
組織の業績を上げるために必要な人材とは、リーダーだけではありません。リーダー以外に、フォロワーと呼ばれる人材が必ず必要なのです。
それでは、そのフォロワーとは、一体どういった役割を果たす人材で、どういった行動をする人材なのでしょうか?
ある金融会社の例を参考に考察していきましょう。
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先日、全国170以上の支店を誇るある金融会社の人事担当者の方にお会いする機会をいただきました。
お話を伺うと、各支店の業績(収支)に大きな差があるとのこと。
上位数パーセントの数支店だけが好業績を収めており、90%以上の支店については業績がそこそこ、もしくは、それ以下という現状だったそうです。
「その現状を変え、会社全体の業績を高めるために、どうしていくのがよいか?」
今回は、そのようなご相談をいただいたのでした。
よくよく調べると、好業績を収めている支店には、他の支店にはない特徴がありました。
その支店にいる構成社員のうち、数人がある行動特性グループに属していたのです。
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一般的に、組織に所属する人の行動は、以下の4つのいずれかに分類されます。
1)リーダー行動
・・・組織のリーダーの役割を持ち、主体的に組織の目的・目標の達成に対して働きかける
2)フォロワー行動
・・・組織のリーダーの役割を持たず、主体的に組織の目的・目標の達成に対して働きかける
3)役割行動
・・・組織のリーダーの役割を持ち、組織を取りまとめるなどの役割はこなすが、役割以上のことはしない
4)非生産的行動
・・・組織のリーダーの役割を持たず、与えられた役割はこなす(こなそうとする)が、役割以上のことはしない
この金融会社の好業績を支える支店には、実は、1の行動特性を示す支店長か、2の行動特性をとる副支店長またはメンバーが1、2名程度、存在していたのです。
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ここで、注目したいのは、2のフォロワー行動をとる人材の存在です。
実は、多くの成功している組織には、素晴らしいリーダーだけではなく、フォロワーと呼ばれる人たちが必ず存在しています。
アメリカ カーネギーメロン大学のロバート・ケリー教授の調査によれば、組織が出す著しい成果の80%がフォロワー(部下)によるもの、残り20%がリーダーによるものだそうです。
つまり、組織の成否の鍵を担っているのは、「フォロワーの能力」であり、部下力(フォロワーシップ)次第で会社の命運が決まってしまうといっても決して大袈裟ではありません。
管理者ではないが、組織全体に対する当事者意識を持ち、「いま何をすべきか」を創造的に考え、生み出すフォロワーシップという概念。
いかにして、役職と無関係に組織を動かしていく主体性を育むか、効果的なフォロワーシップを身につけるにはどのようにすればよいか。
そこが企業が発展していくポイントなのです。
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