自己効力感(セルフ・エフィカシー)とは?自己肯定感との違いと尺度

公開日: 2018年11月2日  最終更新日: 2019年11月12日

自己効力感(セルフ・エフィカシー)とは、カナダの心理学者アルバート・バンデューラが提唱した、人が行動するか否かを決定するための重要な要因の一つです。人が行動や成果を求められる状況下において、自身に遂行する能力、成果を出す能力があると認識できるかどうかを表します。今回は、この自己効力感(セルフ・エフィカシー)について、基本から自己肯定感との違い、自己効力感を測る尺度と高める方法をご紹介していきます。

自己効力感(セルフ・エフィカシー)とは

自己効力感は、カナダの心理学者アルバート・バンデューラによって提唱されました。自己効力感とは、人が行動や成果を求められる状況下において、「自分は必要な行動をとって、結果を出せる」と考えられる力を言います。したがって、「自分は達成できる」「自分には能力がある」という確信があれば「自己効力感が高い」状態にあり、「自分には無理だ」「自分には能力がない」と考えていれば「自己効力感が低い」状態であると言えます。

またバンデューラ氏は、社会的学習理論(他者の影響を受けて、社会的習慣や態度、価値観、行動を習得していく学習)を研究する中で、人が行動に移すかを決定づける動機には2種類あると考えました。その一つが「結果期待」で、特定の行動をすれば期待する結果が得られると考えることによる動機づけです。もう一つが「効果期待」で、望む結果に必要な行動を自身が遂行できると考えることによる動機づけです。これら2つの期待を持てるかどうかが、自己効力感に関係があるということなのです。

自己効力感と自己肯定感の違い

心理学の考え方で、自己効力感と混同されやすいのが、自己肯定感です。ですが、この2つには大きな違いがあります。

先にお伝えしたように、自己効力感は、自身を信じて、実際の行動に移せる力を言います。

一方、自己肯定感とは、自己を尊重し、自身の価値を感じることができ、自身の存在を肯定できる力を言います。自己肯定感が高い状態だと、「ありのままの自分を受け入れられること」ができるので、失敗したときでも、「今度は頑張ろう。」「失敗してもいいんだ。それでも自分には価値がある。」と考えることができます。

つまり、自己効力感とは「できると自分を信じられる力」であり、自己肯定感とは「できても、できなくても、ありのままの自分を受け入れられる力」となります。この2つには、「できない自分をどうとらえるか」という点に大きな違いがあります。

自己効力感が高いことによるメリット

では、自己効力感を高めることにはどのようなメリットがあるのでしょうか?そこで、自己効力感の高い人と低い人の比較から、自己効力感を高めるメリットについて見ていきます。

・新しいことに積極的に挑戦する

・実行に移すまでが早い

・ミスをしても過度に落ち込まない

・できない理由より、どうすればできるかを考える

・前向きな発言が多い

・周りから学ぶ姿勢を常に持っている

自己効力感が低い人の特徴は下記の通りです。

・失敗を恐れて自分から新しいことに挑戦しない

・行動に移すまでに時間がかかる

・諦めるのが早い

・ネガティブな発言が多い

・他者のアドバイスを活かせない

・すぐに落ち込む

自己効力感を構成する5つの要素

では実際、自己効力感を構成する要素は何でしょうか?その要素とは、下記の5つです。

■達成経験
自分自身が何かを達成した、何かを成功させたという経験

■代理経験
自分以外の人が達成した、成功したのを観察した経験

■言語的説得
自身に遂行する能力があることを言語で説明されること

■生理的情緒的高揚
ドキドキやワクワクといった高揚感のこと

■想像的体験
自身や他者の成功を想像すること

自己効力感を高める方法

では、実際、どのようにすれば、自己効力感を高めることができるのでしょうか?上記の5つの構成要素のうち、以下の3つを意識することで、自己効力感を高めることができます。

達成経験の作り方

達成経験があまりない人とは、「目標を設定しない」か「適切な目標を設定できない」かのどちらかです。ですから、達成経験を作るための第一歩は、「適切な目標を立てること」です。目標が簡単すぎると、達成できたとしても達成感が生まれずあまり効果がありません。しかし、目標が大きすぎてもくじけてしまう可能性があります。つまり、適切な目標とは少し挑戦的な目標と言えます。少し挑戦的な目標を一緒に設定し、必要であれば達成するための戦略についても話し合うことが達成経験を作るポイントです。

代理経験の作り方

代理経験を作るためには、過去に達成した人との接点が気軽に作れ、達成理由やその人が身に付けてきた能力について知る機会を提供できるような仕組みが必要となります。例えば、先輩社員と食事に行ける制度や、達成者がやってきたことが誰にでもわかるようなタレントマネジメントシステムの導入が挙げられます。

適切な言語的説得

言説的説得にもっとも影響を及ぼすのは、主に上長からのマネジメントやフィードバックです。そんな言説的説得をするときのポイント3つあります。

1.叱責によって動機付けようとしない。どうすれば成功するかを話し合う。

2.成功したときは褒めるのではなく、一緒に喜ぶ。

3.ほめるときは「結果」ではなく「過程」にフォーカスする。

自己効力感の高い人材を確保するには

自己効力感の高い部下を育成することも重要ですが、採用段階において、自己効力感の高い人材を確保することも重要なポイントとなります。特に昨今は労働人口が減少する中、人材不足がどの企業においても課題となっており、採用競争が激化しています。また人材不足を解消するもう一つの施策として、従業員が主体性を持つことで、一人ひとりの生産性を高めるというアプローチも積極的に行われるようになってきました。失敗を恐れず様々な経験を積むという積極的な姿勢が期待される一方、「僕/私には無理です」と、チャレンジをする前から消極的な人材に悩んでいるということも多いのではないでしょうか。採用段階で自己効力感を採用していくためには、そもそも自己効力感を測定する必要があります。ここでは、自己効力感を測るための尺度として、1998年に開発された「一般性セルフ・エフィカシー尺度」についてご紹介したいと思います。

一般性セルフ・エフィカシー尺度

一般性セルフ・エフィカシー尺度は、1986年に坂野雄二氏と東條光彦氏によって開発された自己効力感を測定するために尺度です。その内容としては、「行動の積極性」「失敗に対する不安」「能力の社会的位置づけ」という3つのカテゴリーに関して全16種の質問をするというアンケート形式の測定法です。すべての質問に対して「はい」か「いいえ」で回答してもらい、自己効力感を測定します。

全16種の質問に対して、1,3,5,6,13~16に「はい」と答える人は自己効力感が高い傾向にあり、2,4,7~12に「はい」と答える人は自己効力感が低い傾向にあります。

まとめ

どんな業界、どんな役職、どんな職種に就いていたとしても、高い自己効力感を持つことは達成を生み出すため欠かせません。自社の採用活動において、主体性や積極性、行動力のある学生を採用したいと思っている方や、従業人の主体性や積極性の向上を課題としている方がいましたら、ぜひ参考にしてみてください。この記事を通して少しでもお役に立てたならば幸いです。

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