Case Study
【東急リゾーツ&ステイ株式会社様】評価者研修

- 業種
- 宿泊業・リゾート施設の運営コンサルティング
- 会社規模
- 1001名~5000名
- ご利用サービス
- 評価者研修
- 対象者
- 1次評価者(約180名)の皆様
人事評価の“ものさし”が揃い、現場の育成力が向上する。
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課題
上司によって評価の基準にバラツキがあり、不平等感が生まれていた。
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解決策
1次評価者を対象とした、全6クラス約180名に「評価者研修」を導入。
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成果
評価の基準が統一され、現場に浸透することによって納得感が生まれる。
東急リゾーツ&ステイ株式会社は、東急不動産が展開するホテル・リゾート事業の強化を目的に、東急リゾートサービス、東急ステイ、東急ステイサービスの3社を統合して2020年7月に誕生した総合運営会社です。全国に展開する施設は100か所以上、スタッフ数は約2,200名、利用者数は年間680万人に上ります。"FUN MAKE SPECIALIST"をビジョンに、出会うすべての人々が"楽しい"を感じられることを目指し、また何度でも訪れたくなるような豊かな時間と体験を提供し続けています。
今回は、人事評価制度における1次評価者の皆様に向けた「評価者研修」をご支援させていただきました。導入の背景や成果について、総務人事統括部の山崎様と南川様にお話をお伺いしてきました。
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総務人事統括部 兼 同統括部グローバル人財開発部 副統括部長 山崎 国博 様
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総務人事統括部 グローバル人財開発部 人財開発グループ グループリーダー 南川 瑠乃 様
(以下:敬称略)
当たり前が塗り替わる、変革の時代において。
御社の成り立ちや事業内容についてお聞かせいただけますか?
南川:私たちの事業の歴史は古く、1960年代から別荘管理やゴルフ場運営を手がけ、1980年代にはスキー場、会員制リゾートホテル「東急ハーヴェストクラブ」の運営受託を開始、1990年代には都市型ホテル「東急ステイ」を立ち上げました。東急リゾーツ&ステイは2020年7月に3社が合併して誕生して以来、時代の変化に則した新しい価値創造にチャレンジしています。
業界の変化をどのように感じていらっしゃいますか?
山崎:2020年と言えば新型コロナウィルスの世界的な感染拡大によって、宿泊業は大きな影響を受けました。その後は予想していたよりも早く旅行需要が回復し、それに伴い利益の回復も早まりました。しかしながら、現場は人手不足や疲弊も見られ、需要と供給が追いつかない時期もありました。コロナ前は当たり前だったことも現在はそうではないからこそ、考え方も含めて変革が求められる時代になっていると思います。
南川:今では地方でも外国人観光客が増え、利用者の多数を占めていることも特徴の一つです。今までは外国人観光客が少なかったエリアや店舗でも利用者の比率が変わってきていることを受けて、2024年8月からはグローバル人材の採用を強化するようになりました。ただ、在留資格の制約などでオールマイティに活躍できないケースがあるなど、現場での新たな課題感も出てきており、体制面の整備を模索しているところです。
原点に立ち返り、全員の基準と認識を揃えること。
今回、研修導入前にはどのような課題があったのでしょうか?
南川:上司によって評価の基準がバラバラで、評価される側に不平等感が生まれていたことが課題でした。定量的に評価すべきところを定性的に評価してしまうケースもありました。評価をつけるだけではなく「制度を活用して、人材育成をする」という評価者としての役割認識が曖昧だったと思います。
山崎:地方によっても差が大きく「この事業所に行けば、早く昇格できる」といった声も出ていました。マネジメントするチームメンバーの人数や業種によっても困難感が異なりますからね。コロナが落ち着いて、研修のスタイルが戻ってきたタイミングで原点に立ち返り、全員の基準を揃えていくことに踏み切りました。
そのような状況の中で、アチーブメントHRソリューションズを選んでいただいた決め手はどこにあったのでしょうか?
南川:アチーブメントHRソリューションズの印象は、「人の育成や、人の人生にここまで本気で取り組んでいる会社があるのだな」と思いました。コンサルタントとお話する度に、その熱意を感じました。
そして評価者研修を導入する前に、2年目・3年目の若手社員研修を担当いただいていたので、弊社の若手が抱える課題をよく理解いただけているというのも安心感としてありました。そういった現場感をイメージできる会社に、評価者研修もお願いしたいと思いました。
ありがとうございます。以前は評価者への教育はeラーニングで行っていたと思います。今回、研修に切り替えてみていかがでしたか?
