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マインドフルネス研修とは?効果や企業での導入事例について解説

マインドフルネス研修とは?効果や企業での導入事例について解説

GoogleやYahooでも導入されているマインドフルネス研修では、座学と実践を通し、“今、この瞬間”に意識を集中させる方法を学びます。この記事では、集中力の向上やストレスの軽減などの効果がある“マインドフルネス”について、メリットや導入事例を詳しく解説します。

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マインドフルネスとは心と体を“今、この瞬間”に集中する方法のこと

マインドフルネスとは呼吸などの身体感覚に意識を向け、“今、この瞬間”に集中する方法のことです。過去や未来に囚われることなく、自分の状態をあるがままに受け入れ心を整えます。東洋の禅思想をベースに西洋で発展したマインドフルネスは、生産性の向上やストレス低減など、科学的な効果が各研究機関や大学で実証されています。

マインドフルネス研修では、マインドフルネスを座学と実践で学ぶ

マインドフルネスを企業の研修として導入したものが、マインドフルネス研修です。マインドフルネス研修では瞑想などの実践だけでなく、座学やワークショップなど様々な方法を組み合わせてマインドフルネスを習得します。通常、数週間から半年など長期に渡り研修を行うのが一般的で、GoogleやYahooなど世界各国の名だたる企業で導入されている研修です。

マインドフルネスが企業で注目されている背景

現代のビジネス環境は、不確実で複雑、曖昧で将来が不明確ないわゆる“VUCAの時代”と言えます。ストレスフルな労働環境の中で成果を上げるためには、単に頭が良い(IQ)だけでは足りず、冷静な判断能力や思いやり、直観など、**心の知能指数(EQ)**の高さも必要です。 EQを高めることは、メンタル不調やハラスメントを防ぎ、生産性や労働環境の向上につながります。不確実な時代に心身の調子を整える方法として注目されたことが、マインドフルネス研修が企業に導入されている背景でしょう。

 マインドフルネスを導入する効果やメリット

マインドフルネスを企業に導入することで、従業員のストレス軽減や集中力の向上が期待できます。具体的な効果とメリットを解説します。

ストレスの軽減

ハーバード大学が2010年に行った研究によると、1日30分程度のマインドフルネス瞑想を8週間行うことによって、慢性的なストレスによって萎縮することが知られている海馬の灰白質の神経密度が高まることがわかりました。つまり、マインドフルネスを続けることによって、脳機能的に見てストレス耐性が向上するということが実証されています。 さらに、マインドフルネスには、恐怖や不安を司る脳の神経細胞である扁桃体の過活動を収め、セルフ・マネジメント能力を高める効果があると言われています。(東洋経済ONLINE 仕事がつらい人が「今この瞬間」に集中すべき訳 マインドフルネスの「科学的」な根拠

集中力の向上

マインドフルネスは雑念を払い、“今、この瞬間”の自分に集中するため、続けることで集中力の向上にも役立ちます。また、一瞬で高い集中力に戻れるため、仕事においては生産性の向上にもつながると言えます。

共感力の向上

マインドフルネスを続けることで、共感力に関連する大脳皮質の一領域「島皮質」に変化が見られ、共感能力が向上することが分かりました。共感能力は、良好な人間関係の構築に不可欠であり、特にリーダーに求められる資質でもあります。

メンタルヘルスケア

DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)は刺激がない状態でも続けられる脳の活動のことで、過剰に働くと、うつ状態や慢性的な疲労感の原因となります。マインドフルネスは、DMNの過剰な作用を抑える働きがあると見られており、結果としてメンタルヘルスの向上が期待できます。

従業員満足度(ES)の向上

マインドフルネスを企業に導入すると、ストレスの軽減やメンタルヘルスケア、集中力・共感力の向上など、さまざまな効果が期待できるため、労働環境の改善にもつながるでしょう。働きやすい環境を整えることは結果的に従業員満足度(ES)の向上につながり、離職率の低下や顧客満足度の向上など、よりよい循環を企業にもたらすと言えるでしょう。

マインドフルネスの注意点とデメリット

会議

このように科学的な効果も実証されているマインドフルネスですが、企業で導入する際には注意点も理解しておく必要があります。マインドフルネスの注意点とデメリットを解説します。

