バックエンドエンジニアの基礎知識とスキル育成の効果的な手法

バックエンドエンジニアは、Webエンジニアの中でも最もイメージの沸きづらい職種です。今回は、バックエンドエンジニアの基礎知識を習得し、施策やツールを初めとしたスキル育成の効果的な手法を紹介します。

バックエンドエンジニアの基礎知識

バックエンドエンジニアとは

バックエンドエンジニアはWebサイトやWebサービスの構築においてサーバーやデータベースなどのシステム側の構築や管理を行う職種です。

HTMLやCSS,JavaScriptなどでWebサイトにおいてユーザーの目に触れるデザインやレイアウトを具現化するのがフロントエンド(表側)やマークアップ(装飾)エンジニアです。一方で、バックエンドエンジニアは、バックエンド=裏側の名前の通り、システムの実装やサーバーとの通信、データベースの構築と運用などユーザーの目に直接触れない部分を担当するエンジニアであると理解すると分かり易いかと思います。

バックエンドエンジニアとサーバーサイドエンジニアの違い

バックエンドエンジニアと類似した職域のエンジニアにサーバーサイドエンジニアがあります。

両者は混同されやすく、違いを明確に線引きした基準も無いので、方々で独自に解釈されている場合もあります。一般的にはサーバーサイドエンジニアもバックエンドエンジニアも職域は同じですが少し厳密に見ていくと、従来アプリやソフトウェア開発・運用の現場でデータベース構築やシステム領域を担っていたエンジニアが、サーバーサイドエンジニアと呼ばれていたそうです。

その観点からバックエンドエンジニアを定義すると以下の様な相違点が挙げられます。

・バックエンドエンジニアはWeb領域に特化したエンジニアである

・バックエンドエンジニアはWeb構築においてサーバー構築などのインフラ周りも担う

・バックエンドエンドエンジニアにはフロントエンドも兼任できるエンジニアも多い

バックエンドエンジニアとサーバーサイドエンジニアの違いはこの様にWeb領域のエンジニアであるかという視点に根ざして考えると区別がつきやすいかと思います。

バックエンドエンジニアの主な役割

バックエンドエンジニアはWebサイトやサービスの構築において、主にサービス環境や機能・システム領域の役割を担当します。以下から主な3つの役割について解説していきます。

サーバーの構築

バックエンドエンジニアはWebサイトやサービスの構築に必要なインフラであるサーバーの構築も担当します。具体的にはサーバーマシンやクラウドコンピューティングなどのハードウェアの選定と導入から、サーバーソフトウェアのインストールを始め要件定義・設計・構築を担います。

サーバーサイドのセキュリティを担保することも仕事の一つとなります。

データベースの構築

Webサーバー上に様々な情報を保存・格納しいつでもアクセスし取り出せるようなデータベースの構築を担当します。中でも特に求められるのは情報の保存・検索・変更などをスムーズに高速に実施することができるアクセシビリティの高いデータベースの構築です。

アクセシビリティの高いデータベースの構築はWebサイトにおけるスムーズな動的コンテンツの提供や快適な情報サービスの提供を担保することに繋がります。また運用保守まで担当する場合は、データベースとWebサイト・サービス間における情報通信のセキュリティレベルを維持向上させることが普遍的な課題となります。

システムの開発と運用

バックエンドエンジニアが担当するシステムは、主にWebサイトやサービス上の高度な機能の実装を指します。ECサイトを例にとると、会員登録・ログイン機能から商品検索フォームや注文・買い物かごの処理、レビュー機能の実装などがあります。Web領域ではレイアウトやデザインとしてブラウザ上に出現するフロントエンドの技術はフロントエンドエンジニアが、ユーザーエクスペリエンスの高いサービスの提供にはバックエンドエンジニアの力が必要不可欠になります。

バックエンドエンジニアに必要なスキル

バックエンド言語での開発スキル

バックエンドエンジニアにとって、バックエンド言語による開発スキルは必須です。バックエンド言語は主に2つに分かれています。

一つめは「コンパイラ」と呼ばれJava/C言語/C++などが挙げられます。これらの言語で記述されるソースコードは人間が読み書きしやすいように定義されたプログラミング言語をコンピューターが読み込める形式に変換(コンパイル)するため実行速度が遅めです。

二つめは「インタプリタ」と呼ばれる言語にはJavaScript/PHP/Rubyなどが挙げられ、こちらはコンパイルの必要なくそのままプログラムを実行できるため実行速度が速い傾向にあります。

昨今は後者のインタプリタ言語での開発がスタンダードになっており、本来フロントエンド言語として使われるJavaScriptもフォームデータのやり取りに使われるためスキルとして習得しておくと良いでしょう。

