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研修の効果測定はどうやるの?満足で終わらない方法を紹介

研修の効果測定はどうやるの?満足で終わらない方法を紹介

研修の効果測定で困ったことはありませんか?「満足度はわかったけれど、実際どう活かしたらいいのだろうか。」「そもそも測定方法は適切だったのだろうか。」といった疑問をよく耳にします。実施した研修が成功したのかどうかを知るためには、実施後の測定が欠かせません。ですが、その方法や活かし方について聞かれると、自信がない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、研修効果の測定を行う目的と効果測定の方法をご紹介します。

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研修効果を測定する目的

研修効果を測定する具体的な方法をご紹介する前に、測定を行う目的について見ていきます。研修効果の測定を実施する目的としては、ズバリ「研修の目的が達成されたのかを確認するため」です。

研修には、実施する上での目的があるはずです。例えば、「新入社員に報連相ができるようになってほしい」というものや「管理職者にマネジメントのスキルを学んでほしい」といったものが挙げられます。研修効果を測定するのは、これらの目的が達成されたのか否かを確認するためであり、達成されていれば研修が成功したことが分かり、達成されていなければ研修が失敗だったと分かります。それによって、次の課題解決への移行次や研修に向けた改善が可能になります。

ただし、ここで最も重要なポイントは、『研修ごとに研修の目的が異なる』という点です。そして、研修の目的が異なれば、当然その目的に適した効果の測定方法も異なります。ですので、目的に応じた研修効果の測定方法を選択する必要があります。研修効果の測定が難しいと認識されやすいのは、研修の目的によって適切な測定方法が異なるためです。

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研修の目的を分類するフレームワーク

では、目的に適した研修効果の測定を実施するためには、どうしたらいいのでしょうか?そこで、研修の目的を4つに分類するフレームワークと、それそれの分類に適した研修効果の測定方法をご紹介していきます。

研修の目的は、大きく4つの段階に分けることができ、『カークパトリックの4段階評価法』として広く知られています。カークパトリックの4段階評価法は、教育の達成度を評価するフレームワークであり、4段階とは、「レベル1:Reaction(反応)」「レベル2:Learning(学習)」「レベル3:Behavior(行動)」「レベル4:Results(結果)」を表しています。研修を実施する目的が、4段階のうちのどこを目指しているのかを確認することで、研修の目的を分類することができます。では、それぞれの段階について詳しく解説していきます。

レベル1:Reaction(反応)

レベル1の段階は、学習者が内容に反応する段階です。研修内容への満足や感動といったものが例として挙げられます。

レベル2:Learning(学習)

レベル2の段階は、学習者が知識を身に付ける段階です。研修で学んだ内容をしっかりと理解して、知識として定着していればレベル2に到達していると判断できます。研修の目標が知識の習得の場合には、レベル2に分類されます。

レベル3:Behavior(行動)

レベル3の段階は、学習者が内容を普段の生活に持ち帰り、実践できている段階です。研修の内容を現場に帰ってから活かし、実行できていればこの段階に到達しています。研修の目的が行動変容や行動定着の場合には、レベル3に分類されます。

レベル4:Results(結果)

レベル4の段階とは、学習者が学んだことを活かしたことが結果に反映される段階です。研修で学んだことを実践した結果として、企業の業績が上がればこの段階に到達したと判断できます。研修の目的が業績のアップや、生産性の向上などの場合には、レベル4に分類されます。

この学習者の成長は、レベル1から始まり、レベル4までステップアップしていくものです。つまり、研修でレベル3まで到達したいのだとしたら、研修の中でレベル1と2と3を全て取り入れる必要があります。しかし、学習者が研修を受ける段階で既にレベル1やレベル2の段階まで到達していた場合には、現状のレベルより上の内容だけでも構いません。しかし、大抵の場合は、学習者によってレベルが異なるため、レベル1から目的とするレベルまでを全て取り扱うのが基本です。

皆さんが検討している、設計している研修の目的はどの段階に当てはまるでしょうか?

