ゆとり世代の仕事の捉え方とは?特徴を押さえた仕事の教え方を紹介

公開日: 2018年9月10日  最終更新日: 2021年10月27日

今の若手層を一言で表すとしたら、それは「ゆとり世代」でしょう。2018年、「フルゆとり世代」と呼ばれる、小学校から高校までの12年間を全てゆとり教育で過ごしてきた1995年生まれの世代が社会人として働き始めました。そこで今回は、ゆとり世代とはどんなバックグラウンドを持ち、どんな特徴を持つのかを解説します。そして、ゆとり世代の仕事への捉え方を押さえた仕事の教え方を合わせてご紹介します。

ゆとり世代とは?

ゆとり世代とは、ゆとり教育に基づいて義務教育を受けた世代を表す言葉です。ゆとり世代は、知識詰め込み型教育からゆとり教育へ、ゆとり教育から脱ゆとりへの移行段階によって、第1世代、第2世代、脱ゆとり世代の3つに分けられています。また、1995年生まれは小学校から高校までの12年間をゆとり教育で過ごした唯一の世代として、「フルゆとり世代」と呼ばれています。

ゆとり第一世代
1987年から1989年生まれの世代。中学生のときにゆとり教育へと切り替わりました。

ゆとり第二世代
1989年から1995年生まれの世代。
小学校で完全週5日制になり、学力の低下が見られ始めたのはこの頃からです。

脱ゆとり世代
1996年から2004年生まれの世代。
小学校から中学校の間で、ゆとり教育から脱ゆとりに切り替わりました。

ゆとり教育が開始された経緯

ゆとり教育の始まりは、1970年代に詰込み型教育に対して疑問の声が高まったことにあります。詰込み型教育とは、暗記による知識量の増大に大きな比重を置く教育のことです。「知識があってもその知識活かすための思考力がなければ意味がない。」という危機感によるものでした。

また、1990年代の校内暴力やいじめ、自殺、落ちこぼれなどの問題を受け、文部省は社会性の向上や倫理観の構築を目指して「生きる力」を教育の目的掲げました。この「生きる力」というのは、「自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力であり、また、自らを律しつつ、他人とともに強調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性であると考えた。たくましく生きるための健康や体力が不可欠であることは言うまでもない。(21世紀を展望した我が国の教育の在り方についてより抜粋)」としています。

そして、1998年には「ゆとり教育」というスローガンの学習指導要領が完成し、完全週5日制と学習内容の削減が開始されました。

ゆとり世代の特徴

ゆとり世代に仕事を教えるとき、その行動の特徴を掴んでおくことは不可欠です。理解が足りなかったために、「明日から来なくていいと言ったら、本当に来なくなってしまった」という事態も起こっています。そのような事態にならないためにも、ここでゆとり世代の3つの行動の特徴について、その特徴が作られたバックグラウンドから解説していきます。

叱られることに耐性がない

ゆとり教育では、順位をつけずにそれぞれの個性を大事にするという方針が取られていました。土日の休みは自分の好きなことに専念できましたし、道徳の時間には答えのない問題に対して、自分で考え、自分なりに答えを出すという教育を受けました。成績が悪くても、それを「個性」として受けとめ、咎められることはありません。その行き過ぎた例として、徒競走の順位を全員1位にする、全員主役で桃太郎の劇を行うなどがありました。周りと比較されない絶対評価の中で、できなくても叱られない環境で育ってきたゆとり世代は怒られることに慣れていません。

「叱る」と「怒る」は厳密にいうと違いますが、上司の立場にある人の多くが「叱る」と「怒る」を混同していることが多いです。ですから、仕事の出来が良くないことに対して上司は叱っているつもりでも、部下は怒られたと解釈してモチベーションを大きく下げてしまうことがよくあります。そして、最悪の場合にはそのまま仕事を辞めてしまうというケースもあります。

付き合いが悪い

「ゆとり世代は飲み会に参加しない」「ゆとり世代はプライベートを最優先する」というのは、ゆとり世代の特徴としてよく挙げられます。これには、ゆとり教育では好きなことに専念できる時間が多かったという点が大きく関係しています。勉強の量が減り、自分の好きなことに集中できたことで、フィギアスケートの羽生選手やメジャーリーガーの大谷選手のようなゴールデンエイジが生まれたとも言われています。ですがその反面、ゆとり世代は「○○しなければいけない」という観念が薄いようです。最低限のルールは守りますが、「自分で考えて答えを出す」、「自分の個性を大事にする」という価値観から、周りに合わせるよりも自分のやりたいことを優先する人が多くなりました。

自主性がなく、仕事の指示待ちが多い

「ゆとり世代には自主性がなく、仕事の指示待ちが多い」というのもよく言われます。ですが、これは自主的に仕事をする能力がないからではありません。なぜなら、ゆとり教育では自分で考え、自分で答えを見つけるということを大事にしていました。ですから、個人によって差はあるにしても、ゆとり世代が他の世代に比べて考える力が弱いということはありません。つまり、自主的に仕事をする能力がないのではなく、自主的に仕事をするつもりがないのです。ゆとり世代は好きなことを最優先にします。好きなことには時間も労力もふんだんに使いますが、好きでなければ最低限のことしかしません。マニュアルにある仕事しかしないのも、それがお金をもらうための最低限の仕事だと考えているからです。

