成長力とは?学び方を学ぶための最初の一歩をご紹介

成長力とは、人が自らの力で成長を生み出していく能力のことです。昨今は、人生100年時代と呼ばれ、ダイバーシティや働き方改革によって多様な人生の歩み方、働き方が認められる社会となりました。そんな無数の選択肢が溢れる現代において、教育では「成長へと向かう」「学び方を学ぶ」ことが重要とされています。そこで今回は、学び方を学ぶための第一歩として『成長力』の概要から、成長力を高める必要性、人が成長するために必要なものをご紹介いたします。

成長力が必要とされる時代背景

成長力とは、自身の能力を自分で高める能力のことですが、これからの時代に成長力が求められるのは、一体なぜでしょうか?

その背景には、巷で言われているようなグローバル化や科学技術の進化によって、社会の変化速度が上がっていることと、働き方やキャリアの多様性が増していることが大きく関係しています。これらにより、学習するべき内容は時間の経過とともに増え、変化しているため、もはや画一的な学習だけでは時代に合わせた成長が生み出せなくなっています。

そのため、目的を持って自ら成長へと向かい、自ら成長を創り出せるような学び方を学ぶことが重要とされています。

この問題のことを、企業に限らず政府も重要視しており、その表れとして、平成29年3月31日に改訂された幼稚園・小学校・中学校の学習指導要領では、新たに「社会や世界に向き合い関わり合い、自分の人生を切り拓いていくために求められる資質・能力とは何かを教育課程において明確化し、育んでいくこと(「新しい指導要領の考え方」文部科学省より)」を教育理念の一つとして掲げ、「学びに向かう力」の育成を図ることが記述されました。

このように、学びへと向かう力や学び方を学ぶということは、年齢にかかわらず教育において重要なこととされています。

成長とは

では、成長力の高め方について見ていく前に、人が成長するメカニズムについて解説していきます。人が成長すると言われるとき、その成長は3つに分類することができると言われています。その種類とは「心技体」という言葉でも知られているように、「ココロの成長」「ワザの成長」「カラダの成長」の3種類です。

ココロの成長

心の成長とは、魂などのスピリチュアルなものの成長を表すのではなく、発達心理学で述べられているような知性の成長を表しています。古くから、人の知性の発達は思春期で終わるものだと言われていました。しかし、近年では「人間の知性は思春期以降も発達する可能性がある」ということが判明しました。

著書「なぜ人と組織は変われないのか?」で有名な、ハーバード大学の教育大学院教授であるロバート・キーガン氏によると、思春期以降の知性の成長については、3つの成長段階があると言われています。その最初の段階を「環境順応型知性」と呼び、次の段階を「自己主導型知性」そして、最後の段階を「自己変容型知性」と呼びます。

環境順応型知性

環境順応型知性の持ち主は、自己の行動や発言に決定に対して、周りから期待されていることや、重要人物の意向が大きく影響を及ぼします。例えば、自分の中に対抗意見や優れたアイデアを持ちながらも、リーダー的な立場にあるひとのメンツをつぶさないように発言を控えるという選択をするのは、環境順応型知性の典型的な例です。

自己主導型知性

自己主導型知性の持ち主は、自己の行動や発言の決定に対して、自身が持っている目的や目標、大切にしているあり方、信条、課題、戦略といったものが大きく影響を及ぼします。これは、周りの意見がどうあったとしても自身の意見を区別できるためであり、周りから情報を受け取るときには、自分の中にある価値フィルターによってふるいにかけます。ただ、目的や課題に関係のないものを受け取らない傾向があります。

自己変容型知性

自己変容型知性の持ち主は、自己主導型知性と同じように、価値フィルターによって情報にふるいをかけます。ですが、そこで最も大きな違いを生むのは、自身の持っている価値フィルターを外から客観的に眺め、そのフィルターが適切か否かをも判断しようとすることです。完璧な目的や目標、戦略、計画がないことを理解しているため、フィルターを通して有用な情報を集めながらも、そのフィルターが適切かどうかを判断するための情報も収集します。だからこそ、一見価値のないように思えるようなアイデアやデータも吟味することができます。

ワザの成長

ワザの成長とは、コミュニケーション能力やデザイン能力といった、一般的に技術と呼ばれるものの成長のことです。できなかったことができるようになる「修得」や、より短い時間で、正確に、質の高い結果を出せるようになる「熟練」のことを表します。

カラダの成長

カラダの成長とは、身長が伸びる、体重が増えるといった、身体の成長のことです。

このように、人の成長は「心」「技」「体」の3種類に分類することができますが、成長力が対象としている範囲は、3つの内の「心」と「体」の成長です。つまり、成長力とは自らの力で知性を高め、技術を修得、熟達させるため能力のことを言います。

成長に必要なものとは

では、人の知性や技術が成長するためには、何が必要となるのでしょうか?

