Googleに学ぶマネージャー育成術

公開日: 2018年7月5日  最終更新日: 2021年6月2日

マネージャーになるほとんどの方は、元々マネージャーの元で部下として働いていた経験を持っています。そして、プレイヤーとしてたくさんの経験を積んでマネージャーに昇格します。ところが、マネージャーになると仕事内容はプレイヤーとして働いていた時から変わり、求められる能力も大きく異なります。では、どんな観点から育成をしていく必要があるのでしょうか。

今回は、マネージャーを育成する方法について、準備する、実践する、振り返る、の3つの観点からご紹介します。

準備する

マネージャーに昇格したからと言っていきなりマネジメントができるようになるわけではありません。まずはマネジメント業務に入る前にマネージャーの仕事とは何か、どういった能力が求められているかインプットしてもらい、マネジメント業務の準備をしてもらいましょう。

社内で学ぶ

社内でマネージャーを教育するための制度が整っているのなら、外部に支払うコストも削減でき効果的です。例えば社内でマネージャー研修を行っているのならば、それを活用するのもよいでしょう。また、社内のロールモデル的なマネージャーから実体験を聞くのも大変効果的です。ただ、そのロールモデルが定まらないことには何も始まりません。そこでロールモデルを明らかにする場を設けられると理想的です。

例えばグーグルでは、the annual Great Managers Award(GMA) という賞を全ての支社、全ての部門の中から選ばれた優秀なマネージャーに授与しています。そして、他のマネージャーは表彰されたGreat Manager 達と1 on 1の面談をする機会が得られます。このほかにもマネージャー同士のチャットグループを作り、マネージャー同士の食事会の開催など彼らを対象にしたイベントを開き、お互いの悩みや問題をシェアする場を設けています。

社外で学ぶ

 本を読む

マネージャー育成に有効なものは社外にもあります。一番お手軽なのはマネージャーに関する本を読むことです。マネージャーの仕事内容や必要な能力、マインドセットについて書かれた本はたくさんあり、自分で何度も読み直しができる点が研修や他の制度とは異なります。ここでは3冊紹介させていただきます。皆さんの会社のマネージャーにもおすすめしてみてはいかがでしょうか?

HIGH OUTPUT MANAGEMENT

人を育て、成果を最大にするマネジメント


インテル元CEOのアンディ・グローブ氏によって書かれた本です。アウトプットを最大化するための原則や、マネージャーが本当にするべき仕事は何かといった基本的な知識から1on1や人事評価の仕方などより実践的なことまで幅広く網羅しております。ピーター・ドラッガーやマーク・ザッカーバーグといった著名人からも熱い支持を受けています。

最高のリーダー、マネジャーが

いつも考えているたったひとつのこと

ATDの基調講演のレポートもさせていただいたマーカス・バッキンガム氏が執筆した本です。リーダーとマネージャーの違いをはっきり述べた上でリーダーとマネージャーがそれぞれするべきたった一つのことについて述べています。

How Google Works 私たちの働き方とマネジメント

Googleの元CEO、エミック・シュミット氏や前プロダクト担当シニア・バイスプレシデントのジョナサン・ローゼンバーグ氏らが書いた本です。激しく変わる環境の中でいかにして優秀な人材を惹きつけ、彼らに大きな目標を達成できる環境を与えるのかということについて述べています。エンジニアの絡む組織やチームを作り、マネジメントするならぜひ読んでおきたい本です。

研修を受ける

マネージャーについて体系的に学んでもらう方法として、社外の専門家の研修を受けてもらうことも選択肢の1つです。理論を学ぶだけでなく、グループワークなどを通して実際に学んだことを試す場面もあり、より実践的です。

実践する

マネージャーについて一通り学んだらいよいよ実践です。実際に部下を持ち、プロジェクトの目標達成と部下の育成の両立を目指して業務にあたります。業務を行い実際に経験をすることはマネージャーを育成する上で最も効果的な方法です。

