仕事を自己判断で進めていく社員のマネジメント方法
仕事を自己判断でどんどん進めていく社員というのは、行動力に優れていますが、取り返しのつかない大失敗をする可能性も非常に高い傾向にあります。
それでは、そういった社員の場合、どういったマネジメント方法がもっとも効果的なのでしょうか?
「生み出したい成果を得られているかい?」
「なんでなにも相談しないんだ!」
コラム
Columnケース:31
アチーブメントHRソリューションズ株式会社は、人材育成・人事コンサルティング企業として、人材育成や採用に関する人事課題を数多く解決してまいりました。
人材採用、人材育成、組織開発は、組織の発展に不可欠です。アチーブメントHRソリューションズは、これからも人材育成・人事コンサルティングのリーディングカンパニーを目指して精進してまいります。
入社1年目のFは学生時代は団体の代表を務め、様々なイベントを取り仕切るほどの行動力を持っている。だが、その行動力ゆえに、相談せずにひとりで進めてしまう傾向にある。
事後報告になることが多く、相談に来る機会も少ないため、問題が大きくなってしまってから発覚することも少なくない。先輩社員のイライラも募っているのだが、自分の何が間違っているのか理解できていない様子だ。
どのように声をかければ、改善を促せるだろうか?
持ち前の行動力が裏目に出て、自分の判断で仕事を進めようとしてしまうF君。
このような場合、上司は、
「なんでなにも相談しないんだ!」
と一方的な叱り方をしても効果的ではありません。F君には、相談なく自分で判断してしまうという問題がたしかにありますが、ただ叱るだけでは、萎縮してしまい、良さでもある行動力が失われるだけで、問題解決には繋がらないからです。
そこで、彼の行動力を尊重しながらも、それによって生じている問題を改善する、というスタンスに切り替えてみましょう。
この時大事なのは、
「生み出している結果に対する自己評価を促し、報告・相談の意義をしっかり理解してもらう」
ということです。
問題が発生してしまっている、という事実。そして、それが大きくなってしまってから発覚するという事実。これらは、F君がつくり出したかった結果ではないはずです。
だからこそ、実際に生じてしまったこの事実を、本当はつくり出したかった結果に変えるためにはなにが必要かということを考えてもらうのです。その中で、報・連・相の意義・価値を伝えていきましょう。
報・連・相は、ビジネスを進める上では、体の中を流れる血液のような存在です。
正しい情報共有が行われることで、正しい意思決定がなされ、正しい結果が生みだされます。報・連・相はビジネスにおいて欠かせないものであり、報・連・相をするからこそ、F君の得たい成果が得られる、ということに気づいてもらいましょう。
報・連・相を通して上司の知覚を借りることで、自分が得たい成果を得られる、という見通しを持つことができれば、F君は自ずと事前に報告するようになるはずです。
上司から一方的に叱りつけても、その内容自体の理解にとどまり、行動変容までは起きないことがあります。それは、報・連・相がなぜ大切なのか、ということまでは深く気づいていないからです。
F君がつくり出したい成果を一緒につくり出すためにも、報・連・相が重要であること。そのことに自ら気づいてもらえるような関わりを心がけていきましょう。
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