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主体性がない人の特徴とは?主体性を引き出すポイントを紹介

主体性がない人の特徴とは?主体性を引き出すポイントを紹介

「主体性がない」というフレーズは、最近の若手社員を指す言葉としてよく耳にします。新入社員研修に関する調査でも、「あなたの会社が求める人材像について特に重視するもの」という項目でのランキングで、「主体性があり積極的である」が63%で1位になるなど、企業が社員の主体性を重要視していることがわかります。実は、主体性とは誰もが持ち合わせているものであり、関わりや内省の機会を通して引き出すことが可能です。そこで今回は、主体性の持つ意味やメリット、そして主体性の効果的な引き出し方をご紹介します。

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主体性とは

主体性とは、「どんな状況においても、自分の意思や判断をもとに責任をもって行動する態度や性質」のことを指します。つまり、「自分で状況を判断して、自らの責任で最も効果的な行動を取る」ことが出来る人のことを、主体性のある人と言います。

主体性と自主性の違い

また、主体性と似た言葉に、自主性という言葉があります。同じ意味として使われることもありますが、実は主体性と自主性には大きな違いがあります。

自主性とは、「自らが率先して行動を起こす」ということです。やらなければいけないことを、人から指示を受ける前に素早く行動に移すことを、自主性と言います。つまり、「やるべきことを誰かに言われる前にやること」が出来る人のことを自主性のある人と言います。

自主性と主体性をまとめると、以下のようになります。

主体性いかなる状況においても自分で考え、判断し、行動すること
主体的な人自分で状況を判断して目的を理解し、自らの責任で最も効果的な行動を取ることができる人
自主性人に言われる前に率先して自らやる(行動する)こと
自主的な人やるべきことを誰かに言われる前にやることができる人

「自主性」はある意味、決められたルールに対する率先垂範、優等生的な行動であるのに対して、「主体性」は自分で考えて行動することです。「すべきことが明確か否か」が大きな違いであり、明確な場合に率先して行動を起こす能力が「自主性」、そして明確でない場合に、明確にしながら率先して行動を起こす能力が、「主体性」と呼ばれます。

主体性がない人の特徴

では、そんな「主体性」がないと言われてしまう人には、どんな特徴があるのでしょうか。

主体性がない人材に多く見られる特徴として、下記のような特徴が挙げられます。

1.他責の傾向がある

主体性のない人は、自分の考えや信念を根拠として判断や決断をしない傾向があります。そのため、その判断や決断が間違っていたとわかった時に、「他者の意見」や「環境」の責任にしてしまうことがあります。

2.受動的である

主体性のない人の典型例が、指示待ち人間です。自分で考え行動した経験が不足しているため、誰かからの指示がないと何をどうすれば良いのかがわからないのです。

3.マイナス思考である

主体性のない人は、消極的でネガティブという特徴があります。自己肯定感が低く、自分の能力に対して自信がないため、挑戦することを避けます。

4.意思決定力が弱い

主体性のない人は、「なんでもいい」が口癖だという特徴があります。自分で考え決断することに対し、自信がないので責任を回避するためにこのような言葉が出てきます。相手を尊重する「なんでもいい」というよりかは、「どうでもいい」というのが本音です。

主体性がある人の特徴

では、一方で主体性のある人にはどのような特徴があるでしょうか。

主体性がある人材に多く見られる特徴として、下記のような点が挙げられます。

1.責任感がある

主体性のある人は、自分の行動や判断を自分の価値観や信条に基づいて行う傾向があります。そのため、行動や判断を「自ら選んで行動した」「自ら望んで判断した」という認識を持っています。自分が選んだと認識するということは、物事の原因が自分にあると認識していることであり、自身の言動に責任感を持ちます。

2.自ら物事を理解しようとする

主体性のある人は、疑問を疑問のままで終わらせません。自分で調べたり人に聞いたりして、理解できるまで思考を巡らせようとします。

3.能動的である

主体性のある人は、誰かに指示を受けなくても、自分のやるべきことや仕事を見つけることができます。常に自分の持つ価値や役割を考えるため、自らがするべきこと、やるべきことを自分で見つけることができるのです。

4.積極的である

主体性のある人は、知的好奇心が旺盛であり、何事にも積極的な姿勢を示します。物事に貪欲に取り組むので、自然とキャリアアップや自己の成長に繋がり、自らの価値を高めていきます。

