大学生の夏休みもいよいよ終盤に差し掛かり、10月には内定式を控えている会社様も多くいらっしゃるのではないでしょうか? この内々定から内定に変わる時期は、就職活動から時間も空き、学生からの辞退が発生しやすい時期の一つです。特に中小企業にとってはここが勝負所だと言っても過言ではないでしょう。内定を出した学生を、いかにして着実に入社につなげるか。今回はそのための、『学生の心をつかんで離さない関わり方』に焦点を当ててお伝えしていきたいと思います。
『一緒に』という姿勢をベースに
まず最初にお伝えしたいことは、採用担当として学生と関わる際は「評価する」「見極める」といったスタンスを一切捨てて、「学生と一緒に未来を創っていく」という姿勢で関わって頂きたい、ということです。その姿勢を前提に学生と話し、時間を共有することで、信頼関係を飛躍的に深めることができます。具体的には、以下のポイントに留意してみてください。
・学生の強みや良さをふまえ、
自社でそれがどう活かせるかを具体的にイメージできるように伝える
・なぜ他の人ではなく、あなたでなければならないのかを語る
・ひとりではなく「私たち」と一緒に働くことで、
可能性がどこまで広がるかを伝える
・あなたが入社することで、
会社にとって社会にとってどんなプラスがあるかを伝える
・「一緒にやっていこう」「共に目指したら凄い可能性があるよね」など、
ストレートな言葉を随所でかけていく
これらは「あなたと一緒に」というメッセージを学生に伝えるための観点ですが、あくまで観点であることを忘れないでください。一番大切なのは、「あなたと一緒にやっていきたい」という“想い”です。その想いを効果的に伝えるための観点として、上記の内容を活用して頂ければと思います。
学生の心をつかむ4つのポイント
さて、大切にして頂きたい基本スタンスについてお伝えしましたが、ここからはさらに具体的に、「学生の心をつかむ関わり方」についてポイントを4つに絞ってお伝えしていきたいと思います。
[1]学生がされて嬉しい言動をとる
相手に良い影響を与えるには、「相手がしてほしいことをする」ことが重要です。特に「傾聴する・受容する・励ます・支援する・信頼する・尊敬する・意見の違いを交渉する」といった選択理論心理学が教える『身に付けたい7つの習慣』を意識するだけでも大きく変化があります。
[2]相手の欲求に合わせて話す
人には「生存、愛・所属、力、自由、楽しみ」の5つの欲求があります。各学生の欲求バランスを見定め、それに合わせて打ち出す会社の強みや話し方を変えていくことで、より効果的に動機づけることができます。
[3]オセロの原理で、強みに変える
短所と長所は表裏一体です。自社の課題や弱点を率直に伝えつつも、それらは将来の可能性であり、それを乗り越えることによって充実感が得られることを伝えていきましょう。
[4]内定辞退回避は事前に行なう
内定辞退の意思を示されてから内定承諾まで引き戻すには、大きなエネルギーが必要となり、お互いに疲弊してしまいます。内定を出した後に出やすい内定辞退理由については、リクルーターとの面談の段階から事前に意識し、内定辞退に気持ちが流れないよう事前に対応していきましょう。
いかがでしたでしょうか? 以上、4つのポイントをお伝えしましたが、いずれにせよ大切なのは、『あなたと一緒に働きたい』という想いです。採用に携わる方々がどれだけ真剣に思っているか。それは学生に必ず伝わります。だからこそ、いつでも誠意を尽くし、真心を尽くして学生と向き合えるよう、常に高い基準で意識を保つことを心がけてみてください。
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大学卒業後、大手就職情報会社にて、新人ながら営業社員1300名中1位の成績を収める。その後、ベンチャー企業に転職し、採用コンサルティング事業を立ち上げ、同社の基幹事業へと育てる。アチーブメント入社後は、コンサルタントとしてクライアントの採用活動成功を請負う傍ら、新入社員研修などの講師も務める。
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