マインドフルネス=瞑想?正しい意味と効果を解説

マインドフルネスという言葉をご存知でしょうか?昨今、ビジネス界隈で注目されているマインドフルネスですが、マインドフルネスとは何かと質問すると「瞑想のことでしょ?」と答える方も多いようです。今回は、そんなマインドフルネスの本来の意味と効果についてご紹介いたします。

マインドフルネスとは?

マインドフルネスは、グーグル、インテル、P&Gなどのグローバル企業が社員研修に取り入れるようになったことをきっかけに広まり、日本では2013年に日本マインドフルネス学会が設立されました。そんなマインドフルネスの歴史はとても古く、その起源はお釈迦様が悟りを開いたときの心の状態からきています。ですので、実は「マインドフルネス=瞑想」というわけではないのです。マインドフルネスは、仏教の枠組みのなかで伝えられていたマインドセットを元にしており、昨今では心理療法や社員研修に活用されるようになったのです。

マインドフルネスの意味

マインドフルネスの意味を一言で表すと「自分を客観視する技術」となります。その技術を身に付ける事で「今、この瞬間の体験へ意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれない状態でただ観ること」「今ここで何をして何を感じているのかを、リアルタイムに自分自身で気付くこと」が出来るようになります。

例えば、今この記事を読んでいる皆さんの場合では「自分が今、この記事を読んでいる」ということに気付いている状態がマインドフルネスです。

もっとわかりやすい例で言えば、映画を熱中して見ているとき、主人公に感情移入して泣いたり、笑ったりするかもしれません。そんなとき、「私は映画を見ているのだ」と考えてスクリーンを観ているでしょうか?いいえ、きっとそうではないはずです。マインドフルネスとは、「私は映画を見ているのだ」という客観的な意識をリアルタイムに持つことを意味しています。

マインドレフルネスの反対はマインドレスネス

マインドフルネスとは、自身が今していることに気付いている状態だと先にも述べました。その反対に、没頭して記事を読んでいて気付きを失っている、もしくは興味を失ってぼんやりしている状態のことをマインドレスネス=自動操縦モードと言います。自分が何をして、何を考え、何を感じているのかに意識が向いていないので、必然と外的な刺激に意識が向き、刺激に対して一喜一憂するようになります。例えば、自動操縦モードでマインドフルネスを失っていると、だれかに言われた一言で必要以上に傷つく、不安になる、腹が立つといったことが起こります。そして、ネガティブな感情に支配されてしまいます。

マインドフルネスとポジティブ思考の違い

マインドフルネスがネガティブでない状態だとしたら、マインドフルネスはポジティブ思考と同じだと思うかもしれません。しかしながら、マインドフルネスとポジティブ思考には違いがあります。マインドフルネスは「今」と「ここ」の現実を客観的に観て、それをリアルタイムに気付くことです。ですので、うれしいことがあってポジティブになっていても、つらいことがあってネガティブになっていても、今の自分の心の状態に気付いていれば、それはマインドフルネスな状態と言えます。では、マインドフルネスを使うとネガティブな思考をどのように開放することができるのでしょうか。

まずは、テレビドラマを見ているように自分自身を一歩後ろから客観的に観ることで、ネガティブな思考と感情から距離を置きます。そしてネガティブな思考と感情を手放すことで冷静になれるので、思考をマイナスからゼロに戻すことができます。

マインドフルネスと自己肯定感

自己肯定感とは、あるがままの自分を肯定し、愛する力です。自己肯定感が高まれば、多少の失敗をしても「まあいいか、次頑張ろう」と失敗した自分を許すことができます。また、自分で自分を肯定することが出来るので、他人の評価を過度に恐れなくなります。

一方で自己肯定感が低い人は、失敗をした自分を受け入れることが出来ません。他人の批判にも敏感なので、挑戦や失敗を恐れるようになります。また、自己肯定感が低い人は心が自動操縦モードになりやすく、「やはり自分はダメだ」とネガティブな感情のスパイラルに陥ってしまいます。そして、自己肯定感はどんどん下がっていきます。

ですので、マインドフルネスを身に付けることで、自動操縦モードを防ぐことができ、ありのままの自分を受け入れるという自己肯定感を育むことができます。

瞑想はマインドフルネスに至るための手段

マインドフルネスの状態に至るためには、ヨガのようなストレッチを取り入れたものや、心の平安を助ける文章を声に出して読むものなど様々ありますが、どの方法も「今、ここ」に集中するためのエクササイズです。その中でも、最も代表的なものが「瞑想」です。身体を動かすエクササイズは、身体に集中することでマインドフルネスの効果を強化しますが、瞑想は体と呼吸と心の3つに集中することで、今この瞬間への意識を高めマインドフルネスの効果を強めます。

