リファラル採用のメリットとは?メルカリの事例から成功イメージを掴む

リファラル採用のメリットとは?メルカリの事例から成功イメージを掴む

リファラル採用は自社の社員や退職した元社員の知人や友人を紹介してもらい選考を実施する採用手法です。本記事ではリファラル採用の概念や類似する「コネ採用」との定義の違いを明確化し、リファラル採用のメリットについて解説しています。そして後半では日本企業におけるリファラル採用のフラッグシップ企業であるメルカリの成功ロジックを探ります。

リファラル採用とは

リファラル採用とは

リファラル採用とは、リファラルという単語の「紹介・推薦」という意味をもつ採用手法であり、具体的には自社に在籍する社員や既に退職したOBなどから知人や友人を紹介してもらい、自社の選考基準に沿って採用を行う手法です。

アメリカではGoogleやFacebookをはじめとしてIT企業を中心にすでに約85%の企業がリファラル採用を導入しています。日本ではメルカリやビズリーチなどのベンチャー企業を中心に導入が進んでいる採用手法です。

「コネ採用」との違い

リファラル採用はアメリカを中心に盛んに導入されている手法ではありますが、似たような手法として日本には古くから「コネ採用」「縁故採用」が存在しています。

「コネ採用」や「縁故採用」とリファラル採用の違いは、採用の絶対性という観点で説明することが可能です。「コネ採用」「縁故採用」では取締役などの経営幹部や取引先などの紹介によるもので、採用試験や選考過程などは実質存在せず採用は絶対的である事がほとんどです。

一方、「リファラル採用」では社員全員が自由に紹介する事ができますが、「コネ採用」のように採用が絶対的である事はなく、あくまで紹介された応募者として通常の選考過程を適用します。リファラル採用において、紹介者の推薦はあくまで書類選考や一次面接などの初期選考の過程に相当するものと捉えておくと良さそうです。

リファラル採用が注目される背景

リファラル採用が注目されるようになった背景として、労働生産人口の減少による恒常的な人手不足の影響で採用活動が難航するようになったことが挙げられます。昨今の採用活動においては、採用媒体を利用した母集団形成においても人材紹介会社経由の紹介においても獲得競争が熾烈に行われており採用コストは割高な推移をみせています。

新卒採用も売り手市場の煽りをうけ人材獲得が難しく、終身雇用制度が崩壊して久しく転職に対してのハードルも低く容易に離職してしまうリスクを抱えているなど採用市場は非常に厳しい環境になっています。これまでの採用手法では自社に適性のある優秀な人材の確保が困難だと感じ、信頼できる自社スタッフの紹介によって応募人数の担保やミスマッチを防ごうとリファラル採用が注目されるようになったのです。

リファラル採用のメリット

リファラル採用は、自社に在籍する社員やOBなどが自身の知人や友人の中で会社に合いそうな人材の紹介を行う採用手法でした。そしてリファラル採用は従来の採用活動では手の届きづらい層へのアプローチや、紹介者との関係性によって離職防止効果を見込めるとして、複雑化する昨今の採用市場において注目されていることを解説しました。

リファラル採用には主に以上のようなメリットがありましたが、その他にも多くのメリットを持ち合わせている事が見込まれています。本項ではリファラル採用の持つメリットについてまとめました。

採用コストの削減

リファラル採用の大きなメリットとして採用コストの削減が挙げられます。

通常の採用手法は、まず採用媒体などのサービスを利用し母集団を形成しその中から試験や選考を重ねて採用に至るという流れです。この手法は母集団形成のために採用メディアやサイトへの出稿や合同説明会などの採用イベントへの出展費など多額のコストが発生します。リファラル採用では、母集団形成のコストをカットして直接選考に臨むことができるというメリットが存在します。

その他にも付随的なメリットとして、紹介者のコミットメント次第では既に採用対象者の中で企業理解やエンゲージメントが醸成されている場合があり、その場合通常選考に比べ選考フローを短縮化する事ができ会場や人件費などのコスト削減というメリットを享受できます。

高確率で良いマッチングを望める

企業にとって高いコストを支払って採用した人材が短期間で離職することは大きな悩みの種となっています。多くの場合その原因は就業前と後でのイメージのギャップに有ると考えられています。このギャップを埋めるためには適切に就業イメージなどを伝えフォローする手厚いコミュニケーションが必要になりますが、多くの人数の採用に関わる担当者が全てをフォローアップする事は現実的ではありません。

しかしリファラル採用では現場の社員である紹介者から企業のカルチャーや就業イメージなどについて細かにコミュニケーションが取る事ができ、紹介に至っている段階で既にギャップについては高い精度でクリアしているので高確率で良質なマッチングが望めることもメリットといえます。