山崎:eラーニングは「聞き流していても受講できてしまう」という側面があり、内容もそこまで難しいと感じるようなものではないので、何となく理解できたというレベルで終わりがちでした。
しかし研修はLIVEですので、一緒に受講している参加者の様子や反応がわかります。「自分、ついていけていないかも」と気づいたり、聞きたいことはその場で講師に質問して解決することができたりします。そこに行かないと得られない同僚や講師とのコミュニケーションや実践的な学びが大きかったと思いますね。
南川:今回、事業所ごとに6クラスに分けて、敢えて小規模で実施できたこともよかったです。事業や業種による評価の違いや悩みを分かち合うことで、「この課題を抱えているのは自分だけではない」ということがわかり、ともに解決策を出し合うことによって共通言語をつくるきっかけになったと思います。
評価の"ものさし"は、個人の原体験に依存しない。
研修の中で、受講者にとって有意義だったと感じる学びはありますか?
山崎:これまでは、評価のものさしが自分なりの解釈や「自分がこれまでこう付けられていたから」などの原体験にゆだねられていたと思うんです。例えば上司やセクション内での人間関係や直近の成果によって評価が付けられてきた経験をしている方々もいらっしゃいます。だからこそ改めて研修を通して、目標設定から業績評価面談までの流れに沿って、評価者としてのスタンス・ノウハウ・スキルを体系立てて学ぶ機会を得られたことはとても有意義な学びになったと思います。
南川:研修の中での学びはたくさんありましたが、前提として「人事評価」と「人事考課」の違いを理解できたことは効果的でした。人事評価の視点では「期末での人材の価値を評価し、職責や給与を決める」ということを目的とします。人事考課の視点では「該当期間中に取り組むべき成長課題を考え、人材育成を促進させる」ということを目的とします。研修では、多くの上司にとって人事考課の観点が弱くなりがちだということを踏まえて、人事評価制度を活かしきるためには両方の観点を常に持ってマネジメントする必要があることを学びました。
山崎:そして当たり前のようでいて、意外とやっていないと気づかされたのが「事実を記録すること」です。受講者からは「すぐにできるのに、なかなかできていない」という内省に繋がっていたようです。まずは日々、メンバーに関する事実を正確に記録した上で、組織として正しい解釈をすることが大切であるというメッセージが伝わったと思います。
また、フィードバックについては期末だけではなく「中間フィードバック」の仕組みづくりが大切であるということです。今回、中間フィードバックを実施している割合は各班に1名ほどで、やっている人が当たり前じゃないということがわかりました。定期的な1on1ミーティングやチームミーティング、個別の日報などを通して、意図的に機会を創出していきたいという声が聞かれたことを嬉しく思います。
講師の印象や、受講者との関わりはいかがでしたか?
南川:今回、評価者研修を担当いただいた浜口講師には、ご自身の会社経営や店舗経営において、自ら人事評価・人事考課を実践している体験談を交えて説明していただきました。それがリアルでわかりやすく、受講者にも響いていました。また、受講者が相談したいと思える雰囲気づくりが上手く、弊社の社員に合う講師を選定いただけたと思います。
研修中は共同学習のスタイルで、ディスカッションやワークシートの書き込み、全体発表など、受講者がアウトプットする機会が豊富に盛り込まれていたことも深い学びに繋がっていたと思います。
実践意欲度は98%、現場に共通言語が浸透する。
ありがとうございます。研修受講後は、どのような変化が見られますか?
山崎:現場において、「それは事実なのか?解釈なのか?」といった共通のワードが飛び交うようになったことが大きな変化の印です。共通の話題に研修での学びが必ず入るようになったことで、お互いの会話が深まったり、仕事の支えになっていたりすることは、この研修があったからこそと言えると思います。「自分のやっていることは正しいのか?」と迷いが出た時にも、原点に立ち返ることができるようになりました。
南川:研修後のアンケートからは「研修での学びを現場において実践したい」という実践意欲度は98%と高い割合を占めており、そういった意欲を現場で継続できていることが大きな成果です。メンバーの方々も「すぐ相談できる環境が生まれた」「上司が一律でメッセージを伝えるようになった」など多くのポジティブな意見が聞かれるようになっています。
今後、注力していきたいことはありますか?
南川:中期経営計画において"FUN MAKE SPECIALIST"を基盤に、変革を楽しむ組織になろうという命題に向けて様々なプロジェクトが動いています。今やっていることを継続するだけではなく、社員が自ら新しい仕事を考えて行動し、変革を楽しんでいくことによって、顧客に提供できる価値を益々増大させていきたいと思っています。
そのためには次世代を担う中堅〜管理職未満の層が重要になってきますので、フォローや研修を手厚くしていきたいと思っています。まずは今回の評価者研修によって、以前は評価に"ものさし"が全くなかったところから基準が整い、現場に浸透しつつあることで育成の文化にも良い影響を与えることができました。
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