タレントマネジメントシステムとは?その機能・メリットやデメリット・サービス比較5選

タレントマネジメントシステムは、タレントマネジメントを実施する上で必要な機能を備え、その効率化を図るためのシステムです。タレントマネジメントシステムはなぜ生まれたのか?その背景に迫ると共に、現在出回っているタレントマネジメントシステムの主要な機能や、そのメリット・デメリットをご紹介します。また、記事の後半ではタレントマネジメントシステムの運用のポイントと、おすすめのタレントマネジメントシステム比較5選をご紹介しています。導入をご検討中でしたら、こちらも合わせてご参照ください。

タレントマネジメントシステムとは

まず、タレントマネジメントとタレントマネジメントシステムの定義について確認したうえで、その誕生の背景についてご紹介していきます。

タレントマネジメントシステムとは

タレントマネジメントとは、社員が持つ基本情報やスキルを把握・分析し、それを用いて戦略的な人材配置や人材育成を行うことによって、社員の能力を最大限に活用する取り組みのことです。

タレントマネジメントシステムは、そうしたタレントマネジメントの効率化を補助するツールのことを指します。グローバル化や情報化が進み、常に激しく変化する経営環境の中で効率的な人事戦略を実現するためにも、タレントマネジメントシステムの導入は多くの企業が検討すべき施策であるといえます。

タレントマネジメントシステム誕生の背景

タレントマネジメントシステム誕生の背景についても押さえておきたいと思います。3つご紹介します。

タレントマネジメントの課題解決

タレントマネジメントは1990年代にアメリカの人材関係者の間で生まれた考え方で、日本では労働人口の現象が問題視され始めた2010年代より注目を集め、本格的に普及し始めました。タレントマネジメントシステムが誕生した背景は、このタレントマネジメントの普及に伴った人事課題の表出です。

タレントマネジメントの普及は人事課題の認識にパラダイムシフトを起こし、優れた人材の獲得競争から限りある人的資源の効率的な管理と育成にシフトしていく中で、業務的な部分での効率的な人事管理の方法が求められるようになりました。そうした経緯の中、効率的な人材管理を実現するタレントマネジメントシステムはまさに課題解決のカギとして誕生したのです。

多様化・複雑化する情報管理需要

また、昨今においては、シェアリングエコノミーの登場など、消費者のニーズや行動形態が激しく変化しています。そのような経済環境において、企業は様々な課題に対して柔軟に対応する必要性が生じてきました。その実現には、激しい変化に対応できる人材の存在が必要不可欠であり、適性のある人材を社内から探す際に情報管理需要が現れ、タレントマネジメントシステムの必要性が説かれ始めました。

HRtechの発達

技術の発展も大きなポイントです。HRtechとは、人材資源をあらわす「Human Resource」とICTやAIなどの科学技術をあらわす「Technology」を掛け合わせて作られた言葉です。特に人材領域においては、AIやICT技術を活用して人材データの収集・管理や採用・育成における情報サポートなどを行うシステムやツールを指します。

HRtechは、2010年代よりアメリカで普及が始まりました。人事領域にもイノベーションの波が押し寄せ、様々な領域で情報の効率化・一元化を行うツールが登場しています。タレントマネジメントシステムもその一つであり、日本でも急速に普及が進んでいます。

タレントマネジメントシステムの主な機能

機能

ここまでタレントマネジメントシステムが誕生した背景をご紹介しましたが、背景の一つでもあったHRtechの発達により、現在の市場には数多くのタレントマネジメントシステムがリリースされています。タレントマネジメントだけに特化したサービスから離職予防機能や、社内のコミュニケーション活性化を目的とした社内向けのプロフィール公開機能をプラスしたサービスなど、仕様は開発企業ごとに異なります。

本項ではタレントマネジメントの実行支援のための機能を持つシステムをタレントマネジメントシステムと定義して、その主要な機能を紹介したいと思います。

人材プロファイル作成

タレントマネジメントシステムの必須機能ともいえるのが、人材についての基本情報・経歴・スキルなどを可視化して管理するプロファイル作成機能です。自社に所属する人材の経歴や資格をはじめ、保有している知識・スキルから価値観・コミュニケーション能力・職務適性まで幅広く入力できます。システムには権限があれば誰でもログインできるため、人事担当者の負担を分散できます。

