従業員エンゲージメントとは?高めるメリットと方法を紹介

従業員エンゲージメントとは、従業員が所属している会社に対して持つ貢献意欲のことです。昨今、この従業員エンゲージメントを高めることが組織づくりに欠かせない要素であるとして注目されています。今回は、この従業員エンゲージメントの概要と注目されている理由、高めるメリット、高める方法についてご紹介していきます。

従業員エンゲージメントとは

従業員エンゲージメントとは、先ほども紹介したように、従業員が抱く貢献意欲のことです。この「エンゲージメント(Engagement)」という言葉は、元は「約束・誓約・従事・没頭」という意味の英語であり、日本ではマーケティング用語として使われる場合と人事・組織開発用語として使われる場合の2パターンがあります。

マーケティング用語として使われる場合は、顧客が企業やサービス、商品、ブランドに対して抱く愛着と、愛着を持っている顧客が取る行動のことを指してエンゲージメントと呼びます。主にSNSやwebサイトに関連して使われることがほとんどであり、SNSやwebサイトを通して顧客とのつながりを深めるための指標として、「いいね!」などのアクションを活用します。

また、人事・組織開発の用語として使われる場合には、今回のテーマである「従業員エンゲージメント」と「ワークエンゲージメント」と呼ばれるもう一つの用語のどちらかを指して使われます。では、その違いについて解説していきます。

ワークエンゲージメントとの違い

ワークエンゲージメントは、学術的に発展してきた用語です。ワークエンゲージメントの高い従業員は「活力・熱意・没頭」の3つの要素を持っていると定義しています。また、ワークエンゲージメントが高い従業員と反対の存在は、「バーンアウト(燃え尽き症)」を引き起こした従業員だとしています。

一方で従業員エンゲージメントは、産業界で発展してきた用語であり、世界的に広まったのは従業員エンゲージメントが先だと言われています。ワークエンゲージメントが個人の状態に注目しているのと異なり、従業員エンゲージメントは組織と個人の関係性に注目しています。

従業員エンゲージメントが注目される理由

では、この従業員エンゲージメントが日本で注目されるようになった理由は、一体何でしょうか?

その答えとしては様々なものが考えられますが、主な理由には「人材不足による人的資本への重要性が増したこと」と「従業員の主体的な働きが求められるようになったこと」の二つが挙げられます。

従業員エンゲージメントの注目理由①人的資源の重要度の増加

日本の人口は減少し続けており、2050年には人口が1億人を切るという予測まで出ています。そして、それに合わせて労働人口も次第に減少していくため、多くの企業は人的資源をより一層重要視する傾向にあります。また、働き方への捉え方も大きな変化を迎えており、転職の一般化から人材の流動性が高まっているため、優秀・有望な人材を流出させないための施策に注目が集まっています。そんな人的資源への注目度が高まっていくにつれて、組織と従業員のつながりを示す従業員エンゲージメントへの注目度も高まっているのです。

従業員エンゲージメントの注目理由②働き方の変化

ダイバーシティが叫ばれて久しい今日この頃ですが、社会に溢れる情報の倍増と社会構造の複雑化により、社会の多様性は増し続けています。そんな社会の多様化と変化の急速化によって、かつて機能していた機械的な企業の仕組みでは対応しきれないケースが増えています。この状況の中で企業が柔軟な対応を取っていくためには、従業員それぞれが主体的に考え、行動することが欠かせません。従業員エンゲージメントが注目を集めているのは、従業員エンゲージメントを高めることと主体性を高めることが深く関係しているためでもあります。

従業員エンゲージメントを高める効果

従業員エンゲージメントを高めるメリットとして、人材の流出を抑えることや主体性を高めることなどが出てきました。では、従業員エンゲージメントを高めることによって、それらにどのくらいの効果がもたらされるのでしょうか?そこで以下より、従業員エンゲージメントを高めることで得られる効果について解説いたします。

従業員エンゲージメントと生産性の関係

世論調査で有名な米国企業のギャラップ社が発表した「State of Global Workplace Report」では、エンゲージメント指数が上位25%の企業と下位25%の企業を比べたところ、「生産性」「収益性」「顧客からの評価」「欠勤日数」「安全に関する事故」の5つの点で大きな違いがあることが述べられています。

