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ユニーク採用で人材不足を乗り越える~採用事例集~

ユニーク採用で人材不足を乗り越える~採用事例集~

新卒採用における選考フローは一般的に書類選考から始まり、適性検査や面接を経て内定を出すという流れですが、世の企業の中には一般的な採用フローにこだわらず、フローにオリジナリティあふれるユニーク採用によって新卒採用を進めている企業も存在します。

本記事では、なぜユニーク採用が活発に行われており、どんな効果が期待できるのかという疑問に実際の新卒採用事例の紹介とあわせて解説していきたいと思います。

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ユニーク採用とは?

ユニーク採用が生まれた背景

少子化のあおりをうけ、人手不足が叫ばれるようになった近年、採用される側である学生が優位なポジションで就職活動を行う「学生売り手市場」となってきています。

大学卒業者の就職率は98%と高い数値です。しかし、企業側にとっては学生側に選択権が増したため、人材確保が難しくなっています。学生はおのずと、大企業に目がいきがちで、ネームバリューでも賃金の面でも劣ってしまう中小・ベンチャー企業が不利な状況に立たされています。

中小・ベンチャー企業が売り手市場の新卒採用で優秀な人材と巡り合い採用するためには、高い賃金やネームバリューではない部分で人気企業との差別化を図る必要があります。

そこで、中小・ベンチャー企業はユニーク採用という自社の採用手法や自社に沿ったオリジナリティの高い新卒採用手法を確立したり、独自にその新卒採用方法を進化させ、人材確保を行っているのです。

ユニーク採用のメリット

働き方改革や起業意識の向上などで終身雇用的なキャリア観は変わってきており、今では同じ会社に5年10年と留まるという常識が無くなりつつあります。これらの動向を踏まえて、1からじっくり育てていくという各種教育・研修制度も変わりつつあり、即戦力的な人材を求め、教育や研修制度も個人の能力開花に主眼をおくサポート的な立ち位置になってきているようです。

ベンチャー企業は元来、人的な資源がシビアであることから、手厚い教育や研修制度は整備されておらず、新卒採用においても、少しでも即戦力になるような能力や経験を重視した採用が行われています。

この観点でいえば、ユニーク採用の選考は、能力・経験を基にして展開できるというメリットがあります。そのためベンチャー企業がユニーク採用を導入するのはとても合理的な採用手法ともいえるでしょう。

実際に存在するユニーク採用の事例集

「宝探し選考」 – ボヤージュグループ

「宝探し選考」 – ボヤージュグループ

人を軸にした事業創造を掲げるベンチャー企業であるボヤージュグループでは、2014年度の初開催以来、名物となりつつあるユニーク採用の「宝探し型グループワーク選考」を実施しています。

「古より伝わりし大陸の秘宝」と名付けられたこの選考は東京・渋谷のボヤージュグループのオフィス全体を使って謎解きを行いながら隠された「秘宝」を探し当てるというグループワークです。この選考ではゲーム形式を採用する事によって学生に不用意な緊張を与えないように配慮しつつも、チームでの協働力や課題解決に必要な思考力などを成果を導きだす過程から把握する事が可能です。

「人狼採用」 – サーチフィールド

「人狼採用」 – サーチフィールド

ソーシャルゲームのイラスト制作などを手掛ける同社では2015年度の新卒採用において会話型推理ゲームである「人狼」を選考に取り入れたユニーク採用を実施しました。「素で出会う就活」をコンセプトに、実際の選考では在籍社員と学生混合のグループでゲームをプレイし、リラックスした場を作ると共に社員とのコミュニケーションを素の状態で行ってもらいマッチングを図るという意図が汲まれています。

「面接ナシ採用」 – セプテーニ

「面接ナシ採用」 – セプテーニ

インターネット広告代理店として有名なセプテーニでは、2014年度から地方在住者のエンジニア志望者に対してCodeIQ(ITエンジニアのための実務スキル評価サービス)を利用したユニーク採用を実施。Web上におけるコーディングテストと、開発合宿を通して志望者のスキルやパフォオーマンスによって採用の合否が決まり、この間面接は一切行われないというエンジニア職に特化したストイックな新卒採用手法です。

「12種のユニーク採用」 – ユナイテッド

「12種のユニーク採用」 – ユナイテッド

アドテクやスマートフォンゲームを軸に事業を展開しているITベンチャーであるユナイテッド。

「ひとりひとりユニークに」という採用コンセプトの基に同社では2015年から当時の内定辞退者の続出による追加採用のために発案された説明会から最終選考まで全て行う「1日完結採用」をはじめとして現在ではジャンルごとに12種類のユニーク採用を展開し、独自の方法で新卒採用を実施しています。

「U-29採用」 – サイボウズ

「U-29採用」 – サイボウズ

副業を幅広く許可し働き方改革のリードカンパニーとして注目を集めているグループウェアというソフトウェアを取り扱うIT企業であるサイボウズ。同社が大切にしているモットーでもある「100人いれば100通り」をコンセプトにこのU-29採用では29歳以下の人材を対象に、様々なバックグラウンドを持ちチャレンジをしてきた人間に幅広く門戸を広げたユニーク採用を実施しています。

「大学1年生採用」 – ファーストリテイリング

「大学1年生採用」 – ファーストリテイリング

誰もが認知しているアパレルブランドである「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは、新卒・既卒・中途問わず通年にわたり選考を行う通年採用を実施しています。そしてなんと、選考へのエントリーに対する年次下限をも広げ大学1年生からエントリーを認めています。またエイベックスと同じく不採用になっても、期をまたげば再度エントリーする事が可能とされています。1年生も応募できるという点はまさにユニーク採用といえます。

まとめ

ユニーク採用の事例をご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?

採用フローにゲーム形式のグループワークなどを取り入れる手法は学生に強いインパクトを残したり、リラックスした素の状態で選考に臨んでもらうことで学生の本質を見ることができますし、採用の門戸を広く開いて不採用でも再度チャンスを付与したり、エンジニアやデザイナー職でスキル一本勝負の選考方法を展開したりすることで、その分野に特化した優秀な人材を集める効果も期待できます。

また、書類選考から面接を経て内定を出す画一的な選考方法を離れて、選考フローに自由度を持たせることができるのも小回りの利く組織規模であるベンチャー企業だからこそできるものです。あらゆる施策の実施において柔軟さとスピーディーさが求められ、これもベンチャーの醍醐味といえます。

このように、ユニーク採用と一言でいっても、その手法は数多く存在します。

ただ、いたずらに奇をてらったユニーク採用を展開することが良い結果をもたらす訳ではありません。

実施する会社の文化や方向性と、求める社員の人物像とを照らし合わせ、適切に施策を企画し、運用することがとても重要です。ぜひ、採用手法のひとつとして参考になれば幸いです。

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