オプラ・ウィンフリーが語るキャリア、リーダーシップとは

アメリカの著名な司会者であるオプラ・ウィンフリーは、世界最大の人材開発団体であるアソシエーション・フォー・タレント・ディベロップメント(ATD)がワシントンD.Cで開催した年次国際会議ATD2019に登壇し、キャリアとリーダーシップについて語りました。

オプラ・ウィンフリーのプロフィール

オプラ・ウィンフリーは、アメリカのテレビ番組の司会者兼プロデューサーです。

幼い頃から母親と各地を点々として育ち、幼少期に性的虐待を受け妊娠・出産したことから、子どもへの虐待をテーマとして取り上げることが多いと言われています。オプラ・ウィンフリーは、高校生の頃からラジオ番組に出演するようになり、19歳の時に地方でニュースの仕事を始めました。番組で見せたアドリブが評価されたことで、昼間のトーク番組に抜擢。司会を務めた番組『オプラ・ウィンフリー・ショー』はアメリカのトーク番組史上最高の番組であると評価され、多数の賞を受賞しています。

経済誌「Forbes」によると、20世紀のアフリカ系アメリカ人の中では一番の資産家であり、2004年の時点では黒人唯一のビリオネア(10億ドル以上の資産家)でした。また、ニュース雑誌「タイム」が世界で最も影響力のある人物の1人として彼女を取り上げ、「ヒラリー・クリントンの次に女性大統領になる人物」とまで評された人物です。

ここからは、そんな彼女がATD2019年で語ったキャリアとリーダーシップについての講演をレポートしていきます。

『オプラ・ウィンフリー・ショー』が長寿番組になった理由

『オプラ・ウィンフリー・ショー』は番組開始から25年も続き、156か国で放送されました。ですが、この番組はなぜうまくいったのでしょうか。それは、きっと私が「自分らしい表現をすることが出来るようになった」からでしょう。みんな、自分自身を人間として表現したいのです。

『オプラ・ウィンフリー・ショー』が終わって、ミシガンの女性から手紙をもらいました。そこには、「あなたを見て、自分自身でありたいと思った」と書かれていました。『オプラ・ウィンフリーのようになりたい』ではなかったことが重要なのです。私は皆さんに、自分の中にある「本当の自分」と向き合ってほしいのです。

そして、「本当の自分」から様々なストーリーを語っていくことが大事だと思うのです。世界にとって一番ベストな自分を引き出すことがいかに大事であるか。私は『オプラ・ウィンフリー・ショー』を通じて、そのことを伝えてきたつもりです。

キャリアにおける2つの大きな失敗

私には、2つの大きな失敗がありました。

一つは、本能に従わなかったこと。

もう一つは、間違ったリーダーシップを使ってしまったことです。

一つ目の失敗について触れていきます。本能に従わなかった体験についてです。人には少なからず、本能的に判断をする部分があると思います。家を選ぶときや、結婚をするとき、靴を選ぶときだって、明確な答えが自分の中で出せるときは迷わないものです。しかし、明確な答えがなく、周りに意見を求めたいと思うようなときもあるでしょう。そんな時は、答えがわかるまで、自分の心の声を聞くまで待つことが大事です。

南アフリカで学校を始める時がまさにそうでした。これからの自分の人生を使って、世のために何が出来るかを考えて、若い女の子を対象にした学校をつくろうと思いました。お金だけを出すこともできましたが、彼女たちがどのように社会に貢献をしていくかを考えた時に、学校をつくろうと思ったのです。私はまずリーダーになりえる女の子を選びました。学校でも1~2番のトップ層を選び、高校まで行けるようにしました。次に先生を選びました。そして、最後に事務員を雇いました。

しかし、学校のプロジェクトはスタートしてから大きな危機を迎えました。「生徒である15人の女の子が性的な虐待を受けた」という報告を受けたのです。学校内の一人ひとりが守られることが大事だと考え、金網などをつくっていきました。ですが、実は虐待をしていたのは事務員の一人である寮長だったということが分かったのです。私はすぐに南アフリカに飛びました。一番気がかりだったのは女の子たちのことです。危機をどのように乗り越えるか。自分が何をすべきなのか。リーダーシップが求められた瞬間でした。

虐待については3年間におよぶ裁判になりましたが、最終的には寮長は釈放されました。女の子たちは、羞恥心から証言をできなかったのです。私は、アメリカ的な「私の指示に従いなさい」というやり方をしたくありませんでした。本能に従わなかったのです。マネジャー的な存在として、一生懸命にやろうと思っていましたが、うまくいきませんでした。当時の私はひどいマネジャーだったと思います。そして、一歩下がってマネジメントしようとした時に、大きな問題になってしまったのです。

アフリカに学校を立てる時に、実は「まずネットワークを築きなさい」とアドバイスももらっていたのです。しかし、テレビ番組をしている最中でもあったため、「失敗をしたくない」という思いから従いませんでした。

