コラム

Column

大杖正信のモチベーションエンパワーメントメッセージ

講師歴25年を誇る大杖正信が、朝礼のネタなどでも使えるモチベーションを高めるメッセージをご紹介します。

「アメとムチ」は効果がある?

「アメとムチ」は効果があるのでしょうか?ジョージア州立大学の研究によると、「アメとムチ」の「ムチ」を使うことには大きな弊害があることが判明しました。逆に有効的な指導方法として「アメとアメなし」が注目されました。
では、「アメとアメなし」とはどういった指導方法なのでしょうか?

人の行動を改善しようとするときによく考えられるのが、「アメとムチ」を使うということです。
でも実は、「アメとムチ」よりは「アメとアメなし」のほうが、効果が高いことがわかっています。

たとえば、アメリカのUCLAバスケットボール・チームの伝説的コーチ、ジョン・ウッデンは、チームを12年間で10回に渡り、全米チャンピオンに導きました。
彼の打ち立てた記録は全スポーツを通して、歴史上のベストコーチと讃えられています。

その彼の言葉に、

「指導者とは、人々に意欲を起こさせるために、銃を必要としない人のことである」

とあります。

彼の指導には大きな特徴がありました。
一般的にコーチが選手を指導するときには、「アメとムチ」を使います。
スポーツ選手を指導する場合、よく使われる「アメ」は「よし!」「素晴らしい!」のように、よくできたときに褒めることです。
そして、最大のご褒美は、試合でプレーができることです。

「ムチ」というのは、「きつく叱る」ことです。

この「アメとムチ」を使いこなすのが、通常の指導の仕方ですが、ウッデン・コーチの指導は「アメとアメなし」だったことが研究からわかっています。
「アメとアメなし」ということは、選手が指導通りできたときには「褒める」、そして、できないときには「褒めない」ことです。
また、選手がミスしたときには、「バカやろう!」のように叱責するのではなく、「どうしたら、改善できるか?」に焦点を当てた指導をしていたということです。

ついつい私たちは、指導した相手ができないときには、相手が身に染みて反省するようにと、「叱る」ことが一番良いのではないかと思ってしまいがちです。それに「『アメなし』って、甘いんじゃないの?」という気持ちもあります。

実際に、「アメとアメなし」と「アメとムチ」のどちらが選手にとって良い指導なのかを、ジョージア州立大学が研究しています。
「アメとムチ」では、ミスが続く場合は「グラウンド10周走ってこい!」というように、そのプレーとは関係のない「罰」を与えます。

この二つの方法を使って実際に検証してみると、ウッデン方式では通常の指導方法(アメとムチ)よりも10倍ほど選手の上達度が上がりました。

さらに興味深い結果として、ウッデン方式で選手が上達しても、通常の指導方法に直すと、せっかく上達した選手のパフォーマンスが落ちることもわかりました。


ちなみに「ムチ」を使う弊害として、次のようなことが考えられています。

(1)「ムチ」を使うと選手のモチベーションが「失敗しないように」ということに意識が行き、のびのびとプレーできなくなる。

(2)チーム・スポーツにおいては、チームの雰囲気が悪くなる。プレーする喜びがなくなる。

(3)コーチが選手のロール・モデルになりにくい。つまり、選手が将来コーチのような人になりたいと思わない。

(4)選手とコーチの良い人間関係の構築が起こらない。



「アメとアメなし」指導方法では、次のようなことが起こります。

(1)ミスを成長のためのプラスとして捉え、積極的に学ぼうという環境ができる。

(2)選手とコーチの良好な人間関係が構築される。

(3)選手がプレーすることの喜びをさらに感じるようになる。

(4)チームがより良くまとまる。

(5)選手のパフォーマンスがさらに改善される。


さらに「アメ」を与える指導方法では、次のことが大切なポイントになってきます。

(1)何が「アメ」になるかは、それぞれの選手で違うので、選手の個性や価値観によって「アメ」をうまく見極める。

  ムチは使わない方が良いと前述しましたが、叱責や罵倒が「愛のムチ」=「アメ」と感じる人もいます。逆に言えば、誰彼かまわず同じコトバで褒めればよいというものではありません。

(2)少しでも良い行動・改善が見えたら、即座に「アメ(褒める」を使う。

(3)「アメ」がなぜ使われたかが選手に的確にわかりように伝える。

能力がある人にありがちなのが、「全部できるまで褒めない」ということ。
これだと、ずっとアメなしの状態です。わずかでも改善が見られたら、すぐ褒めましょう。

もし選手が、今学んでいることをいつまでたってもできるようにならないなら、さらにステップを細分化して指導していきます。
どこまで細分化したら良いかは、その選手が前に進めるくらいの穏やかなステップまで分解・細分化することです。
こうして、選手の能力に応じて各ステップをできるところまで細分化し、褒めていくことを

「シェイピング」

と呼んでいます。
「シェイピング」することは、学ぶことへの意欲を増大させます。

それに対して、結果を出せば特定の選手に報奨を与えるというやり方は、勝ち負けの結果にばかり意識を向けさせ、個人的なエゴを増長する結果になるのです!

大杖正信
著者:大杖正信 アチーブメント株式会社 エグゼクティブトレーナー
Profile
アチーブメント株式会社エグゼクティブトレーナー。マネジメント研修、コーチング研修などを中心に講師を務め、年間の研修日数は200日を超え、リピート率は100%を記録。トレーニング歴25年のベテラン講師である。
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