

【ピースクルーズ株式会社様】理念策定
「理念」に立ち返る
「想い」を形にし、トップから現場まで、今一度心をひとつにする |
現場の職員にも届くような言葉になるまで練り直し |
新設したホームの入居希望や多くの問い合わせを獲得 |
①サービス導入の決め手
29歳の時、離婚を機に看護師の資格を取得しました。
看護師として働きはじめて10年目、がんを患って「死」に直面し、
それまでの自分の働き方や生き方を見つめ直すことになります。
医療現場の表も裏も見る中で、
自分だったらどんなサービスを提供したいか考え、
創業したのがピースクルーズ株式会社です。
利用者様のニーズに合わせて、
居宅介護支援、訪問介護、デイサービスなど次々と事業を立ち上げました。
息子や家族の力を借りて、想いだけで走ってきたといっても過言ではありません。
介護業界は、高齢社会の進展や法律の改正などにより、
異業種からの参入が増えています。
民間企業の参入によって、労働条件を理由に他施設へ転職する方も増えています。
もともと3Kなどと言われる介護業界ですが、こうした業界の変化もあり、
業界全体の職員の定着率は低いままで、当社も例外ではありませんでした。
職員の定着と育成が急務でしたので、
アチーブメントが掲げる「人材育成」という言葉に惹かれたのが研修受講のきっかけです。
受講を通し、経営者としての、現場を引っ張るリーダーとしての自覚が生まれました。
そして、息子や幹部も後に続くように受講、新卒採用にもチャレンジし、
おかげさまで今年の4月には5名の新卒生の入社が決まっています。
しかし、私たちの変化があまりにも急だったのでしょう。
職員のなかには、変化を受け入れられず、離職する者もいました。
また、私は、事業にかける想いは人一倍強いものの、
そういったことを表現することにはためらいがありました。
研修受講を通して、「伝えること」の重要性を感じてはいたものの、
表現しきれていなかったと思います。
そうした部分をコンサルタントの高木さんに指摘され、
「想い」を形にし、トップから現場まで、
今一度心をひとつにすることの必要性を感じ、
組織変革コンサルティングの実施を決断しました。
②サービスを導入してみて
まず、高木さんと私の一対一で丸一日かけて「理念」をあぶり出していきました。
大きな木の塊から、芯となる想いを掘り出していくような作業でした。
そして、施設長など幹部社員とも話し合いの場を持ち、
現場の職員にも届くような言葉になるまで練り直していきました。
幹部らと想いをひとつにする作業や現場にいかに浸透させていくか話す中で、
組織に一体感を生み出す見通しを持つことができました。
そして、生まれた理念が「人としてともに生きる」という意味で、
弘法大師の言葉である「共生同行」、
行動指針としての「Life & Join us」です。
私はいつも「一緒に」「ともに」ということを言っているらしく、
それで「共生」という言葉が生まれました。
そして、今80歳の人でも20歳、30歳の時があったわけで、急に高齢者になったわけではない。
「介護=お世話」じゃなくて、最後までその人らしく生きていただくために寄り添うこと、
つまり「同行」することが、私たちの仕事なのだということをこの言葉に込めました。
明確になった理念を現場のスタッフにまで浸透させるため、
言葉としてただ発信するだけでなく、
ユニフォームとしてビビッドな5色のポロシャツを用意し、
行動指針を印字しました。
スタッフ一人ひとりに好きな色を選んでもらいましたが、
理念・行動指針を受け入れてくれているのを感じています。
また、色の力で施設も明るくなり、スタッフも活気づきました。
また、異業種からの参入が相次ぐなかで、
当社だからこそのことはなんだろうと考え、立ち帰ったのが、
「看護師がつくりたかった介護施設である」ということでした。
これまでは、「看護師」であることを前面に出してはいませんでしたが、
本当は自分の経験を役立てたいんだということに気づき、
「看護師が経営する施設」を強みと捉え、発信し始めました。
医療業界と連携し、新たなフェーズへ
このような取り組みが功を奏したのか、
新設したホームへの入居希望がこれまでと比べて早い段階で集まり始めました。
また、人工透析の方や酸素吸入の必要な方など、
医療行為が必要とされる方々の受け入れについて、
病院関係からたくさんの問い合わせをいただいています。
施設は増えているものの、そうした医療行為に対応できるところは少ないんですね。
私たちの強みが世の中のニーズとマッチしていることがわかり、
勇気をいただきましたし、これからの見通しになっています。
また、スタッフも、より高度なサービスを提供できるように資格の取得に励んだりと、
会社全体に前向きなエネルギーが生まれています。
今後は、24時間地域巡回できる在宅の支援体制を実現することを目標としていきます。
福祉先進国のデンマークではすでに主流となっていますが、
最期まで住み慣れた「わが家」で過ごすことができる「在宅」が介護の理想の形だと考えているからです。
ビジョン実現のためにも、全社を挙げて誠心誠意、事業に取り組んでいきます。