部下をコーチングしながらプロジェクトを管理する上で当然マネージャーも部下同様に目標を立てます。その目標はマネージャーの上長であるシニアマネージャーや、場合によっては経営者とシェアされます。マネージャーが部下と定期的にミーティングを行い部下の進捗状況を確認するように、マネージャーも上長と定期的にミーティングをし、シェアされた目標に対して現在どのような状況か、目標に達していなければその原因や改善策を上長と共に考えていきます。

またマネージャー同士のコミュニティがあると、他のマネージャーからも思わぬ知見が得られることもありますので、定期的に他のマネージャーとも接するような機会も積極的に設けていきましょう。

振り返る

最後は振り返りによってマネージャーを育成します。当然、上長からのフィードバックは重要です。ただ、それだけ以上に重要となってくるのは部下からのフィードバックです。なぜなら、マネージャーのマネジメントを受けたのは部下ですし、これからマネジメントをされるのも部下となる人たちです。当事者の意見を取りいれてはじめて、マネジメント力が上がります。ここでは実際にグーグルで利用されている部下から上司に対するフィードバック方法とその効果的な活かし方についてお話しさせていただければと思っています。

まず前提として、上司に対する部下からのフィードバックは匿名です。また、部下がより正直に思っていることを発信できるように、フィードバックに対して評価は一切されません。そして、アンケート内容はグーグルの中でも特に成功しているマネージャーの行動に基づいて作られたもので、11個のYES/NOで答えられる質問があります。また、このまま続けてほしい部分と直してほしい部分に関して記述を求める欄もあります。

注目の11の質問は以下のようになります。

1.あなたのマネージャーは、あなたのパフォーマンスを上げるような実用的なアドバイスをしてくれますか?

2.あなたのマネージャーは、必要以上に細かい部分に干渉してきますか?

3.あなたのマネージャーは、人間として思いやりがありますか?

4.あなたのマネージャーは、あなたが提案した考え方を、マネージャー自身のものとは違っても尊重しているような行動を起こしましたか?

5.あなたのマネージャーは、常に優先する結果に向けてチームを動かし続けていますか?

6.あなたのマネージャーは、自分の上司やシニアリーダーから得た情報をチームでシェアをしていますか?

7.あなたのマネージャーは、6か月以内にあなたのキャリアパスに関して意味のあるディスカッションをしましたか?

8.あなたのマネージャーは、チームのためにはっきりとした目的を伝えていますか?

9.あなたのマネージャーはあなたを効果的にマネジメントするのに必要な専門的なスキルや知識を持ち合わせていますか?

10.あなたは自分のマネージャーを他の社員にお勧めしたいですか?

11.あなたは、マネージャーのパフォーマンスについて全体的に満足していますか?

以上はグーグルが実際に行っているアンケート内容です。上記の質問は、マネージャーとしての課題を浮き彫りにするための質問となっております。そのため一番大事なのは、フィードバックを受けた後の行動です。グーグル内で行われた調査によれば、チームから得たフィードバックをチームでオープンにシェアをして、その改善策をチームで共有できるマネージャーほどその後の調査で点数が伸びることが分かっています。よりフィードバックを効果的なものにするための5つのアドバイスがあります。

1.グロースマインドを持って、結果を受け止める。

2.結果を受けとめ、理解するための時間をしっかりと取る。

3.最も重要なテーマを選び、実行可能な改善方法にフォーカスを置く。

4.フィードバックの結果と、それに対する改善策をチームと話し合う。

5.改善策に対する現状を適時シェアする。

グロースマインドというのは、人の基本的なスキルは献身的な努力により身に付き、もともとの頭の良さはスタートポイントにすぎないという考えです。部下の意見を真摯に受け止め、真剣に改善しようとすることでマネジメントスキルは激的に飛躍していきます。

まとめ

マネージャーの育成方法についてグーグルで実際に行われている育成制度を絡めてご紹介させていただきました。マネージャーを育成するには質の高いインプットと、それをもと出したアウトプットに対する効果的なフィードバックを得られる制度が大切です。マネージャー育成について考え始めた経営層や人事の方にとって本記事が少しでもお役にたてば幸いです。

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