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オンライン研修の学習効果を上げる工夫5選

更新日: 2020年6月22日
感染症の第2波が懸念される中、オンライン研修の導入を行う企業様も増えてきました。58.5%の企業が「オンライン研修に抵抗がない」(弊社調査)と答えており、今後、人材育成においてオンライン研修の定着化が考えられます。今回は、オンライン研修で学習効果が高まる工夫をご紹介いたします。
目次:

1.オンライン研修が双方向になる工夫をする

 オンライン研修は、Skype、Google Meet、Microsoft Teams、ZoomなどのWeb会議システムを介して実施します。Web会議システムには多様な方法でコミュニケーションをとることができるツールがあり、それらの特性を工夫して研修に活かすことで、参加者は理解を深めることができ学習効果が高まります。以下に、オンライン研修が双方向になる工夫をご紹介いたします。

 

グループワークを行う

 集合研修では、6名程度のグループに分けてワークやディスカッションを行い学習者同士で学びを深めることが効果的だと考えられています。オンライン研修では、そのようなグループワークは難しいと考えている方も多いようですが、実はWeb会議システムのZoomには、オンライン上で小グループに分かれてディスカッションを行うことができる「ブレイクアウトセッション」という機能があります。

 オンラインでのグループワークのやり方として、たとえばお題は講師が全体に提示し、セッション中のみグループに分かれてワークを行った後、再度全体のセッションに戻り、グループでまとめた内容を全体で共有するということができます。

 更に、オンライン研修では集合研修よりも少ない±4名程度のグループにする工夫もおすすめです。というのも、オンラインでは、受動的な状態で続く集中力の時間がリアルよりも短いので、メンバーの話を聞くという受け身な状態が短い方がグループディスカッションの効果が高まるからです。

 

研修中は随時質問を受け付ける

 オンライン研修を双方向にすることで学習効果を高めるのに使えるもう一つのツールが「チャット機能」です。チャット機能では、参加者が打ち込んだテキストが、映像の横にリアルタイムで表示されて行きます。このチャット機能の特性を活かして、オンライン研修中に受講者からの質問を受け付けることで、学びの過程において学習者に浮かんだ疑問を解消しながら進めることができます。

 特に、リアルな集合研修では、学習者の学びの状態を表情などの非言語的な要素から把握することができますが、オンライン研修ではそれが難しいため、質問はオンライン研修中、随時受け付けることをおすすめいたします。

 質問に回答するタイミングは、内容の理解に関するものは、次の学びに影響するのでその場で答える、個人的なアドバイスは2者間でのやり取りが多く発生するので、休憩中や終了後に受け付けるなど、種類によって対応を変えることが望ましいです。

 

2.オンライン研修受講者の集中力が高まる工夫をする

 オンライン研修は、PCのモニターを見ながら受講するので、集中力が継続しづらいという性質があります。それを踏まえた上で、以下のような工夫をすることで受講者の集中力を醸成し学習効果を高めることができます。

 

見られているという意識の醸成を工夫する

 オンライン研修を行う際、参加者側にも受講している様子を映し出すWebカメラを整える工夫が必要です。というのも、デバイスでYoutubeなどの「映像を見る」ということが日々の生活に浸透しており、受講者を映し出す環境がないと「映像を見る」という習慣がオンライン研修の時にも出てしまい、受動的な学びになってしまうからです。オンライン研修では、この「見られている」という意識を醸成することで、緊張感が高まり、集中力が継続されます。

 具体的には、オンライン研修中は休憩時にも講師側、受講者側共にWebカメラをONにしておくという工夫があります。更に、オンライン研修中に、講師はリアクションを定期的に求め、リアクションに対して「たくさんうなづいていただいてますね」「OKマークありがとうございます」など講師がコメントをするなど工夫をすることで「見られている」という意識が高まります。

 WebカメラはPCに内蔵されている場合も多くありますが、ない場合は外付けのUSBカメラを事前に準備し動作確認をしておくことが重要です。

 

受講生が体を動かせる工夫をする

 長時間座りっぱなしなど同じ姿勢でいると、一部の筋肉が緊張した状態にあり、そこに乳酸がたまり疲れとなります。オンライン研修では、PCのモニターを見続けて受講するため、じっと同じ姿勢でいる状態になりがちなので、参加者が体を動かす機会を意識的に設ける工夫をすることで、受講中に疲れがたまりにくくなり、集中力を持続することができます。

 たとえば、講師の話に共感したらうなづく、他の受講者が発表したら拍手をする、休憩中にストレッチを推奨するなどの工夫があります。

 

