採用直結のインターンとは?禁止が要請されている意図を紹介

公開日: 2019年3月1日  最終更新日: 2021年9月8日

採用直結のインターンの禁止を要請する方針を政府が固めたというニュースが、2019年2月26日に朝日新聞社より報道されました。この内容が2021年の春に入社する今の大学2年生から適応される就活の新ルールに加えられるかどうかにより、企業と学生の動きが大きく変わる可能性があるため、現在大きな注目を集めています。今回の記事では、昨今では参加しない学生の方が少ないインターンの価値と位置づけを改めて考察していきます。

インターンの現状

では、今回禁止が要請されることになる採用直結のインターンですが、そもそも採用直結のインターンとは、一体なんでしょうか?
インターンの定義自体が曖昧であるという議論もありますが、一般的に「会社説明会型」「プロジェクト参加型」「就業体験型」の3つの種類に分けることができます。

会社説明会型インターン

会社説明会型は、名前の通りに会社説明会と同じようなセミナー型のインターンで、そのほとんどは1日で終わります。政府は、この会社説明会型のインターンは、現在の経団連主導の就活ルールでも禁止されているものです。

プロジェクト参加型インターン

プロジェクト参加型のインターンは、短期インターンとも言われ、主にサマーインターンとオータムインターンで開催されます。2日から2週間程度の期間の中で、企業が作り上げたプロジェクトに取り組みながら、企業や業界、ビジネスへの理解を深めていくものです。

就業体験型インターン

就業体験型のインターンは、長期インターンとも呼ばれています。実際に企業で働くことで、より実践的に企業・業界・ビジネススキルを体験し、修得することができます。

採用直結のインターンとは

採用直結のインターンとは、この3つの中の「プロジェクト参加型」「就業体験型」のインターンで、且つ、採用を目的としている、もしくはインターンの中で採用が出るものを意味していると思われます。

採用直結のインターンの禁止要請と就活ルール

今回の採用直結のインターンへ禁止要請がなぜこのタイミングで公表されたのかについては、様々な見解がありますが、大きく分けると2021年から導入される新しい就活ルールと2020年に開催される東京オリンピックが関係していると考えられています。

2021年に導入される新しい就活ルールとは

事の発端は2018年の9月3日に経団連※の会長であった中西宏明氏が就活ルールを2020年の学生を最後に廃止すると発表したことにあります。その後、9月21日に現行の就活ルールを維持したまま、政府が主導していくことが発表されました。つまり、2021年の春に入社する学生に適応される就活ルールは、「政府」「産業界」「大学」の3者による協議でルールを決め、政府が企業側に要請する方針となっています。今回の禁止要請は、この政府から企業への要請に含まれる可能性があります。※経団連は1997年以降、経済界の就職活動の動きを取り仕切ってきました。

採用直結のインターンが禁止される意図

採用直結のインターンに対して政府が禁止の要請をする意図としては、就職活動の長期化と早期化を防ぐという面が強調されています。そもそも2017年には文部科学省が「インターンと採用活動の直結は避けるべき」という声明を出していました。しかし、多くの企業はこれを守っておらず、採用活動とインターンシップが結びつきが強くなっていったようです。企業側も少子化による採用難の影響や「インターンをやらなければ採用が難しい」などの風潮もあり、インターンを実施する企業が多くなっています。
しかし、一方で、ほぼ会社説明会のようなインターンや、選考のための面接が始まるようなインターンなど、インターンが本来持つべき役目から逸脱するような「名ばかりインターン」が横行していく結果にもなりました。今回、禁止要請を出した政府の意図として、こうした「名ばかりインターン」の抑止をしたい、という意図もあるのではないかと言われています。

東京オリンピックが採用直結インターン禁止に影響?

しかし、一部では2020年の東京オリンピックにボランティアとして参加する学生に、就職活動への影響がないよう日程調整に柔軟に応じる配慮を求めることも検討されており、ボランティアの人手不足を懸念しての要請ではないかとの見解もあるようです。

まとめ

大手人材会社のマイナビは学生のインターン参加率を測る調査を毎年行っており、2018年11月に2020年に入社する学生に対して行った調査では、参加率が73.8%、平均参加インターン数が3.0と過去最高を記録しました。

これだけ多くの学生がインターンに参加しているのは、興味のある業界や企業について触れ、学校で学んでいることがどのように活かされるのかを体感し、自身の将来について考えるきっかけとして貴重な機会となっているからです。もちろん周りの学生に合わせて参加しなければならないと感じている学生もいるでしょう。ですが、周りに流される受け身の学生は、学業に対しても受け身であることが多く、そういった学生には、自ら考え自ら行動していくことの大切さを学んでもらうことが重要です。

昨今の教育でも、自ら学びに向かうという意味で「学習への主体性」が重視されており、これは就職活動に対しても同じことが言えます。安易に就活、安易に勉強ではなく、自分の人生に必要なことを自ら考え、出した答えに従って主体的に行動していくことの重要性を学ぶ機会を増やしていくことがこれからの時代には求められています。「インターンに行く」「ボランティアに参加する」「勉強をする」これらのどの選択も間違いではなく、選択に主体性こそあれば、等しく人生に価値ある体験となるのではないでしょうか。学生が選ぶ選択肢の一つとして、インターンというものがどのような選択肢になるのか、これからの議論に注目です。

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