瞑想をしていると、雑念やネガティブな考えが浮かんでくるかもしれませんが、マインドフルネスでは、浮かんでくる考えすらもあるがままに観察し、気付いたものに「これは雑念である」と意識的に名前をつけます。この瞑想独特のプロセスをラベリングと言います。瞑想を通して一瞬一瞬に集中する訓練を続けることで、日常でも必要なものに意識的に集中できる力が高まります。

そんな瞑想を行うときのポイントは、「調身」「調息」「調心」の3つです。

「調身」とは、字の通り体を整えることを意味します。背筋を伸ばし、正座や胡座などの座りやすい形でポーズをとり、目は閉じるか半目にし、手は太ももの上に載せます。瞑想では、体の姿勢をしっかりと整えることが重要なポイントの一つとなっています。

「調息」とは、息を整えることを意味します。ゆっくりと息を吸い、ゆっくりと息を吐く。意識することはただこれだけです。ただ、苦しくなるほどゆっくりと呼吸するのは、効果的ではありません。瞑想に効果的な呼吸のペースとしては、吸うのも吐くのも3秒ずつが目安です。

「調心」とは、心を整えることを意味します。今この瞬間に意識を集中するという瞑想の肝となる部分がこの「調心」となります。具体的には、五感を通して伝わってくる刺激や、頭に浮かんでくる思考をただただ観察します。『今この瞬間をリアルタイムに感じる』という感覚が調心のポイントです。

瞑想の長さは、長い人だと数時間にも及びますが、初心者の場合には1分でも構わないそうです。マインドフルネスに至る手段として瞑想を実践しようとお考えの方は、是非参考にしてみてください。

マインドフルネスの効果

では、マインドフルネスな状態になるとどのような効果があるのでしょうか?そこで、マインドフルネスの効果を「個人」「組織」「従業員」の3つの観点に分けてご紹介します。

■初心
生まれて初めて体験するかのように、物事を興味と新鮮さをもって見つめる

■評価しない
良い/悪い、正しい/間違い、公平/不公平というラベルを貼らずに、単に瞬間瞬間の思考、感覚として意識を向ける

■受け止める
物事をあるがままに認め、受け止める

■力まない
必要以上に貧欲になったり、今の状態を無理に変えようとしない

■平静さ
静かに思いやりをもって変化に身を任せる

■あるがまま
自分自身のあるがままを認める

■自分に対する信頼
何が真実で何がそうでないのか、自分自身の体験から理解する

■自分への思いやり
自分を無意味に批判・避難することなく、あるがままの自分に対する愛を養う

■生産性と質の向上
マインドフルに丁寧に仕事ができる状態とは、重要なことに集中した状態なので、仕事の生産性と質が向上します。

■リーダーの育成
マインドフルネスの効果を強化することで、共感性や思考・分析力が向上するので、チームをゴールに導くために人を動かすリーダーとして必要な要素を養うことができます。

■チーム力の向上
マインドフルネスな状態だと、あるがままを受け止められるので、他者もあるがまま受け止めることが出来るようになります。結果として穏やかな人間関係を保つことができ、チーム力を高めることが出来ます。

■ハラスメントの防止
自己肯定感が弱いと怒ったり、逆切れして自分は強いのだと感じようとすることもあります。パワハラ、モラハラ、セクハラなどハラスメントはたいてい自己肯定感の弱さを埋めるための行為です。マインドフルネスの効果を強化することで、ハラスメントを防止することが出来ます。

■ストレスの軽減
先に述べたようにマインドフルネスな状態だと外的刺激の影響を受けにくくなるので、ストレス耐性が高くなります。

■自己肯定感が高まる
マインドフルに丁寧に仕事ができることで、すばらしい自身の姿が潜在意識に暗示され間接的に自己肯定感を高めることが出来ます。

■対人関係の向上
怒りや焦りといった感情が湧いても、感情に支配されること無く冷静な対応ができ、相手を思いやる行動や発言をすることができるようになります。

まとめ

このようにマインドフルネスは、ストレス耐性を高めるというメンタルヘルス対策としての効果が期待できるのはもちろんですが、従業員一人ひとりの幸せ(well-being)の維持・向上が期待できるマインドセットです。企業にとってはマインドフルヘスを通して、生産性の向上や人間関係の改善にも効果を発揮します。組織と従業員のwin-winな関係を実現するアプローチの一つとして、マインドフルネスの導入を検討してみてはいかがでしょうか?

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アチーブメントHRソリューションズ株式会社

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