リーダーシップの不足がもたらしたもの

結局、適切なリーダーシップを持ち合わせていなかったのだと思います。これが2つ目の失敗でした。自分のエゴがそこにありすぎると、物事はうまくいかないのです。

「The SOUL」という本を読んだ時に人生が変わりました。カルマと呼ばれるものに出逢ったのです。そこには、「自分がいいことをしたら、いいことが返ってくる」と書かれていました。よい意図があるからこそ、よい結果が出るのです。「私を見て!」というような自己顕示的なものはうまくいきません。では、自分の意図は何だろうかとと考えるようになりました。

『オプラ・ウィンフリー・ショー』をしていた時も、このことはずっと考えていました。自分の人生が変わっていく中でも、いつも「本当の自分」であり続けることが大事だと私は思っています。エゴを表すだけではダメなのです。みんな、他の人から承認を得たいものです。「私の言っていることをわかってもらっている」と感じられることは誰にとっても重要なことです。『オプラ・ウィンフリー・ショー』の番組をつくる中でも、一人ひとり意図を持っていました。だから、そのことに耳を傾けていったのです。

これは家族関係でも同じです。自分が旦那さんのために食事を作ったが、連絡もなく旦那さんの帰りが遅れたことがありました。最初は「暖かい料理が冷めてしまう」と思っていましたが、30分を過ぎると、もうどうでもよくなっていました。私は「料理することはあなたへの愛情の表現としてやっている」と、自分の意図を伝えました。旦那さんは謝り、二度と遅れなくなりました。

キャリアのスタートと転換点

キャリアの初めの話ですが、私はボルチモアでキャスターの仕事を始めました。私はこの仕事をとても気に入っていました。しばらくすると、夕方のニュース番組から異動を命じられました。理由は、「話しぶりが感情的である」ということでした。私はキャスターとして、家が焼け落ちたところや、子どもが誘拐をされた親の元に訪問しないといけませんでした。私は現場にいくと、涙が出てしまうのです。感情と上手く付き合えませんでした。

そして、トーク番組に異動しました。そのとき、異動をしたことに対する自分の意図を考えました。やっていく中で「自分がやるべきことはこれだ!」と思いました。感情を隠す必要がないからです。それに、たくさんの人と会話をしていくことができます。ナレーターをやった時には、「感情が入りすぎだ」と言われました。声を平坦にするように言われ、自分のパーソナリティに蓋をしようと試みました。しかし、何度やってもうまくいかなかったのです。原稿を朗読するだけにしてもダメだったのです。しかし、『オプラ・ウィンフリー・ショー』を通じて、自分がやりたいように仕事をやれるようになりました。人が役割を変更する時に、上手くいってないなら何かを変えないといけません。でも、それはそもそも配置が誤っていて、違うところに行くと輝く人だとわかることもあるはずです。自分はマネジャーとしては未熟であり、自分の才能はそこにはなかったのです。

良いリーダーになるためには

自分自身のビジョンを持っていると思いますが、どのように実行に移せるかが重要です。自分のことを大切にしていくこと。究極的にはそこだと思うのです。カルチャーの中で、働き詰めの人もいるでしょう。もっと一人ひとり、自分を大切にして欲しいと思っています。仕事で最善尽くすためには、まず自分を大切にすることが欠かせないと思うのです。人生のバランスが取れていないとうまくいきません。分散的なものになり、いい人生を歩めないからです。

私は、人間の潜在的な可能性を信じています。私たちは、今とても重要な時代を迎えていると思います。見ているものが間違いだと思ったら、きちんと言わないといけない時代です。たとえば、虐殺などが起きたときに、哀れだと思っているだけでは足りません。自分の思っていることを伝えていかないといけないのです。

誰かがやると思って、見ているだけではいけません。待っているだけではダメです。自分が動いて、骨を折っていかないといけないのです。今、この状態で、あなたに何ができるかを考えてほしいと思っています。あなた個人が、「いまその立場から何が出来るのか?」「いま何をしなければならないのか?」そういったことを考えないといけないと思っています。

あなたの中にある引き金を見つけてください。世界にどんな貢献が出来るかを考えください。私たちの持っているタレントを、地球のために使ってください。世界に一人しかないあなたが、あなたよりも大きなものにどうやって貢献するか。何を望まれているのだろうかと考えましょう。自分が「本当の自分」として満たされた時に、周りの人に与えることが出来るようになるのではないでしょうか。皆さんの幸せを心より願っています。

まとめ

現在は『オプラ・ウィンフリー・ショー』を終え、様々なプロジェクトに携わるオプラ・ウィンフリー。道を切り開いてきたリーダーである彼女が、「本当の自分」というキーワードで語ったキャリア、リーダーシップの話が皆様のお役に立てば幸いです。

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