著書「なぜ人と組織は変われないのか?」でも言われているように、優れたリーダーは優れた知性と優れた技術、能力を持っています。そんな優れたリーダーたちが、どのようにして成長してきたのかを紐解くために行われた調査をご紹介します。

アメリカのリーダーシップ研究機関であるCCL(The Center for Creative Leadership)では、「優秀なリーダーと呼ばれる人々は、何か共通する経験をしているのではないか?」という疑問から、優秀なリーダーとして広く知られている人物を対象に調査を行いました。調査の内容は、「リーダーとして成長するカギとなった出来事」と「その出来事によって何を学んだか」についてです。

2001年現在で、900人を超えるリーダーのデータを収集、蓄積しており、その調査によると以下のことが分かったと言われています。

・リーダーシップを身に付けるために必要な経験は、そのほとんどが業務上の経験である。

・リーダーに最も必要な素質は、出来事から教訓を得て、それを能力へと変換する力である。

参考文献:Works No.47「リーダーを育てる」

つまり、人が成長するためには、現場での経験から、教訓を獲得し、それを能力へと変換することが重要だということが判明したのです。しかし、ここで言いたいのは「知識をインプットすることが重要ではない」ということではありません。知識を身に付けることにはもちろん価値があり、自分にどのような経験が必要なのかを明らかにすることや、自分にはない観点から教訓を見出すための手助けとなります。ですが、考えて得た教訓も、インプットで得た教訓も、それを実践に活かして新たな経験を得ない事には、成長につながりません。知性の成長であれ、技術の成長であれ、経験から教訓を獲得し、その教訓を次の経験に活かすことが必要となります。

成長力を高めるためには、これまで紹介してきたような「人の成長」に関する最新の知識(学者により主張が異なる)を身に付け、「知性と技術は、子供であろうと大人であろうと、成長する可能性がある」ということをしっかりと認識しておく必要があります。たとえどんなに成長したい気持ちがあったとしても、「成長できるわけがない」というマインドセットでは、成長は望めません。そして、「成長できる」という前提の下で、『経験→教訓化→実践』のサイクルを意図的に回していくことがポイントとなります。

まとめ

社会の多様性と人材不足により、企業における教育の重要性はますます高まっています。そんな企業教育では、今回ご紹介したような、知性の成長と技術の成長がポイントとなります。高い知性を持つ社員は、それぞれが自分で目標を定め、目的のために柔軟に自己を変容していくことができます。そして、高い知性持つ人材が多く在籍する企業は、柔軟さが生まれ、これからの時代に適した組織を構築する土台となります。そのため、知性の成長は特に重要なポイントと言われています。

また、これからの時代は、生き方においても働き方においても、沢山の選択肢があるため、キャリアは複雑化し、設計する難易度も跳ね上がっています。そのため、もはや企業の人事が全社員の教育を管理することが難しくなっており、どのように成長するか、どんなことを学んでいくかの決定は、個人に委ねられようとしています。言い換えるならば、『キャリアを選択する自由』には、『成長する責任』が伴うのです。自分が成長しないことを誰のせいにもできない時代が目の前まで来ています。

そんな時代の中、企業や学校など、どんな組織でも画一的に与える必要のあるテーマが『成長力』です。どのようにすれば知性が高まるのか、どうすれば技術をより早く習得できるのか、といった成長を生み出すためのマインド・スキル・ナレッジである『成長力』を身に付けることが、個人に成長が委ねられる時代には欠かせないものとなるでしょう。

これから、社員が成長を自らの手で作り出し、自分でキャリアを切り拓き、主体性と柔軟さを持った組織を目指そうと奮闘する全ての方に、この記事を通して力になれたならば幸いです。

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