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アイディアを生み出す「6色ハット思考法」の特徴や活用方法を解説

アイディアを生み出す「6色ハット思考法」の特徴や活用方法を解説

アイディアを生み出す手法には「ブレインストーミング」「マインドマップ」「マンダラート」「連想」などさまざまなものがあります。「6色ハット思考法」もその中の一つで、6色の色に応じて視点を変えながらアイディアを次々に出していくのです。6色ハット思考法のよいところは情報が整理され新しいアイディアが生まれやすい他、ブレインストーミングなどと比べて結論が出るまでの時間が短縮されることが挙げられます。今回はこの6色ハット思考法について特徴ややり方、メリットなどについて説明します。

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6色ハット思考法とは

6色ハット思考法(Six Thinking Hats) とは、あるテーマについて6つの視点で考える発想法です。シックスハット法とも呼ばれています。6つの視点とは客観・直感・否定・肯定・創造・俯瞰で、普段とは違う視点からアイデアが生まれるのが最大の特徴です。

6色ハット思考法はエドワード・デボノ(Edward de Bono)が1985年に発表しました。エドワード・デボノは1933年生まれ、マルタ出身の医師であり心理学者です。1967年には6色ハット思考法の原点となる水平思考(Lateral Thinking)を発表しています(de Bono – Summary Biographies of Edward de Bono)。

水平思考はそれまでの垂直思考(Vertical Thinking)とはまったく異なる革新的な考え方でした。垂直思考とは論理的な分析、深掘りをする考え方のことですが、水平思考とは視点を変えて常識にとらわれずに自由な発想をする思考法のことです。6色ハット法は水平思考のアイディアがより洗練されたものになります。

6色ハット思考法の特徴

6色ハット思考法は出席者全員が同じ色の帽子をかぶり、帽子の色に応じた視点でテーマについて発言します。一定時間ごとに帽子の色が変わりますが、必ずその帽子の色に応じた視点で発言をしなくてはなりません。6色ハット思考法の特徴は、出席者全員が同じ視点からそれぞれの経験や知性に応じたアイデアを出すということです。会議でよくありがちな一つのアイデアが出たら反論が出て、さらにその反論が続く……という悪循環に陥ることがありません。

6色の帽子は次のような役割を持っています。

  • 白色:客観的・中立的
  • 赤色:主観的・直感的
  • 黒色:客観的・否定的
  • 黄色:客観的・肯定的
  • 緑色:創造的・革新的
  • 青色:統括的・俯瞰的

テーマについて否定的な意見をもっていたとしても、黄色のときは肯定的、緑色のときは創造的なアイデアを嫌でも出さなければなりません。つまり6色ハット思考法は私たち一人ひとりが持っている考え方のクセを強制的に取り外し、普段出てこないようなアイデアを導き出してくれるのです。それぞれの色について詳しく説明していきます。

【白色・ホワイトハット】 客観的・中立的

白色は客観的・中立的な視点です。この色では客観的な事実と数値を用いた意見を出します。客観的なデータを集めるのがこの色の目的です。仮説を立てる、判断をするといったことはしません。あくまでデータに基づいた意見のみを出します。例えるならコンピューターのような意識です。実際にパソコンなどでデータを調べながら意見を出すのもよいでしょう。

【赤色・レッドハット】 主観的・直感的

赤色は主観的・直感的です。直感的にどのように思ったかを感情や主観で表現しましょう。理論だけでは割り出せない問題点や可能性をあぶり出すのが目的です。嫌いなどといったネガティブな感情でもかまいません。論理的な説明は不要ですが「賛成」「反対」など漠然としたものではなく、「面白い」「がっかりした」など具体的な気持ちを話すようにしてください。

【黒色・ブラックハット】 否定的・悲観的

黒色は否定的・悲観的な視点です。論理的に否定的な意見を出します。黒色の目的は潜在的な問題やリスクを探ることです。感情的なネガティブ意見は赤色なので注意してください。黒色では論理的な意見が求められています。アイディアをつぶそうというのではなく、注意すべき点を挙げるようにしましょう。

【黄色・イエローハット】 肯定的・楽観的

黄色は肯定的・楽観的な視点です。黒色とは逆に論理的に肯定的な意見を出します。同じポジティブな意見でも赤色と違うのは、論理的である点です。黄色の目的はテーマのよいところや可能性など長所を探り出すことです。テーマの実現可能性だけでなく実現した場合のメリットや利益などについても意見を出しましょう。

【緑色・グリーンハット】 創造的・革新的

緑色は創造的・革新的な視点です。事実やデータにとらわれない新しい選択肢が求められます。緑色は6色ハット思考法の核心部分ともいえ、最終的には緑色の意見をブラッシュアップしたものが結論になることが多いでしょう。最初から創造的な意見を出すのは難しいもの。しかし6色ハット思考法の場合、それまでにポジティブ・ネガティブな意見が出そろっているため、創造的なアイデアを出しやすいのが特徴です。

