グロースマインドセットとは~成長する思考パターンと活かし方~

グロースマインドセットとは、人の成長を促進する思考パターンです。人材不足が深刻な課題となっている現代においては、採用できた貴重な人材を大きな戦力へと育成できるかどうかが鍵となります。そこで今回は、このグロースマインドセットについて、その対となる概念の「フィックストマインドセット」と共にご説明します。また、グロースマインドセットを高める方法についても合わせてご紹介します。

グロースマインドセットとは

グロースマインドセットの提唱者

グロースマインドセットを提唱したキャロル・ドゥエック氏は、社会心理学、発達心理学を専門とするスタンフォード大学の心理学教授です。その経歴としては、アメリカで有名な女子大学であるバーナード大学を卒業後、イエール大学で博士号を取得しています。その後、コロンビア大学やハーバード大学、イリノイ大学で教鞭をとり、2004年からスタンフォード大学の教授を務めています。彼女の有名な著書には、「Mindset」(邦題「『やればできる!』の研究」)や「Self-theories」があります。

MINDSET「やればできる!」の研究

マインドセットとは

グロースマインドセットを説明する前に、そもそもマインドセットとはどのような概念なのかを簡単にご説明します。マインドセットとは、経験・教育・先入観から形成される、心理状態や思考パターンのことを言います。例えば、思い込みや価値観・信念がこれに該当します。また、思い込みのことを「パラダイム」とも言い、新たな情報や経験によって自身の思い込みに気づき、思い込みが変化することを「パラダイムシフト」と言います。

グロースマインドセットとは

では、グロースマインドセットとはどんな思考パターンのことでしょうか?グロースマインドセットとは、「成長マインドセット」「しなやかなマインドセット」とも呼ばれており、「自分の才能や能力は、経験や努力によって向上できる」という考え方のことです。この考え方を持って目標に挑戦することで、5つの壁にぶつかったときに肯定的な思考が生まれるとキャロル氏は言っています。

1.【挑戦】の壁にぶつかったとき
→【Embraces】喜んで受け入れる

2.【障害】の壁にぶつかったとき
→【Persists】乗り越えるまでやる

3.【努力】の壁にぶつかったとき
→【No pain,No gain】努力をすれば必ず成長できる

4.【批評】の壁にぶつかったとき
→【Learns from】他者の批評から学ぶ

5.【他者の成功】の壁にぶつかったとき
→【Be inspired by】他者の成功を刺激にする

このような思考が生まれることで、「積極的に挑戦する」「自主的に努力する」「集中力が上がる」「忍耐力が上がる」「目標を成し遂げる」などの効果が得られます。

フィックストマインドセットとは

フィックストマインドセットとは、グロースマインドセットと対となる考え方であり、「自分の才能や能力は、努力をしても向上しない」という固定的な考え方を言います。このフィックスマインドセットを持ちながら課題に取り組むと、5つの壁にぶつかったときに以下のような否定的な思考が生まれます。

1.【挑戦】の壁にぶつかったとき
→【Avoids】挑戦したくない

2.【障害】の壁にぶつかったとき
→【Loses focus】障害はどうにもならない

3.【努力】の壁にぶつかったとき
→【Views as fruitless】努力してもどうせ無駄になる

4.【批評】の壁にぶつかったとき
→【Ignores】自分への批評は聞きたくない

5.【他者の成功】の壁にぶつかったとき
→【Views as a threat】他人の成功は脅威である

このような思考が生まれることで、「挑戦しない」「努力しない」「不正でごまかす」「自分よりできない人を探す」「フィードバックをもらいに来ない」などの行動を取る可能性が高まります。

 グロースマインドセットを高める方法

これまでグロースマインドセットとフィックスマインドセットについて紹介しましたが、その違いを図にすると以下のようになります。

では、フィックスマインドセットではなく、グロースマインドセットを持ってもらうにはどうしたらいいのでしょうか?

従業員にグロースマインドセットを持ってもらう方法としては、二つのアプローチがあります。一つ目は「グロースマインドセットを持てるような関わり方をする」、二つ目は「グロースマインドセットを持っている分野を見つける」です。

グロースマインドセットを高める関わり方

グロースマインドセットを持てるかどうかは、周りの人の関わり方に影響をうけます。

1.失敗したときは、人格を否定せず、どうすれば成功するかを一緒に考える

2.成功したことをほめない。一緒に喜ぶ

3.結果ではなく過程をほめる

このような関わり方を心がけることで、グロースマインドセットを持ちやすくはなります。ただ、この方法は若ければ若いほど効果があり、年齢を重ねるごとに効果を発揮しづらくなるとされています。なぜかというと、年齢を重ねるほど価値観や信念が成熟していくので、パラダイムシフトが起きるのに時間がかかるからです。ですから、小学生から高校生には、この関わり方による効果を期待できますが、社会人のように大人で、既にフィックスマインドセットを持っている人に対しては、パラダイムシフトを起こすほどの効果が得られないかもしれません。ただ、すでにグロースマインドセットを持っている人には、グロースマインドセットを促進する効果を期待できます。

グロースマインドセットを持っている分野を見つける

では、グロースマインドセットを持っておらず、フィックストマインドセットになってしまっている人はどうすることもできないのかというと、そうではありません。この点を理解するためには、「グロースマインドセットとフィックストマインドセットは混在し得る」という特徴を理解する必要があります。

人には、得意分野と不得分野というのがあります。得意分野と不得意分野では、能力や才能の差もありますが、それ以外にも得意分野にはグロースマインドセットを、不得意分野にはフィックストマインドセットを持っているという差があります。先ほど、マインドセットが形成される要素に「経験」があると紹介しましたが、人生の全てにおいて失敗し続ける人というのは、あまり多くないでしょう。どんな人も何かしらの分野では成功体験をしており、その分野においては「自分には才能がある」「努力すれば成功できる」というマインドセットを持ちます。反対に失敗したり、上手くできなかった分野においては、「自分には才能がない」「努力しても無駄だ」というマインドセットを持ちます。

つまり、グロースマインドセットを持ちながら働いてもらう最も現実的な方法は、「従業員がどの分野にグロースマインドセットを持っているかを見極め、その分野に合った業務を担当してもらう」ことです。では、その人がグロースマインドセットを持っている分野を見つけるには、どうしたらいいのでしょうか?

そこでご紹介したいのが「タレントマネジメント」です。タレントマネジメントとは、それぞれの人材が持つ得意領域やスキル・資質を把握し、適材適所への人材配置や育成に活かすマネジメント手法のことです。得意領域では、グロースマインドセットを持っている可能性が高いので、タレントマネジメントを導入し、従業員それぞれの得意分野を把握することで、グロースマインドセットの維持と活用ができます。

まとめ

企業において従業員の主体性やイノベーション力を高めることは、変化の激しい現代を生き抜く、柔軟な組織を作るために不可欠とされています。そして、従業員の主体性やイノベーション力に、グロースマインドセットを持てているかどうかは大きく関わってきます。このような課題を解決するにあたって、この記事を通して少しでも役に立てたら幸いです。

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