主体性がある人とない人の違いを一言でまとめると、「受け身か」「受け身でないか」です。主体性がある人の多くは、当事者意識を強く持ち、自分から行動を起こすことができます。そして、このような人材が多い会社では、社員が率先して挑戦と工夫をするため、組織の成長だけでなく個人の成長も早い傾向にあるでしょう。

社員が主体性を持つメリット

では、主体性を持つ社員が増えることで、組織にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

社員が主体性を持つことで組織にもたらされるメリットは、下記のとおりです。

1.組織が柔軟になる

主体性を持った社員が増えることで、社員ひとりひとりが組織課題に対して責任感を持ち、解決に向けて積極的に取り組むようになります。それぞれの現場で主体性が発揮されることで、各現場で起こる個別の問題にも柔軟に対応できるようになります。

2.アイデアや意見が活発に生まれる

主体性がある社員は、自分の意見を持ち、自分の強みを活かして自らの役割を全うしようと努めます。そして、そのような人が集まると、社内に様々な意見が交わされるようになります。社内の意見交換が活発になることで、より良いアイデアが生まれる組織になります。

3.社員の成長スピードが上がる

疑問を疑問で終わらせず、自分がやるべきことを自分で考え学んでいく姿勢は、自らの成長スピードを促進させます。自らの成長が結果に繋がっていくのがわかるので、自己成長を楽しめるようになります。

このように、主体性を高めることで、個々の個性や強みを尊重しながら、自主自立的な人材を育成することができます。そのような人材が集まる組織では、お互いがお互いの足りないところを補い合い、自分の強みを活かせるような状態になるので、仕事に対する意欲も必然と高まっていく傾向があります。

主体性を引き出すには

先ほど主体性がある人とない人の1番の違いは、「受け身か」「受け身でないか」だと言いましたが、それは何が要因で分かれるのでしょうか。主体性の開発法には様々な手法や考え方があります。今回は、その中でも特に重要な「内発的動機づけ」に焦点を当てて主体性の引き出し方を説明します。

内発的動機づけとは

内発的な動機とは、自らの意志を素とし、自分の内面から生まれるモチベーションのことです。例えば、「楽しいから」「好きだから」「やりたいから」といった動機は内発的な動機であり、他者や周囲の環境などの外部要因に左右されにくく、行動が持続しやすいと言われています。

一方で、内発的動機づけの対となるのが外的動機づけです。外発的動機づけとは、他者や周囲の環境によってもたらされるモチベーションのことです。外発的動機づけは自分の中に動機がないため、外部からの刺激を与え続けなければ行動が持続しないと言われています。例えば、「みんながやっているから」「社会人とはこうであるべきだから」「やらないと上司に注意されるから」などの動機は外発的な動機であり、自らの意志で思考し、決断した選択ではないことが分かります。

内発的動機づけがなぜ主体性を引き出すのか

外発的動機づけは、組織運営や教育現場という面において、長い間とても一般的なものでした。外発的動機づけは、短期間で効果が得られ、指示したとおりの行動をさせるという点では非常に優れたマネジメント手法でした。ですが、近年は仕事の複雑さやクリエイティブな業務の割合が高まり、社員が自分で考え、アイデアを生み出す主体的な姿勢が必要とされるようになりました。現場で起こる問題は多岐に渡り、逐一指示を出していては対処が追い付かなくなってしまいます。ですから、社員それぞれが率先して解決策を考えてもらえるようなマネジメントが求められたのです。

このような背景から、昨今注目を集めているのが「内発的動機づけ」です。内発的動機づけができる社員は、自分で動機を生み出すことができるため、主体的な姿勢を必要とするクリエイティブな業務や現場の課題解決に適しています。社員に一人ひとりに自発的な意思と判断が求められる現代では、組織運営や教育現場の面で、内発的動機づけを引き出すための施策を実施する組織が増えていると言います。