ミドルウェアの知識と取り扱いスキル

サーバーやクラウドコンピューティングなどハードウェアは基盤でしかなく、その上にミドルウェアと呼ばれるソフトウェアをインストールし望む環境を構築する必要があります。

具体的にはサーバーを統括するOSのLinuxや、Webサイトとサーバーの間に入りデータの送受信やデータの保護など総合的な管理を担うApacheなどのWebサーバーソフトウェア、MySQLなどのデータベースソフトウェアが挙げられます。LinuxやApache、MySQLなどのミドルウェアはオープンソースとして公開されている事もあり、バックエンド領域ではスタンダードスキルとされています。

こうしたミドルウェアの知識と取り扱いスキルは基本としてしっかり習得しておく事が望ましいです。

フレームワーク・各種ツールの取り扱いスキル

バックエンドエンジニアが習得すべきフレームワークとして代表的なのはCakePHP/Ruby on Rails/Expressなどが挙げられます。特に昨今はRubyでの開発が増えてきているのもありRuby on Railsなどのフレームワークのスキル必要だとされています。この様なイメージで実際に開発に使用されているバックエンド言語に合わせたフレームワークやライブラリのスキルを習得しておく事が望ましいでしょう。

またチーム開発を実施している場合は各エンジニアとの連携やプロジェクト管理のためにエンジニア向けのツールを使用するシーンも昨今増えてきています。

代表的なのが、バージョン管理ツールとしてWebやアプリに限らず多くの開発現場にて使用されているGitHubがあります。また、プロジェクト管理にはTrelloを用いて要件定義の共有や進捗の確認、タスク管理などを用いている現場も増えていますので、これらの取り扱いスキルも一通り習得しておく事が必要です。

バックエンドエンジニアの育成に効果的な手法

バックエンドエンジニア育成

ここまでバックエンドエンジニアについて基本的な知識を体系的に見てきました。バックエンドエンジニアはサーバーサイドに属しながらも、場合によってはフロントエンド領域までカバーする必要に狩られるなど必要な知識とスキルは膨大になります。

それではバックエンドエンジニアの育成はどういった手法を使えば効果的に成果を得られるのでしょうか。バックエンドエンジニアの育成に効果的な手法をまとめました。

実践重視のOJT

エンジニア界隈ではスキルを伸ばすためには、座学よりも実戦経験が重要であるとされています。バックエンドエンジニアについても例外ではなく、スキルアップには「業務の中でいかに良い経験をつめるか」が成長において重要なポイントになります。

その様な経験はもちろんエンジニア自身から積極的に取り組む必要もありますが、同時に先輩エンジニアやチームマネージャーなどのマネジメント側からの環境作りやアプローチを行うことも非常に効果的です。特にベンチャー企業におけるエンジニアチームではアジャイル開発などのシビアな環境の中で育成を行っていくので実践重視のOJTでバックエンドエンジニアの成長を促しましょう。

ポイント1.良質な経験が積める仕事の割り当て

プロジェクト自体は、クライアントの希望や時期などのタイミングによってコントロールができませんが、そのプロジェクトの中の良質な経験の基になるような部分や役割を切り取って育成対象のバックエンドエンジニアに割り当てることでスキル育成に繋げることが可能になります。

その際、良質な経験の定義としてはそのバックエンドエンジニアにとって最大限「新しい経験、少しハードルの高い経験」という基準で判断すると良いでしょう。

また、そうした判断を的確にこなすためにもマネジメント側はトレーニーのスキルレベルなどを常日頃から把握しておき不足スキルや課題などを客観的に抽出しておきましょう。

ポイント2.小さな成功体験を積ませる

小さな成功体験を積み重ねることによって人は自信や可能性を感じ、成長へのモチベーションが上昇します。とはいえ単発で終わったり、余りにも安易であったりなどの成功体験は好影響を及ぼしづらいです。現在のレベルより少し高いレベル感の業務の中での成功体験が良いとされています。

この際、トレーナー側は成功への道筋を詳細に指示するのではなく、リスクに気を配って会話の中で軌道修正を行うなどトレーニーが自分で考え、実行する自然体の環境の構築に尽力すると良いでしょう。

ポイント3.最終的な責任を負った上で最大限任せる

ここまでトレーニーの自立的な行動の中での成長を促そうと再三提示してきましたが、過度に責任を負わせることによる不要なプレッシャーに気をつけなければなりません。自分のレベルより高い課題に伸び伸びと挑んでもらうためにも、最終的な責任は自分で取るというスタンスを取り、トレーナーとトレーニーとの間に信頼関係を構築することが望ましいです。