研修効果の適切な測定方法

研修の目的が分類できたら、次にその目的に適した研修効果の測定方法について見ていきます。測定は、カークパトリックの4段階評価法のそれぞれのレベルに適したものを実施していくことで、研修の目的が達成できたかどうかを適切に測定することができます。4段階に対応した測定の方法は下記の通りです。

カークパトリックの4段階評価法

レベル1の測定方法

レベル1である「学習者の反応」の測定で一般的に使われる方法は『アンケート調査』です。多くの企業研修でアンケート調査が実施されるのは、アンケート調査によってレベル1に到達しているか否かを確認することができ、レベル1とは学習における最初の一歩だからです。この最初の一歩に到達していなければ、それ以降にある「学習」や「行動」の段階に到達することは困難だと言われています。

また、アンケートで測定する主な項目としては「研修の題材」「講師」「研修の学習方法」「設備」「スケジュール」などが挙げられます。

レベル2の測定方法

レベル2である「学習の定着」の測定で一般的に使われる方法は『テスト』です。研修で取り扱った内容をテストの形式で出題し、研修の参加者に受験してもらいます。これによって、研修で学んだ内容がどのくらい定着したかを測定することができます。

レベル3の測定方法

レベル3である「学習内容の実践」の測定からは、方法が徐々に複雑になっていきます。レベル3で一般的に使われるのは、『回顧調査』と呼ばれるもので、回顧とは「一定期間が過ぎた後で振り返る」ことを意味します。具体的に何をするかと言うと、研修から一定期間過ぎた後に、研修の参加者やその人と同じ現場にいる上司や同僚・部下に対してインタビューやアンケートを実施し、研修で学んだことが実践できているかを調査します。回顧調査を実施する際には、いくつかのポイントがあるため、記事の最後にご紹介いたします。

レベル4の調査方法

レベル4である「結果への反映」で測定する対象としては、企業の売上や生産性、サービスの質などが挙げられます。しかし、これらの多くは調査自体が難しい、あるいは改善・悪化の原因が研修にあるとは一概に断言できないという点があり、研修効果の測定が正確にできないケースが存在します。ただ、あえて調査するならば、「ミス発注の回数」や「クレームの件数」といった計測可能なものが良いとされています。しかし、これらが改善したとしても研修による成果だと断言することは困難です。

回顧調査を実施するポイント

先ほど紹介した『回顧調査』を実施する際のポイントを押さえるために、カークパトリックの「行動評価のガイドライン」を活用することができます。下記よりご紹介していきますので、実施する際は参考にしてみてください。

比較対象を置く

調査対象となる研修の参加者とは別に、比較対象を設定して参加者と同時に調査し、その差異を検討します。比較対象を置くことで、研修を受けた人と、受けていない人の違いを調査することができ、研修効果が計測しやすくなります。比較対象としては、次に研修を受ける人などがおすすめです。ただし、小規模の組織では同じ研修を何度も実施しない可能性があるので、注意が必要です。

行動変容に必要な時間を考慮する

研修内容に応じて行動変容に必要な時間をおおよそ計算し、その時間が経過してから調査を実施します。なぜかというと、研修を実施した翌日に調査を行ったとしてもそれは記憶が新しいからであって、本当に効果があったかどうかわからないからです。また、研修で学んだことといえど、学びを実践に移すためには、それなりの時間が必要となります。ですので、研修を実施後、ある程度の時間を置いてから調査をするといいでしょう。

研修の前後で評価する

研修前と後に調査を実施することで、参加者のベースラインを確認することができるだけでなく、研修を受けてどんな変化があったのかをより明確にすることができます。

全数調査かサンプリング調査を選択する

研修の参加者全員に調査するのが現実的ではない場合には、ランダム抽選、もしくは「平均的な人」を抽出して調査を行います。ランダム抽選や平均的な人を意図的に抽出するのは、異常値を避け、できるだけ一般的な人への研修効果を測るためです。

適切な回数だけ繰り返す

行動変容が起きるまでの時間は人によって異なります。また、一度変容した行動が一定の期間後、元に戻ることも考えられるため、測定は2~3回ほど行うのが好ましいと言われています。(例えば、研修後3か月ごとに調査を行うなど。)

調査の費用対効果

調査を実施する費用としては、スタッフの時間や回答者の時間、またアウトソースする場合の依頼費用などが挙げられます。調査をする際には、それらの費用に見合った見返りがあるかを事前に確認しておくことが大切です。もし、重要な行動変容が研修の目的となっている場合には、ある程度費用がかかっても良しとします。

まとめ

研修効果の測定では、研修の目的に合わせて適切なものを選択していくことが重要なポイントとなります。そうでなければ、人事や上司にとっての満足を作るだけの測定となってしまいかねません。また研修の目的が達成されたことを確認して初めて、次の課題解決に安心して取りかかることができ、失敗だったことが分かれば次の研修に備えて改善していくことができます。もしも今、研修の設計をしている、あるいは研修の実施を控えているという方がいましたら、目的とそれに適した研修効果の測定が設定されているかどうかを確かめてみてはいかがでしょうか?研修の参加者にとって得るものが多く、研修を担当する人事の方にとっても実りのある研修が実施できるように、この記事を通して少しでも貢献できたならば幸いです。

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