人材の定着率が高い

リファラル採用は、自社の社員が紹介者という点で入社前から入社後にわたって採用対象者との良質なコミュニケーションが担保できる事が大きなメリットです。そしてこのメリットは人材の定着にも良い影響を及ぼします。

前項でも触れましたが、入社前から紹介者との間で企業のカルチャーや就業イメージについてすり合わせを行う事ができ、かつそこをクリアして入社するので早期離職の原因になりうる入社後のギャップが無くスムーズに合流することが可能です。

さらに入社後も社内に相談できる知人がいることで、心理的安全が担保されコミュニケーション不足によるモチベーションの低下を未然に防ぐことにつながり人材の定着を実現する事ができます。

リファラル採用事例│急成長企業メルカリの成功ロジック

ここまでリファラル採用の概念や背景、メリットについてご紹介しました。

リファラル採用は未だ浸透していない手法だけに概念やメリットを理解しても二の足を踏んでしまうと思われます。そこで本項ではリファラル採用の成功事例として、C2Cプラットフォームを手がける急成長企業・株式会社メルカリの取り組みに焦点をあて成功イメージを探っていきます。

メルカリ流”リファラル採用のマインドセット

株式会社メルカリは、入社する社員の約6割がリファラル採用によって採用されているという他の企業と比較すると特異な採用スタイルであると言えます。そんなメルカリはリファラル採用を「裏切らない採用」と位置づけているとされています。

採用媒体でもなく、エージェントでもなく、知人や友人の紹介を介しているので選考対象者は真摯に選考に臨み、また紹介者側もしっかりと人物を選んで紹介しているという点で紹介者と紹介された側双方が信頼を結んでいることが「裏切らない採用」の所以であるといいます。

その上でメルカリは、「裏切らない採用」を実現するリファラル採用のマインドセットとしてまず「心から紹介したいと思う会社で在ること」を持って、リファラル採用に取り組んでいます。

ミッションとバリューとのマッチングを重視

メルカリはリファラル採用における絶対的な判断基準としてミッションと3つのバリューを柱として据えています。

新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る

(Create value in a global marketplace where anyone can buy & sell)

というミッションの下に

・Go Bold – 大胆にやろう

・All for One – 全ては成功のために

・Be Professional – プロフェッショナルであれ

という3つのバリューがあります。

ミッションと3つのバリューは経営戦略・事業戦略・人事戦略の全ての根幹となっており採用においてもミッションとバリューに立ち返り推進されます。この徹底化されたミッションとバリューの浸透が、社内での統一意識となりリファラル採用を推進する上でブレない判断基準により、リファラル採用を成功に導くのです。

リファラル採用を推進し、そのメリットを最大限享受するためにメルカリはまず「心から紹介したいと思える会社」を目指し、同時にリファラル採用を無秩序なものにせずメルカリが必要とし、また活躍できる人材が集まってくるように絶対的な判断基準としてミッションと3つのバリューの浸透を徹底的に行い万全な体制を整えています。

Meetupイベント・勉強会による積極的サポート

メルカリはさらに出会いや人材のプールを作る目的でMeetupイベントや勉強会の開催などの採用活動を積極的に行っています。Meetupイベントや勉強会は少人数で実施し、コミュニティの濃度を高め交流を盛んにすると同時に「あそこに行けば良質な知識が得られる」という場を提供することによってブランディングにも繋げています。

また、メルカリはこの他にもリファラル採用を目的とした採用会食に対して金銭面のサポートに加えハードルを下げる目的として三行の事後報告のみという制度設計やエンジニアのGitHub採用を推進しているなど既存のチャネルや手法にとらわれない独自の採用活動を実施しています。

まとめ

リファラル採用は、自社の社員に知人や友人を人材として紹介してもらう採用手法です。

一般的な「コネ採用」とは採用の絶対性という点で違いを認識でき、労働人口の減少が進んでいる日本の採用市場では企業側にとっても求職者側にとっても利のある採用手法といえます。企業側の利としては、主に採用コストの削減・高確率で良質なマッチングの実現・人材定着率の安定化にありました。そして求職者側の利としては、紹介者とのコミュニケーションを行えることで分かりにくい就業イメージを現場の生の声として事前に把握しておけるということがあります。

しかし、同時にリファラル採用は人が主体となって動くことから、本当に紹介したいと思える会社という認識が紹介者である社員の間に浸透していないと前提から崩壊することになるといえます。

日本国内においてリファラル採用のフラッグシップ企業となっているメルカリでは、そうした課題をクリアし誰が紹介してもメルカリが必要とし、メルカリで活躍できるWin-Winな採用が実現できるようにミッションと3つのバリューを徹底的に浸透させているなど数歩先のレベル感で採用活動に取り組んでいました。

記事中で解説した、リファラル採用の概念やメリット。そしてメルカリの事例解説から成功イメージを膨らまして効率的な採用活動への一歩を踏み出して頂ければ幸いです。

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