また分析機能もあり、スキルデータや特性などの項目をグラフなどで可視化して比較することが可能です。会議の資料を作成する際にも活用できます。

人材育成計画・次世代人材の管理

タレントマネジメントシステムには育成計画の管理機能も存在します。

全体研修などの実施履歴の保存や、個人ごとのスキルレベルに合わせた学習計画の策定や進捗管理まで行えます。また社員が社外で取得した資格や受講した研修などの情報も収集・管理でき、その資格やスキルの活用が見込まれる新規事業や部署への柔軟な配置のサポートに利用できます。また研修や資格に有用性を見出せば自社の育成プログラムとして正式に取り入れることもできます。

数多くの機能の中でも、近年注目されているのは次世代リーダーのマーク機能です。会社の将来を担う経営ボードメンバーやマネージャーになりうつポテンシャルを持つ人材をデータから抽出し育成計画を立て次世代リーダー人材として管理することが可能です。

パフォーマンス評価・管理

タレントマネジメントシステムには社員のパフォーマンスを管理することができる機能があります。

人事評価制度として目標管理制度をとっている企業では、目標を立てる際にタレントマネジメントシステムに登録している人材の適性やキャリアの志向などのデータを参照して設定することで本人も腹落ちしてモチベーションを維持しながら取り組める一貫した目標を立てることができます。

パフォーマンス評価は従来、実施者と評価者の間で認識のズレやコミュニケーション不測、評価者の主観が混じった評価により透明性が曖昧になりがちでしたが、前述のデータに基づいて設定した目標と評価基準を設定することによって評価に客観性が担保されます。

タレントマネジメントシステムのメリット・デメリット

メリット

タレントマネジメントシステムには、多様な機能があることがわかりました。その流れで、タレントマネジメントシステムのメリット・デメリットについても見ていきたいと思います。

タレントマネジメントシステムのメリット

まずはタレントマネジメントシステムのメリットです。3つご紹介します。

社内タレントの効率的な活用

タレントマネジメントシステムを活用すれば、個人のパフォーマンスを最大限に伸ばす効果的な人材育成や、適材適所の人材配置を行うことができます。また、意外な潜在能力を持っていた人材の発見など、社内に埋もれていた才能を発掘することもできます。

より適切な人事評価を行える

タレントマネジメントシステムは人材情報を整理・可視化します。可視化された人材情報をもとにすることで、個人ごとの能力や経歴を照らしあわせながら、より適切な人事評価を行うことができます。データをもとにした客観的な評価を行うことで、社員の納得感も高まります。

業務の大幅な効率化

タレントマネジメントを実施する上では、人材情報の整備やこまめなデータ管理が必要になります。自社に所属する社員の人事情報を全て収集・管理し、必要があれば更新するといった業務は、人力で行うにはあまりにも膨大な作業です。タレントマネジメントシステムを使うことによってその課題は解決され、大幅な業務の効率化が期待できます。

タレントマネジメントシステムのデメリット

一方、タレントマネジメントシステムにはデメリットも存在します。こちらは2つご紹介します。

社員に浸透せず、十分なデータが集まらない場合がある

タレントマネジメントシステムはその性質上、社員のデータに関してはその社員自身が情報を入力する必要があります。社員が導入の意図を理解しておらずにシステムを使いこなせなければ、十分なデータが集まらず運用に支障が出る可能性があります。

根本的な人事戦略を見直す必要が出てくる

タレントマネジメントシステムは、単にシステムを導入するだけでは終わりません。それは、企業の根本的な人事戦略にも影響してきます。そのため、タレントマネジメントシステムを活用するためには、既存の人事制度を見直し、新たな人事制度を制定する必要が出てきます。

タレントマネジメントシステムを運用する際のポイント

タレントマネジメントシステムは様々な魅力をもったツールですが、先ほどのデメリットの項でもお伝えした通り、導入しただけでは効果は出ません。本項では、タレントマネジメントシステムを活用する際のポイントを解説します。

タレントマネジメントに関する、社内の十分な理解

タレントマネジメントシステムを適切に運用するためには、まずはタレントマネジメントについての理解をしっかりと持っている必要があります。人事担当者や経営層だけでなく、各社員がその本質を理解し、納得感を持ったうえで、組織全体で運用を行っていく必要があります。社内研修を行うのも一つの手段です。

タレントマネジメントに関しては別の記事で詳しく触れていますので、よろしければご一読ください。

データを基軸とした思考を意識する

タレントマネジメントでは人材に関連する様々な種類のデータを集め、利用することが主なアクションになります。また、適材適所の人材配置や効率的な人材育成を推進する上での計画や施策は、タレントマネジメントシステムに存在する人材データを根底に設計されなければなりません。人事担当者は、常にデータに基づいて思考することが求められます。