主体性を引き出す3つの要素

では、内発的な動機によって主体性を引き出すためには、どのようなことが必要になるのでしょうか。

内発的動機付けには、有能性、自律性、関係性の3つが大きく影響していると言われています。それでは、1つずつ簡単に説明していきます。

有能性

有能性とは、自己に対する「自分は出来る」という認識のことです。有能性が高まることで、ものごとに積極的に挑戦できるようになります。有能性を高めるには、成功体験や他者からの承認、成長への実感が重要となります。そのため、自身の能力に見合った目標設定や、上司や同僚からの承認の声、できなかったことができるようになるといった経験を通して、「自分はできる」という感覚を育んでいくことができます。

自律性

自律性とは、「自分の意思で自由に選択していく」ということです。自律性が高まることによって、積極的に自分で考え、自分の行動を決断できるようになります。自律性を高めるためには、自分の考えで選択する機会を増やしていくことが重要です。「今日の会議ではどんな疑問を解消しようと思っているか」「次のプロジェクトに対して、どんな目標設定を考えているか」など、自分で考えることを促し、自分なりに決断をする経験をさせることが自律性の向上につながります。

関係性

関係性とは、「誰かと一緒にいたい」という欲求のことです。関係性が強いと、その分他者や会社への貢献意欲が醸成されます。例えば、仲の良い友人や同僚が困っているとき、人は「助けたい」「役に立ちたい」といった内発的な動機を持ちやすい傾向があります。ですから、関係性が強まることで、内発的な動機を生み出しやすくなります。

関係性の強い組織には、社員同士の深い相互理解や活発なコミュニケーション、目的や目標への共通認識が見られます。ですから、関係性を強めるためには、そういった組織の観点から施策に取り組むことが大切です。

主体性を引き出す取り組み

では、最後に、会社や組織として社員の主体性を高めるための取り組みをご紹介します。

双方向のコミュニケーションの浸透

部下や新入社員とのコミュニケーションの中で、無意識のうちに指示的になっていたり、上司が自身の主張を押し付けてしまうことがあります。指示や意見の押し付けを頻繁に行うと、自ら考える機会が減り、主体性を損なってしまう可能性があります。ですから、部下に考える機会を与えるために、双方向のコミュニケーションを上司に身につけてもらうことが重要です。たとえばコーチングのように、部下の考えを聞き、尊重するようなコミュニケーションを身につけてもらうことで、部下が自分で考えることを促進し、思考力や決断力が鍛えることができます。例えば、「3年後どんなポジションに就きたいか?」「目標を達成するために何をしたらいいか?」「次、もう一回やるとしたらどうするか?」など、この会社にいる理由や改善点について、自分で考えるような機会増やしていきます。これによって、部下の自律性を高まり、主体性を引き出すことに繋がっていきます。

コーチング研修ならアチーブメントHRソリューションズへ

アチーブメントHRソリューションズのコーチング研修は、実践の機会に富んだ研修プログラムです。体験ワークと演習を通じて部下育成の基礎を学習し、部下のモチベーションと秘められた能力を引き出すコーチングのスキルを身につけていただきます。

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関連記事:コーチングとは?その意味や必要なスキルと方法を紹介

理念浸透

企業の理念やビジョンは、その企業に属する全ての社員に共通する姿勢や目標を表しています。そのため、理念を浸透させることにより、社員同士の共通認識をつくり、つながりや一体感を醸成することができます。社員同士や部署同士のつながりは、「社員と社員」「社員と組織」の関係性を強化していき、内発的な動機づけの醸成に繋がります。具体的には、改めて理念やビジョンを確認する研修の実施や、理念を最も体現している社員の表彰、上司による率先垂範などを通して、社員全員が理念を行動にまで落とし込めるようにしていきます。

理念とビジョンを浸透するためのソリューション

「自社の経営理念は明確になっているが、その理念が思うように社員に浸透していかない……」そんなご相談を多くの企業様からいただきます。アチーブメントHRソリューションズは、「診断ツールによる診断」「策定と浸透戦略のコンサルティング」「浸透を促進する研修」という3つのソリューションを組み合わせて、企業様の理念浸透をご支援いたします。

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まとめ

主体性とは誰もが持っているものであり、上司の関わり方や組織の施策次第で、育んでいくことができます。もし、部下や新入社員の主体性に悩んでいる方がいましたら、コーチング的な関わりや理念浸透の施策を検討してみてはいかがでしょうか。この記事を通して、主体性の高い、成長意欲に溢れた部下や新入社員の育成に少しでも貢献できれば幸いです。

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