エンゲージメントの高い組織は、生産性と収益性が20%も高く、顧客からの評価に関しても10%も高かったことが分かりました。また、欠勤日数に関しては37%も低く、安全に関する事故に関しては48%と、約半分ほどまで事故が少なかったことが報告されています。

従業員エンゲージメントと離職率の関係

アメリカのコンサルティング会社であるCEB(Corporate Executive Board)社が2004年に発表した「Driving Performance and Retention Through Employee Engagement」で発表された報告では、従業員エンゲージメントが高い従業員の離職率と従業員エンゲージメントの低い従業員の離職率には大きな差があったと述べられています。

具体的には、従業員エンゲージメントの高い従業員が1.2%の離職率を記録したのに対し、従業員エンゲージメントの低い従業員は9.2%の離職率を記録したという報告があります。

従業員エンゲージメントを高める要素

では、実際に従業員エンゲージメントを高めるために必要な要素についてご紹介していきます。

理念とビジョンを浸透させる

従業員エンゲージメントを高めるためには、経営理念とビジョンの浸透が欠かせません。経営理念とビジョンが浸透することで、従業員は自身の業務が何に繋がっているのかを明確にすることができます。そして、企業の目指しているものと、従業員個人が目指しているものに共通点があるとより一層従業員のエンゲージメントは高まります。

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社内コミュニケーションの改善

従業員エンゲージメントに影響を及ぼすものの一つとして、社内の人間関係が挙げられます。社内の人間関係は労働環境とも深く関係があり、良好な人間関係は従業員エンゲージメントを高めるために欠かせません。従業員それぞれが主体性に発言と行動を起こすためには、その土台となる人間関係が重要なポイントとなります。

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社内コミュニケーションを活性化するベンチャーの取り組み~事例集~

マネジメントの改善

従業員が組織に貢献しようと主体的に動きたいと思っていても、それが全く許されないようなマネジメントの下では、せっかくの主体性も発揮されなくなってしまいます。もちろん、報連相を徹底したり、指示を出さなければならない場面もありますが、部下が当事者意識を持ち、主体性を発揮できるようなマネジメントが必要になります。

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パフォーマンスマネジメントとは?年次評価から最新の施策へ

チームビルディングを行う

組織が目指すものは一人では成し遂げられないものがほとんどであり、だからこそメンバー同士の助け合いや協力は欠かせません。チームビルディングを通して、目的を共有し、それぞれの役割を明確にし、目標達成までの段取りを設計することで、自分が勤める業務の価値をより一層感じられるようになります。

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従業員が成長できる機会と仕組みがある

自身が持つ理想のキャリアや将来像が、今の仕事の先に叶うという見通しがつくか否かによって、従業員エンゲージメントは大きく左右されます。昨今は転職も一般化しつつあるため、もし今の職場で理想に近づけないと分かれば、転職でキャリアアップを図ろうとする従業員も出てきます。ですので、今の仕事の先にどんなステップアップが待っているかを明確にすること、そしてキャリアに関する情報が透明になっていることがポイントとなります。

正当な評価が与えられる人事評価の制度

従業員が主体的に行動をし、組織に貢献しようと思っていても、それらが全く評価されない仕組みの下では、せっかくの意欲が阻害されてしまいます。従業員に主体的に行動してほしいと考えるならば、主体的な行動が評価されるような仕組みづくりが欠かせません。

まとめ

従業員エンゲージメントは、これからの時代を生き抜く、柔軟で強かな組織を創るために重要なポイントとなります。もしこれから、従業員エンゲージメントを高めていきたい、高めるための施策を練っていきたいとお考えの方がいましたら、今の組織にどのくらいの従業員エンゲージメントがあるのか、従業員はどの点にエンゲージメントを感じているのかを明確にしてみてはいかがでしょうか?そして、見つかった長所と短所に対してどのような施策を打っていくか考えるときに、この記事が参考になれば幸いです。

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