人事戦略や育成計画とリンクさせ、長期的視野で運用する

タレントマネジメントシステムの運用は根本的な人事戦略にも影響するため、自社の人事戦略や育成計画と常にリンクさせて運用する必要があります。単なるシステムを導入すると捉えるのではなく、人事改革の一環として導入するぐらいの心構えが重要です。また、データの収集から実際の運用を行い、成果が出るまでには時間がかかります。そのため、長期的視野に立って運用していくことをオススメします。

タレントマネジメントシステムのサービス比較5選

ここまでタレントマネジメントシステムについて体系的にご紹介してきました。社内で活用するイメージはわいてきましたでしょうか?

最後に、タレントマネジメントシステムの主なサービスについてご紹介していきます。今回はその中でも、汎用性が高い5つのおすすめサービスをご紹介します。是非サービスを比較・検討する際にご活用ください。

おすすめ1:カオナビ

カオナビ – 株式会社カオナビカオナビ

株式会社カオナビが提供するクラウド型タレントマネジメントシステムです。

人材データに識別がしやすいように顔写真を登録することができ、人材の配置や抜擢・評価をシステム上で行うことができます。文字ベースのデータでイメージがわきにくいという課題を解決しています。分析機能にも秀でており、男女・年齢をはじめさまざまな切り口で自社の人材情報を可視化してくれます。

おすすめ2:HITO-Talent

HITO-Talent – 株式会社パーソル総合研究所HITO-Talent

株式会社パーソル総合研究所が提供するクラウド型タレントマネジメントシステムです。

このシステムは人材サービス大手として知られるパーソルキャリアの人事部と共同で開発されており、プロフェッショナル向けのシステムとして知られています。直感的でシンプルなインターフェースでありながらデータベースの管理項目に限界が無く、人材配置・組織開発・新規事業におけるタスクフォースの立ち上げ・管理など応用の幅が広いシステムです。

おすすめ3:SAPサクセスファクターズ


SAPサクセスファクターズ – SAP Japan
SAPサクセスファクターズ

システム大手のSAPジャパン株式会社が提供するクラウド型タレントマネジメントシステムです。

クラウド型タレントマネジメントシステムの市場ではグローバルプロパイダーとしての位置を確立しており、世界的に多くの企業で活用されているシステムです。主要機能に加えて、採用管理・人材分析などさまざまな機能を網羅しています。

特に長けているのは人事評価機能で、360評価・目標管理・業績評価などタレントマネジメントをさらにアップデートする機能が搭載されています。

おすすめ4:Talent-Pallet

Talent-Palet – 株式会社プラスアルファ・コンサルティングタレントパレット

株式会社プラスアルファ・コンサルティングが提供するクラウド型タレントマネジメントシステムです。こちらのシステムも、人事情報のデータベース化・分析などの主要機能を網羅しつつ、「従業員満足度調査」などのアンケート機能による社員のモチベーション可視化機能を搭載しており、離職防止を目的としたモチベーションリスク管理に強みがあります。

おすすめ5:sai・reco

sai・reco – 株式会社アクティブ&カンパニーsai・reco

株式会社アクティブ&カンパニーが提供するクラウド型タレントマネジメントシステムです。

このシステムはHRオートメーションシステムと銘打っており、人事が抱える情報入力や管理などの定型業務の自動化を主な強みとしています。人材情報を自動収集し整理することにより効果的かつ効率的にタレントマネジメントを実行できる環境を整えることができます。通常の人材データ管理だけではなく、ワークフローや給与明細情報とも連携でき総合的な人材データベースの構築が可能になります。

まとめ

経営環境の変化や働き方の多様化などの時代の流れに合わせて、組織作りにおいても日本は大きな転換点を迎え始めています。この様な時代にフィットした、タレントマネジメントという考え方は、日本で浸透し始めています。またHRtechの発展も後押しして、タレントマネジメントをサポートするタレントマネジメントシステムも誕生し、普及が進んでいます。

タレントマネジメントシステムはただ導入しただけでは意味がなく、人材情報を一元管理した上で、データに基づいた人材配置や効率的な人材育成に繋げるという意識の中で、情報のハブスポットとして効果的に使用しなければなりません。提供企業によってサービスの仕様も異なるので、活用の際のポイントを念頭においた上で、自社に合ったシステムを選んで活用し人事戦略の推進にお役立てください。

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運営企業

アチーブメントHRソリューションズ株式会社

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