不安感が増大する恐れもある

マインドフルネスは自己と向き合い、感情や葛藤を乗り越える作業が発生します。中には、過去のつらい体験を思い出し、不安感が増幅してしまう人もいるでしょう。また、“禅”や“瞑想”といったものにスピリチュアル的な面を感じ、嫌悪感を抱く可能性もあります。このような注意点を理解し、マインドフルネスを企業で導入する際は、従業員に強制しない配慮が必要です。 

効果を実感するまでに1ヵ月程度時間を要する

一般社団法人 日本産業カウンセラー協会 北関東支部の調査によると、マインドフルネスの効果は継続から1ヵ月程度で実感できた人が全体の69%に昇ります。(日本産業カウンセラー協会 北関東支部 『組織におけるマインドフルネス推進において有効な方法および注意点の構造化の試み』)中には半年以上の継続によってやっと効果を実感できた人もいます。企業でマインドフルネスを導入する際は、短期間ではなく、長期に渡る研修を実施しないと思うような成果が得られない可能性があります。

マインドフルネスの具体的な3つの実践方法

マインドフルネスには、瞑想以外にも場所を取らないジャーナリングや、横たわって行うボディ・スキャンなどいろいろな方法があります。マインドフルネスの具体的な方法を解説します。

マインドフルネス呼吸法(瞑想)

基本となるマインドフルネス呼吸法は、床や椅子などに座ってリラックスした状態で行います。ストレス軽減や集中力の向上など、多くの効果が期待できます。

  1. 姿勢を正し、楽な姿勢で座ります。目を軽く瞑った“半眼”の状態にすると集中しやすいでしょう。
  2. 腹式呼吸を意識し、4秒程度かけてゆっくりと鼻から息を吸い込み、倍の時間をかけて口から息を吐き出します
  3. 注意は呼吸に向け、意識が逸れたら呼吸に戻す作業を繰り返します。
  4. これを1~15分程度、心が落ち着くまで繰り返しましょう。

ボディ・スキャン

ボディスキャンとは、全身の状態を観察し体の状態に敏感になることで、ストレスを事前に回避したり感情をコントロールする方法です。

  1. 仰向けになって目を閉じ、ゆっくりと呼吸を続けます。横になるのが難しい場合は、リラックスした状態で座りましょう。
  2. 体と床の触れている感覚に意識を向け、つま先から頭のてっぺんに意識を移動させます。
  3. つま先の感覚やふくらはぎの状態、背中の温度、鼻ではどのように呼吸をしているかなどを意識しましょう。
  4. 10~15分程度かけて、体全体に意識を巡らせます。

最初のうちは、ガイド音声や導入CDなど補助ツールを使うとやりやすいでしょう。

ジャーナリング(書く瞑想)

ジャーナリングとは、与えられたテーマに沿って思いついたことを一定時間紙に書き続ける方法です。瞑想をする時間や場所の確保が難しいときにも、紙とペンだけで手軽にマインドフルネスの効果が得られます。

  1. 紙とペンを用意します。書くことに集中するため、パソコンではなく、手書きを推奨しています。
  2. 次に“テーマ”を決めます。自己理解を深めるためには「自分の長所」「今週1週間で感じたこと」など、ポジティブなものを選ぶとよいでしょう。
  3. 5~10分間の制限時間を決めて、ひたすら思いついたことをノートに書きましょう。思いつかなくなったら「何も思いつかない、困った」などと書いても問題ありません。ただし、読める字で書きましょう。
  4. 終了後は書いた内容を見直し、自分の状態を分析します。文中に多い単語や感情と関係のある単語などを拾うことで、現在の自分の状態を客観的に把握できます。

企業別マインドフルネスの導入事例

マインドフルネス研修は国内外を問わず、多くの企業で導入が進んでいます。具体的な企業の導入事例と効果を解説します。

導入事例1:Google

米大手IT企業Googleでは、2007年からエンジニア向けにSIY (サーチ・インサイド・ユアセルフ) という、マインドフルネス研修を導入しています。SIYは、マインドフルネス、脳科学、エモーショナル・インテリジェンス(EQ)を組み合わせて開発されたGoogle独自のプログラムで、下記の効果が期待できます。 