ゆとり世代の特徴を押さえた仕事の教え方

怒るのではなく、どうしたら良くなるか一緒に考える

ゆとり世代のマネジメントにおいて、怒ることは禁物です。その後の関係性にも致命傷となるので避けた方が良いでしょう。そして、叱るのも極力控えることをおすすめします。「叱る」と「怒る」をうまく使い分けるのは難しく、ほとんどの人は「叱る」と「怒る」が混同してしまいます。ただ、本当に必要なときもあるので、ここぞという時にはきちんと叱りましょう。

普段の関わりでは、仕事のミスや失敗に対する改善点を一緒に考えるというスタンスをとりましょう。甘すぎると感じるかもしれませんが、甘い関わりとは決定的に違います。甘い関わりとは、仕事のミスに対して「次は何とかなるよ。」「今回は運が悪かったな。」というような、原因や改善点に焦点を当てずに済ます関わりのことを言います。ですが、ここでおすすめしているのは、原因と改善点を自分で考えさせるという関わり方です。「自分が仕事でミスをした」という事実に向き合わせることは、決して甘い関わりとは言いません。「叱る」との違いは、過去ではなく将来に焦点を当てているという点であり、「叱る」と同じくらい厳しい関わり方なのです。

相手の考えを受容する

ゆとり世代は、ほかの世代よりも好きなことをする時間の優先順位が高いようです。ですので、まずはその事実を受け入れましょう。飲み会にきっぱりと断る姿勢から、「ゆとり世代は気難しい人が多い」と感じる方も多いと思いますが、実はそうではありません。ゆとり世代の思考はすごく単純で、「好きなことならやるから」ただそれだけです。例えば、チームでの飲み会に来ないメンバーがいたとしたら、その人には飲み会よりも好きなこと、やりたいことがあるから来ないのです。ですから、メンバーが飲み会を断ってまでしたいことが何なのかを、それとなく聞いてみましょう。聞くときに大切なのは、「詮索されている」と思われないことです。休憩のときなどに、趣味はなにか、最近何にハマっているのかなどを世間話の一環で聞きましょう。そして、聞いたらしっかり理解を示しましょう。教えてもらったことを一度体験してみるのもいい手です。そのメンバーが好きなことを話題に会話ができれば、その話をするために飲み会に来るようになるかもしれません。ただ、本当に嫌いな人がいる可能性もありますので、その辺はよく観察して判断しましょう。

お金ではなく、会社の理念との一致が必要

これも好きなことを優先するという点につながるのですが、ゆとり世代に仕事への自主性がないのは、仕事をする意味や価値を理解していないためです。仕事を「好きなことをするための我慢の時間」として捉えています。ですから、今やっている仕事の意味や価値をしっかりと理解し、共感してもらう必要があります。そのためにも、まずは企業理念を明確にし、マネジメントする立場の人間が理念をしっかり理解していることが不可欠です。その上で若手社員たちに、企業がどんなビジョンを掲げているのか、仕事を通してどんな課題を解決しようとしているのかを伝えましょう。ゆとり世代は「貢献したい」「役に立ちたい」という意識が強いので、企業のビジョンに共感することで、仕事への意欲や主体性が高まります

ゆとり世代はほかの世代に比べると、お金や地位に対する欲が弱いので、昇進や昇給、インセンティブはやる気の素になりにくい傾向にあります。ですから、目先の報酬で動かそうとするのはあまりおすすめできません。

ゆとり世代とさとり世代の違いとは(おまけ)

ゆとり世代と似通った言葉に「さとり世代」があります。さとり世代とは、「車を買わない」「家を買わない」「恋愛に興味がない」といった特徴を持つ現代の若者が、「悟りを開いたように欲がない」ことから作られた造語です。つまり、ゆとり世代とは「ゆとり教育を受けた世代」を指し、さとり世代は「悟りを開いたように欲のない世代」を指しています。さとり世代の対象となるのは、2018年現在で20代の若者たちですので、ゆとり世代とも重なります。ですので、今の20代の若者はさとり世代であり、ゆとり世代でもあるのです。

新入社員研修ならアチーブメントへ

アチーブメントHRソリューションズの新入社員研修では、新入社員が即戦力として活躍できるようになることを目的とし、「実行する力(実行力)」「考える力(思考力)」「チームで達成する力(協働力)」という社会人としての基礎力を身につけ、企業の即戦力になることを実現します。

まとめ

現在、新卒採用市場は非常に激化しており、どこもかしこも人材不足の課題に苦労しています。そのため、どの会社でも新人の育成・マネジメントが大きな課題となってきます。そして、今の若手社員の世代柄と言えば、間違いなく「ゆとり世代」です。ですから、ゆとり世代に適した仕事の教え方を確立することは、これからの企業の成長のために不可欠なのです。ゆとり世代のことを理解できずに多くの人が苦労しています。これを機に若手層のバックグラウンドと特徴を改めて理解し、より良い育成に役立てていただければ幸いです。

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アチーブメントHRソリューションズ株式会社

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