信頼関係の構築のためには、育成に対する真摯な姿勢、トレーニーに対する丁寧なフォローやフィードバックなどが必要です。間違っても継続性・一貫性の無い指導やフォローとは名ばかりでトレーニーのチャレンジを奪うように手を貸すなどの行為は成果につながらないので細心の注意を払いましょう。

エンジニア向けナレッジサイトの活用

エンジニアの知識やスキルはその領域にいる人間以外に聞いても納得のいく回答を得ることは難しく、OJTトレーナーなどの先輩エンジニアも自分のタスクで忙しく疑問や課題の解決ができないままという状況が発生する可能性は十分にあり得ます。

そんな時に活用できるのがエンジニア向けのナレッジサイトやコミュニティです。これらは一線で活躍するエンジニアたちの知識交流が行われているコミュニティでもあるのでトレーニーだけではなく現役のエンジニアも活用することが可能です。

Qitta

Qiita

エンジニア同士のナレッジを共有するサイトです。

サイトが独自に提供する専用テキストエディタを使って、コードなどのナレッジアウトプットをサポートしています。単発のテキストノートからブログのように連載記事として運用しているユーザーなど様々なエンジニアの知見やスキルがフロントエンドからバックエンド、果てはAIまで幅広い領域に渡って展開されているのが特徴です。

Stackoverflow

StackOverflow

エンジニア版知恵袋とも言えるエンジニア向けQ&Aサイトです。幅広い領域の知見やスキルについての質問や回答を行うことができます。

こちらは海外発祥のサイトで、エンジニア向けのナレッジサイトでは最大手ということもあり情報も豊富にたまっています。これまでは英語表記の海外版サイトだけでしたが、最近では日本語サイトが立ち上がったのでこれから日本国内での盛り上がりが期待されています。

プログラミングキャンプへの参加

ここまで社内内製での実践型OJTや補助手段としてのナレッジサイトの活用を勧めてきました。

しかしOJTに人的リソースを割り当てることが難しく、バックエンドエンジニアの育成に手をこまねいている企業も存在するかと思います。こうした企業ではオンラインで受講が可能なプログラミングスクールやブートキャンプへの受講で基本的なスキルの習得を代替するといった手法を取る事ができます。

CodeCamp

CodeCamp

Codecampはオンライン特化型のプログラミングスクールです。

オンラインスクールといっても従来のeラーニングの様に公開された授業ではなく個別のマンツーマン指導を行うのが特徴です。期間としては1ヶ月のスピードプランと6ヶ月のじっくりプランから選ぶことができます。

取り扱い言語もフロントエンドからバックエンドまで兼ね揃っていますので幅広くエンジニア育成に利用できます。

TECH::CAMP

TechCamp

TECH::CAMPはリアルスクールとオンラインスクールの両方を展開しています。特徴としてはリアルスクールの方では最短1週間でプログラミングが学べるプランがある事です。オンラインでは1ヶ月と2ヶ月のプランが存在します。

取り扱い言語は若干フロントエンド寄りで、バックエンド領域ではRuby/Ruby on Railsを学ぶことができます。その他ではiPhoneアプリやゲーム開発系に強いのでそういったサービスを展開する予定のある企業ではメリットがありそうです。

TechAcademy

Techacademy

TechAcademyはオンライン形式のプログラミングスクールです。実践的なカリキュラムで構成されている事が特徴です。最短2週間のカリキュラムから最長12週間のカリキュラムまで取り揃えています。

最大のメリットとしては取り扱い言語の幅が広く、バックエンドに関してはほぼ全ての言語を網羅でき、データベースについても習得することができます。また、同スクールはこれまで100社以上にも渡るIT企業に対してのエンジニア教育の実績があるスクールでもあるので信頼性は抜群です。

まとめ

バックエンドエンジニアは主にサーバーやシステム周辺の領域を担当するエンジニアです。

サーバーサイドエンジニアやネットワークエンジニアとの混同がされがちですが、あくまでWebに特化したエンジニアである事が明確に認識するためのキーワードになります。Webサイトやサービス、特にWebサービスにおいては非常に重要な役割を担っており、バックエンドエンジニアの力量が快適なサービスの提供に繋がるといっても過言ではありません。そのためバックエンドエンジニアの育成に際しては、バックエンドエンジニアの役割や必要なスキルなどをしっかりと認識する必要が前提としてあります。

そして、知識やスキルについて育成を行うには実践型の環境でOJTを実施する事で実力を身につけていきます。その際、トレーナー側はトレーニーが良質な経験や小さな成功体験を積み重ねられるように大きな責任は自身が負うというスタンスで信頼関係を築きながら、トレーニーが育成課題に伸び伸びと取り組めるような環境作りと適切なサポートを実現する事が重要です。

本記事を貴社のバックエンドエンジニアの育成に役立てていただければ幸いです。

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