モニターが目線の高さになる工夫をする

 「集中力が高まる姿勢」についてテキサスA&M大学のランジャナ・メータ氏が行った研究結果によると、背中を曲げて目線を下げている場合と、背筋を伸ばし目線をまっすぐに向けた場合を比較したところ、後者の所謂「良い姿勢」の方が2倍も集中力が継続したという結果が明らかになりました。

 オンライン研修は、PCで受講することが多いと思いますが、座ると一般的に机は腰の高さにくるので、特にノートPCの場合、モニターは目線よりかなり下の位置になります。そこでオンライン研修では、モニターができるだけ目線の位置になるよう台の上に載せて受講するようアナウンスしておくという工夫をすることで、受講者の集中力を高めることができます。

 

3.オンライン研修のInputを工夫する

  オンライン研修ではInputを工夫することで学習効果が高まります。学習の際のInputというと、「聞く」「読む」「見る」という3つが挙げられると思います。しかしながら、これらの方法は、文章や情報が自分に向かって発信されている事を前提としているため、受け身になりがちなInputです。そこで、オンライン研修では、更に2つのInputを加えて工夫をすることで学習効果が高まります。

  一つは、「問う」というInput方法です。たとえば、「社会人に求められる成長とは何か?」「チームの目標と部下の育成をどうしたら両立できるのか?」など学習者に対して問いかけていきます。「問い」に対して、人は答えを出そうと考えるので、脳が活性化し学習効果を高めることができます。

  もう一つは、「調べる」というInput方法です。オンライン研修は、PCを介して受講するので、検索エンジンで得たい情報を調べられる環境にあります。たとえば、エンゲージメント、パワハラの定義など研修に関連したテーマを設定し、受講者に調べてもらいます。調べるという、能動的な情報のInputにより学習効果が高まります。

 

4.オンライン研修のOutputを工夫する

 これは集合研修でも同じことですが、オンラインでも「研修終了後にOutputを求める」ということを予告しておく工夫をすることで、受講中の集中力が高まり、学習内容の定着が強化されます。実際に、ハーバード大学の研究者による研究でも、オンラインでの講義で、受講後に小テストをする可能性を予告したところ、受講者のメモをとる量が増えるなど学びの姿勢に変化がみられ、学習効果が高まったという結果があります。

 

5.オンライン研修の運営を工夫する

 オンラインならではの、研修運営の工夫をすることで受講者の学習効果が高まります。特に以下の2つを工夫としておすすめしたいと思います。

 

学習効果が高まるプログラムにする

 集合研修における、プログラムの考え方に、講師を育てるトレーナーとして著名なボブ・パイク氏の提唱した「90/20/8の法則」があります。

■「90/20/8の法則」

1.脳が集中をキープできるのは「90分」まで。⇒ひとつのモジュールは90分以内に収め、90分に一度の頻度で休憩をとる。
2.大人が記憶を保持しながら話を聞くことができるのは「20分」。⇒20分おきにペースを変えたり、明らかに異なった学習形式にする。
3.人間の脳は受け身な状態が「10分」続くと興味を失い集中力を失い始める。⇒講義は、8分を一区切りとして話を組み立て、8分ごとに参加者が主体的に考えたり話したりする時間を設けるなど参画の機会を設ける。

   冒頭で述べたように、モニターを介しての受講は集中力が持続しづらいという性質があるため、オンライン研修では、この3つを更に短く設定し「60/10/4の法則」でプログラムを組むという工夫をすることで、学習効果が高まります。

受講者のITリテラシーを確認する

 オンライン研修を受講する場合、受講者のITリテラシーが十分でなく、不安な状態で受講に臨んでしまうと学習効果に影響を及ぼします。操作に戸惑っているうちに、どんどん講義が進んでしまい、学びに集中できないという可能性もあります。

 そこで、Web会議システムの操作方法のマニュアルを作成し受講生に事前に渡しておく、もしくは操作方法のテクチャーをしておくといった工夫が必要です。更に、オンライン研修中のトラブルに対応するテクニカルスタッフを配置しておくこともおすすめいたします。

 研修の提供者側は、学習者が安心して研修に臨むことができ、受講できる環境を整えておくという工夫をすることが重要です。

 

まとめ

 オンライン研修では、Web会議システムの機能を活かすことで、多様な方法でコミュニケーションをとりながら学びを深めることができます。オンラインでは、リアルな環境よりも集中力が持続しづらいので、体を動かして気分転換を図る機会を設ける、集中力が継続しやすい目線の位置にデバイスを各自設置するようアナウンスする、プログラムの時間配分を集合研修よりも短く区切る、能動的なInputを増やす、小テストを行うことを予告しておくなど工夫をすることで学習にフォーカスできるよう工夫が求められます。更に、提供者側が、Web会議システムの操作方法を受講者に事前にレクチャーしておくことで、安心して受講に臨むことができ学習効果が高まります。

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