【青色・ブルーハット】 プロセス管理・俯瞰・統括

青色はプロセス管理・俯瞰・統括的な視点です。全体の流れを俯瞰することが求められます。最後にアイデアを統括してまとめるのも青色の役割です。うまく進行していないときは、いったん帽子を青色にして話を整理して、次に何をするべきかを決めるという使い方もあります。

6色ハット思考法の使い方

和やかな会議

6色ハット思考法の基本的な使い方を説明します。

準備するもの

6色に色分けされたものを用意しましょう。帽子にこだわる必要はなく、ネームプレートに付箋をつけたり、色付きの折り紙を使ったりしてもかまいません。実際に色分けされたものがなくても6色ハット思考法を実施することは可能ですが、できるだけ用意するようにしてください。なぜなら色分けされたものが目の前にあると、視覚からも思考が切り替えやすくなるからです。また参加者全員の一体感を生み出しやすいメリットもあります。 参加者とは別にファシリテーターも用意しましょう。ファシリテーターは議論には参加せず、全体の進行を調整する役目ですので、できれば6色ハット思考法に慣れた人が望ましいです。ファシリテーターにより6色ハット思考法のやり方、基本的注意事項、今回のテーマについて参加者へ説明をして色分けされたものを配布します。ここまでが事前の準備です。

話し合いの進め方

準備ができたらスタートです。3~5分ごとに順番に色を変えてそれぞれの色に応じたアイディアを出していきます。色を変える順番は決まっていません。順番についてはテーマに応じて事前に決めておきましょう。すべての色を使わなくてもよいですし、同じ色をくり返し使うこともできます。

次に一人で行う場合と複数人で行う場合の違いや注意点について説明します。

1人で6色ハット思考法を行う場合

6色ハット思考法は複数人だけではなく1人でも実施可能です。基本的なやり方は複数人のときと変わりません。一定時間ごとに色を変えていき、色に応じたアイディアを出していくだけです。ただし1人の場合、全体の流れを調整してくれるファシリテーターがいません。また1人で考えていると、感情に流されてしまいがちになる他、俯瞰的に考えるのが難しいという側面があるため注意が必要です。

複数人で6色ハット思考法を行う場合

複数人で6色ハット思考法を行う場合、いくつか注意しないといけない点があります。まず以下のブレインストーミングの4原則を6色ハット思考法でも守りましょう。

  • アイディアを批判しない
  • 自由に発言する
  • 質より量を重視する
  • アイディアを結合して発展させる

意見を言う際は、現在の色以外のことを言わないようにしましょう。また他人の意見について指摘できるのは色が違うということだけで、意見への指摘をしないのがポイントです。6色ハット思考法の色の順番は自由に変更できると説明しましたが、途中で色の順番を変えるのはおすすめしません。6色ハット思考法に慣れていないと、次にどの色にするかで時間が取られてしまいますし、状況によっては色の順番で意見が誘導されたと思われる可能性もあるからです。

6色ハット思考法を使うメリット

色々な付箋

6色ハット思考法を使うことで得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。6色ハット思考法を行うと、視点を変えながら思考をすることで情報が整理されます。情報が整理されることにより「多角的な視点からアイディアを生み出せる」「話し合いの時短」「複数人でも1人でも行える」というメリットが生まれるのです。それぞれについて説明します。

多角的な視点からアイディアを生み出せる

6色ハット思考法では普段の自分の思考法だけではなく、自分以外の視点を無理やり作り出すことで、新しい視点や考え方を得られます。自分についてしまった思考のクセを外せるため、普段ネガティブな思考に陥りがちな人も建設的なアイディアを出せるようになるのです。また通常の自分の考えとは逆の視点にも立たなければならないため、個人の感情やエゴ、偏見が排除されるという効果もあります。

話し合いの時短

6色ハット思考法を使うと話し合いの時間を短縮できます。通常の話し合いは一つ意見が出たらそれに対して反論や他の意見が出て、またそれに対して意見が……という進み方をしていくため、なかなか結論へたどり着けません。また自分の意見に対して反対意見が出ると感情的になってしまうこともあるでしょう。

6色ハット思考法の場合、全員が同じ視点で意見を出していきますから、反対意見で議論が紛糾するということも、感情的になってしまうこともありません。すべての視点で意見が出尽くした後で結論が出されますから、冷静にプロセスを進められるのです。

複数人でも一人でも行える

6色ハット思考法のよいところは複数人だけでなく一人でも使えるというところです。特に一人では考えがまとまらないときに有効です。それぞれの帽子に色の変化にともない、思考を区切るため、考えを整理しやすいのです。うまく利用すれば一人なのに複数人の視点でアイディアが出せます。

関連記事:ファシリテーションとは?役割ややり方、必要なスキルなどを紹介

まとめ

6色ハット思考法を会議に使えば、今まで出てこなかったようなアイディアが出てくるでしょう。その上会議の時短効果もねらえます。また会議だけで使うのではなく、一人でも考え方を整理して、よりよいアイディアを出したいときに有効な思考法です。必要なものは6色で色分けをした物だけ。帽子ではなくてもネームプレートや折り紙、付せんなどで十分です。ぜひ一度試してみてください。

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