  • 共感力の向上
  • 高い集中力
  • ストレスマネジメント
  • レジリエンスの向上
  • チームワークの構築
  • セルフコンパッション(あるがままの自分を受け入れる)

SIYは業種業界を問わず、全世界的に導入されるマインドフルネス研修となりました。科学的な基盤から物事を理解するエンジニアに強い支持を得ていることは、効果の裏付けと言えるでしょう。

導入事例2:Yahoo

Yahooでは、2016年からGoogleのSIYをベースとし、ジャーナリングやボディ・スキャンなどを組み合わせた独自のマインドフルネス研修を導入しています。ヤフーのマインドフルネス研修では、下記の向上を目的としています。

  • 自己認識
  • 自己管理
  • モチベーション
  • 共感
  • リーダーシップ

導入2年後に行った効果測定では、マインドフルネス研修経験者は未経験者と比べて業務パフォーマンスが20%高いことがわかりました。さらに、週3回以上マインドフルネスを行う者と未経験者を比較したところ、業務パフォーマンスに40%以上の開きがあり、研修の効果が明らかとなりました。(日経BP ヤフーが取り組むマインドフルネス研修とは?) これらの結果から、当初リーダーシップの向上を目的として導入したマインドフルネス研修ですが、現在は社員の健康増進も目的として実践しています

マインドフルネスの企業研修プログラム例を紹介!

研修生

最後に企業で行うマインドフルネス研修の具体例を紹介します。なお、マインドフルネスは続けることに意味があります。1回で終了せず、マインドフルネス呼吸法(瞑想)などの実践を長期間繰り返すことを前提として行いましょう。

マインドフルネス研修の流れ

まず始めに、マインドフルネス研修の大まかな流れをスケジュール例と共にご紹介します。

  1. 理論とエビデンスの説明
  2. マインドフルネスの実践と習慣化
  3. 個人のワークショップ
  4. チームのワークショップ
  5. 研修後の取り組み

下記にて、それぞれの項目について解説していきます。

理論とエビデンスの説明

マインドフルネスを研修として導入する場合は、最初に概要や理論、エビデンスの説明を十分に行いましょう。科学的根拠が曖昧では、社員の不信感につながります。特に、外部講師を招かず社内で研修を行うときは、担当者自らがマインドフルネスの効果をしっかり理解した上で行いましょう。

マインドフルネスの実践と習慣化

座学で理論を学んだら、実践を通してマインドフルネスを体験します。また、マインドフルネスは長期間実践して効果を発揮するため、下記のように社内でも従業員が実践できる工夫をしましょう。

  • マインドフルネスを行う場所を確保する
  • マインドフルネスの時間をアナウンスする

集中力を高めるため、最初に全員でマインドフルネスを行い、後に個別のワークに移りましょう。

個人のワークショップ

自分自身の価値観や感情に気付くために、個人のワークショップを行います。内面の気付きを得るためには、**ジャーナリング(書く瞑想)**などを用いるとよいでしょう。自分の価値観を整理し仕事と結びつけた上で、今後どのように働きたいか、キャリアにどう活かせるかなどを考えましょう。

チームのワークショップ

マインドフルネスの実践や個人のワークショップの後は、チームで意見交換を行いましょう。他者との対話を通すことで、自己理解が深まり、心を整える能力を高められるでしょう。また、チームで価値観や感じたことを共有すれば、相互理解が深まり、チームワークの向上にもつながります。相手の話を否定せず受け入れる、あるがままに聞く経験は、共感力の向上や多様な価値観を認める練習にもなります。 

クロージング

マインドフルネスは継続してこそ効果を発揮します。研修が終わったら終了ではなく、従業員が継続できる仕組みも用意するとなおよいでしょう。たとえば、SNSのチャットボットを活用したアナウンスや、アプリの利用もおすすめです。また、マインドフルネス研修を通して実感した効果や難しく感じたことなどのアンケートを取り、効果測定を行うと今後の研修に活かせるでしょう。

まとめ

マインドフルネスは、Googleをはじめとする多くの企業で導入されるほど、効果が実証されている研修です。外部環境の変化が著しい現代において、従業員のストレス対策は大きな課題です。マインドフルネスの実践は、メンタルヘルスケアや集中力の向上が見込めるため、健康で働きやすい企業環境の構築に役立つでしょう。

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