自身の意見も取り入れて、お互い納得できる目標を考えるようにしましょう。

OKRにおける「SMART」を理解しておく

SMART」とは1980年代にジョージ・T・ドラン氏が自身の論文で発表した目標設定の法則で以下5つの要素から頭文字をとってまとめたものです。

  • Specific:「具体的」
  • Measurable:「計測可能」
  • Achievable:「達成可能」
  • Relevant:「関連性」
  • Time-bound:「期限が明確」

これらはOKRにも通じる法則と言えます。特に「具体的」「計測可能」といった項目は、OKR設定の際に重視したい点です。また自分が行っている業務と「関連性」が高いというのも重要なポイントとなるでしょう。

失敗につながりやすい原因を知っておく

OKRを活用する際に、失敗につながる原因はいくつか考えられます。例えば、会社と社員の目標の方向性がズレていると社員のモチベーションが低下し、結果的に「失敗」となってしまいます。あくまでも会社と社員とで、足並みをそろえて目標を達成させることが大切です。一方、社員の能力に対して目標が低すぎると、社員のやる気を損ねてしまう可能性があるので難しいところでもあります。 また、通常生産性の向上が目的となるOKRを人事評価と連動させるのも良くありません。評価の低下を恐れて大きな目標を立てられない社員が増えてしまうので、人事評価とOKRは関連付けないことをおすすめします。

【実例】OKRを導入している企業を紹介

ここでは、実際にOKRを導入した国内企業の事例を紹介していきます。

NTTコミュニケーションズ

NTTコミュニケーションズはNTTの完全子会社です。早くから企業のブランド力や国際競争力を高めるデザイン経営をいち早く見据えていました。2010年には3カ年計画でプロジェクトを立ち上げ、4つの領域「プロセス(Process)」「プレイス(Place)」「ピープル(People)」「プリンシプル(Principle)」に分けて具体的な施策を進めることになります。そんな中プロジェクトチームのなかで「進捗が分からない」という声が挙がり、解決策としてOKRを導入しました。導入後はメンバー同士のコミュニケーションが取りやすくなり、マネジメントのしやすさを実感しているようです。

Google

Googleでは高いレベルの目標を掲げて、誰もが進捗を確認できるようにするためOKRを活用しています。きっかけは元Intel社の技術者「ジョン・ドーア」氏がIntelでの成功事例を、2000年代初頭にGoogleへ持ち込んだことです。以降、同社はOKRを試験的に運用しはじめ、現在では1年または四半期単位でOKRを設定し、全社員にその内容を公開しています。個人が達成可能な設定値よりも高いストレッチ目標(ゴール)で優れた人材をより鍛え、活気に満ちた職場環境作りに役立っているようです。

まとめ

OKRとは、Objects(目標)とKey Results(主要な結果)からなる目標管理方法のことを言います。報酬の決定が目的のMBOやKGIのための中間指標にあたるKPIと異なり、社員個人の目標と企業の目標をリンクさせるのがOKRの特徴です。OKRを設定することで、社員に企業のビジョンが浸透しやすかったり、業務の優先順位が明確になったりするというメリットがあります。ただし、失敗する可能性もあるので、今回紹介した内容を踏まえて自社・社員にあう仕組み作りが重要です。

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