Fortune 50から政府機関および教育機関に至るまで、世界中の何百もの企業に対して行った15年間の調査結果を元に、Howard Ross氏がATD2018で語った「バイアスをかけない組織を作る方法」について、レポートします。
バイアスをかけない組織を作る方法(ATD2018)
バイアスをかけないための4つの方法
Howard Ross氏の研究結果では、人間は気づかないだけで多くのバイアスを持っているという驚くべきデータが発表された。
例1 ある法律事務所に黒人と白人が同じ文書を作り、訂正の依頼をした。 渡す際にスタッフが「これは黒人の書いた文章です」と伝えて渡すと 白人と伝えた文書より22個もミスが多く見つかった。
例2 ハリケーンは女性の名前がついたハリケーンだと、 男性の名前がついたハリケーンの時よりも被害者が2倍増えた。
「これらはすべて全て人は気づかないうちに、私たちが思い込みをもっているからである。そして、それは私たちが受けている教育によってつくられている」とHoward Ross氏は語った。
例えば、企業の中でいうならば、1度遅刻をしてくるとまた遅刻するのではないかと思われてしまう。採用の場面でも、自分と同じスポーツをしていたりすると、の人はいい人かもしれないと勝手に思い込んだりしてしまう。これらのバイアスは意思決定に大きなゆがみを与えてしまう。つまり、いかにバイアスをかけずに意思決定をしていくのか問うことが大きなポイントになる、とRoss氏は語った。
バイアスをかけないために、Howard Ross氏は4つの方法を提唱した。
1.バイアスがあることに気づかせる教育の実施
教育でも特に、共感をするきっかけを作ることが重要である。 同じステージに立ち、同じ視点でできるだけ見れるようにしていく教育を施していくことが大切。 例えば、人事を集めて内容は同じで、写真と名前と性別を変えた履歴書を6枚並べて評価させる。 そして結果を出し合って、実は内容は同じであることを伝え、 自分はバイアスを持っていることに気づかせてあげる。
2.教育を続ける
1で学んだことを現場でどのように実行するか、 というところまでアクションプランを決め、落とし込みをかけていく。
3.教育内容を思い出させる仕組みをつくる
教育で習ったことを思い出すようにするために、 動画を面接前には必ず見るなど何度も何度も反復する仕組みをつくる。
4.アカウンタビリティをしっかりとる
アカウンタビリティとは説明責任のこと。 バイアスに関して発信したことは細かく目標を設定し、 結果がどうなったのかを報告していくことが重要である。
まとめ
私たちは無意識のうちにバイアスを持っていたり、人にバイアスを作っています。いかに自分がバイアスを持っていないかを考えるために問うべきなのは、「この意思決定は事実に基づいているか?」ということなのではないでしょうか。「いつも自分は正しい」という思い込みを捨て、意思決定していくことが求められています。
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